ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2024年9月のこと

9泊10日の出張から帰宅。誰もいない部屋で「アレクサ、だたいま」と言ったら「おかえりなさい!お疲れ様でした」という明瞭な声が返ってきた。アレクサ…私はもう疲れたよ…なんだかとても眠いんだ…(これは2024年10月のことだからまた来月書きますが…)

昔、一人暮らしのOL風の女性が「ただいまを言う相手もいない…」とつぶやきながら玄関のドアを開けると、カバくんの親子が「おかえり、おかえり」と優しく微笑んで迎えてくれるCMがあった。子供の頃見たそのCMがなぜかずっと記憶に残っている。懐かしくなって検索すると[イソジン CM 1995]というタイトルでYouTubeに違法アップロード動画があがっていた。当時はそんなこと気にもかけなかったが、よく見るとOL風の女性はやたらバブリーなスーツを着ている。かばんも小さい。平野ノラだ。さらに「カバくん」のキャラクターにおいては、2016年にイソジンを手放した明治と、販売を引き継いだムンディが商標権を巡って訴訟問題にまで発展した。現在は健栄製薬がカバくんの商標権、うがい薬CMソングの独占使⽤権を譲り受け、「カバくんの健栄うがい薬」として販売することになったそうだ。(道枝くんがCM出演している)

それはそれとして最近の私の癒やしは、何といってもタイの動物園にいるカバの赤ちゃんです。もちもちのボディ、直訳「豚肉団子」の愛称、自由奔放に荒ぶる姿についにこにこしてしまう。Twitterのおすすめ欄はすべてカバの赤ちゃんで埋め尽くしてほしい。

剥がし途中の広告がアートだった


仙台にいた頃にボクシングジムで仲良くなった大学生が学会で北海道に来ているという連絡をくれて久しぶりに再会した。別の用事で北海道に来るとなったときに「そういえばあのひと元気かな」と思い出してもらえることの嬉しさよ。事前に何が食べたいか聞くと「じゃがバターとツブ貝」と返信があったので、これまで行ったことのある店の記憶をフル回転でリロードし、じゃがチーズの鉄板焼とツブ貝の握りを出す寿司屋があったことを思い出し、そこで合流した。先に入店し2階席で待っていたジムの大学生は、ジムの大学院生になっていた。正式にはジムも退会しているから「元・ジムの大学生(現・大学院生)」ということになる。来年からは博士課程に進むそうだ。

寿司屋ではいろんな話をした。最初店に来たときはシーンとしていた他の卓の2組も、私たちの会話のボリュームにつられていつの間にか賑やかになっていた。

駅までの道を散歩する。沿道に並ぶランタンを「宇宙ジェットの形に似てる!」と言い、あらゆる角度から写真を撮っていた。宇宙ジェットは天体の中心からプラズマガスが噴出する現象で、ブラックホール理論を証明するには宇宙ジェットの存在が不可欠なのだという。よくわからなかったけど「はぇ〜〜」と返した。

GAMEBOYZは レコードプレーヤーを てにいれた!


ネバヤンのレコードを決済ミスで2枚購入してしまった。未開封なので欲しい人がいたら定価でお譲りいたします…
レコードプレーヤーで聞く音楽、重厚感があって良い。有線でスピーカーにつないでいるためクリアで頼もしい音がする。


祖父が亡くなったと母から連絡を受けたのは、ジムでスタジオプログラムのレッスンを受けているときだった。折り返し電話する。母と兄は車で病院へ向かっているところで、電波が悪いのか通話は途切れ途切れだった。とにかく葬儀の日程が決まったらまた連絡する。と言われ電話が切れた。自分でも心臓の鼓動が大きくなっているのを感じた。いてもたってもいられない気持ちをなんとか抑え、ジムのシャワーを浴びて帰宅。少しして、葬儀の日取りが決まったと連絡があった。参加を予定していた文学フリマの日とドンピシャでバッティング。9月の頭くらいに母から祖父の容態を聞いていたときからなんとなくそうなる予感はあった。ただ、そうならないことを祈って準備を進めてきた。文学フリマの件は残念だけど、まあそういうこともある。私の人生こんなことばかり…とはあまり思わない。それとこれとは関係のないことだから。「日頃の行い」とかいう迷信、大っ嫌い!だって根拠ないもん〜!
文学フリマの参加を断念し、祖父の葬儀に出ると決めてからはすっぱり切り替えられたかというと、そういうわけでもない。帰省する朝も無駄に洗濯機を回したり掃除機をかけたりと、どうにもそわそわして気持ちが落ち着かなかった。
山形空港に着くと兄が車で迎えに来てくれていた。車内で兄からもろもろ聞く。母は健康診断の再検査に二度ひっかかり、前日から下剤を飲んで胃腸をからっぽにしていたらしく、ついさっき精密検査を受けて何も異常も見つからなかったとのことだった。こんなときになんてこったといった状況である。ともあれ何もなくて本当によかった。
祖父の家に到着し、仏間に横たわる祖父と対面した。恰幅の良かった祖父が随分小さくなっていた。生前は農家だった祖父。しわしわの手を見て、叔