立葵咲いたら、夏。

立葵の好きなところ:①背が高い、②いろんな色がある、③突如現れる
桜みたいに「ここに行けば見れる」みたいな名所があるわけではなく、歩道だったり高架下だったり駐車場だったり、突然遭遇するランダム性に心惹かれる。あとはやはりハイビスカス的な風貌に平成女児のときめきが蘇る、みたいなところがありますね。(PIKOのペンケース使ってたな…)

7月上旬、9泊10日の室蘭出張。長いて。どうしてこんなに前半にスケジュール詰まってるんだっけ…とぼやいたら、「暑くなる前に終わらせようって言ってませんでした?」と言われる。そうでした。年度初めの私が決めたのでした。結果的にはナイス判断です。
室蘭は鉄のまち。夜になると工場地帯の煙突がライトで照らされ、プペルみたいだな…(良くない表現)と思う。日焼けしないよう暗めのサングラス、黒いアームカバー、黒い手袋、黒いバラクラバ(すべてメッシュ仕様)の完全防備で挑む。仕事で使うアイテムをワークマンで物色して自腹切ってるときが一番やるせない。なんで仕事のためにこんな無駄な出費をしなければならんのだ。その傍ら後輩はTシャツを肩まで捲り、あえて焼くと言っていた。若さやね〜
期間中何度かイルカの群れに遭遇した。イルカって普通に生活しててギリ遭遇し得る野生動物の中でも、かなりレア度が高い気がする。珍しいポケモンに会えたときの喜びというか。
ちょうど折り返しを迎えた5日目のこと。天候不良のため作業を中止して、出張先の部署の偉い人のところへ挨拶に行く。応接室に通され、低いふかふかのソファに腰掛け、長いな〜と思いながら話を聞き、やっと終わった、それではこの辺で失礼して…と、せっかく出していただいたコーヒーを一気に飲み干そうとするも無理そうなので申し訳程度に口をつけ、いざ立ち上がろうとしたその瞬間、えっ………力が入らない。
待って、やばい、何。とりあえず中腰でそろそろと退室し、一旦通路で屈伸したり、腰をひねったり、「ス」のポーズでアキレス腱を伸ばしたりしてみる。
これは完全に腰をやりました。
腰を押さえ、かがんだ姿勢のままゆっくりゆっくりエレベーターで下へ向かう。そうしているうちに今度は耳の聞こえが悪くなる。ぼやーっとして水中にいるときみたいな感じ。視界がサーっと暗くなり、軽い立ちくらみを起こす。1階の広いロビーに出て、テーブルと椅子が置かれた場所にやっとのことでしがみつく。買ってきてもらったペットボトルの水(500ml)をほとんど一気に飲み干した。ものすごい量の汗が吹き出していた。
少ししたら耳の聞こえが通るようになり、その場にいた上司と後輩に症状を伝える。ぎっくり腰だと思います。軽い熱中症が同時に併発して立ちくらみを起こしましたが、水を飲んだらおさまりました。
そのまま車で近くの鍼灸院に搬送してもらった。車が段差で跳ねるたび呻き声をあげる。「わざとじゃないですよ」と後輩。わざとだったら鬼ですよ。ゆっくりゆっくり車から降り、針と電気治療を受けた。サポーターも購入し、初診料とあわせて1万円。腰も出費も痛すぎる。意味わからん。
ドラッグストアでロキソニンテープと鎮痛剤としての頭痛薬を買う。白い箱のイブA錠よりも効き目のありそうな、金色の箱のイブスリーショットプレミアムというのにした。箱が金色だったり末尾に「プレミアム」とか「DX」がついてる方が効きそうな気がする。薬剤師だったらこういうのすぐわかるんだろうなあ。
とりあえず残り5日の出張、休むわけにもいかないので何とかやり切る。腰に違和感、というか異物感がすごい。爆弾を埋め込まれたような感覚。一番つらいのは夜寝てるときと朝起きるとき。痛みで何度も目を覚ます。朝はゆっくり身体をベッドの端まで持っていき、一旦床に落ちておく。そこからどうしよう、起きれない。3分くらい固まったあと、意を決してまずは両手を足首にかけ、腰を立て、折りたたまれたガラケーの体勢までもっていく。そこからゆっくり手を膝までスライドさせ、腰に当て、ふっ!と気合を入れて開いたガラケーの体勢まで身体を立てる。この動作に10分くらいかかる。トイレに行くのも一苦労だった。
最終日には車を運転できるくらいには回復した。脅威の治癒力。とりあえず出張はなんとか無事にこなせて良かった。はじめてぎっくり腰になった所感としては、朝起きるのがつらいけど一度起きたらあとはやるしかない。ゆっくりであれば歩けるし、座れるし、重いものも持てる。個人差はありそう。
戻ってきた週末、真駒内滝野霊園へ頭大仏を見に行く。



7月14日。父の命日。スーパーの花屋でユリの花を買った。生前父がプランターで栽培していた花。園芸が趣味ってわけじゃなかったと思うけど、祖母が亡くなってからは父が花の世話をしていた。案外楽しんでいたように見えた。DIYの一種としてやっていたのかもしれない。一人でDASH村をやっているような人だった。
「ユリじゃなくて〝カンゾウ〟っていうんだ」と言っていた。ユリに似たオレンジ色の背の高い花。だからオレンジ色のユリを買って花瓶に挿した。
7月下旬。法事で実家に帰省した。父の3回忌、祖母の7回忌、祖父の13回忌。それらが一気にやってきた。夏の山形は暑い、というよりもじりじりと照りつける日差しがもはや痛かった。墓参りをしているときに、誰かが「飛行機雲だ」と言ったのでみんな一斉に空を見上げる。虹のダブルアーチがかかっていた。しばし天を仰ぐ喪服の一同。
夕方のローカルニュースで「市内上空にはハロと環水平アークが見られました」と報じていた。氷の粒が太陽の光を屈折・反射させることで見られる現象だそうだ。

水ダウのクロちゃんのドッキリ(寝て起きたら川のほとりにいてその向こう岸に亡くなった父親がいたら死の淵にいるかと思う説)、悪趣味な企画だなあ…と思いつつ、なんかもう意味わからんくらいべしょべしょに泣いてしまった。実家の母も見て泣いたそうだが、最後のゲロが可笑しくて腹痛くなるほど笑ったと言っていた。それを聞いて少し安心した。

読んだ本とか
『いい音がする文章──あなたの感性が爆発する書き方』高橋 久美子
チャットモンチーの元ドラマー高橋久美子さんの本。エッセイかと思ったら文章の書き方とか小説や歌詞の解説をまとめたハウツーみたいな本だった。ところどころフォントが大きくなったり太くなったりするのがうるさかった。巻末見たら出版がダイヤモンド社だったので(………)となった。
『すべて真夜中の恋人たち』川上 未映子
「恋愛小説が苦手な人にこそ読んでほしい」みたいな触れ込みを見て読んだ一冊。めっちゃ恋愛小説!だったような。登場人物全員に対してモヤモヤした。言葉の表現がすごく美しくて、現実のグロテスクな部分には蓋をされてる印象を受けたけど、でもそうか、恋愛しているときの盲目的な視界を描いているのかもしれない。
見た映画とか
『この夏の星を見る』監督:山元 環
とても清らかな青春映画!
桜田ひよりさんが圧倒的主人公というわけではなくて、どちらかというと周囲の人にスポットライトをあてるアテンド側なのが新鮮で面白かった。だから彼女が太陽で、一番近くて遠い星が彼だったんだって気付いて、大変美しいな〜
『国宝』監督:李相日

「あんな風には生きられねぇよなあ」
すごかった。けどあっという間の3時間!というよりは、ちゃんと体感3時間あったな…前評判がよかったから期待し過ぎていた部分はあるかもしれない。そこまでノリきれなかった理由として、女性たちの心理描写が軽薄だったことが挙げられる。原作を読んでいないからというのもあるが、どうして…?となる行動が多かった。退席する男を女が追いかけるシーンが2度出てくる。放っといたれや…。女性たちの自我にスポットが当たらない、というのは歌舞伎界のリアルを表しているのかもしれないとも思った。
聞いてた音楽とか
『HOT SAUCE』BABYMONSTER
バキバキ系だけじゃなく脱力系もいけるんかい〜
こんなピコ太郎みたいなビートに乗せてしっかりカッコいいのすごい。
『BABY LOVE』FNCY
この切なさが残る感じ…俺が好きな夏曲…
8/24の文フリ札幌に向けて鋭意制作中です。毎回次はもっと余裕もって入稿しようって思うのにどうしていつもギリギリに……なんとか追い込みかけて間に合わせます。面白いZINEつくるぞ〜
最近食べておいしかった箱アイス紹介します。「明治 コーヒービートアイス 5本入り」です。おわり

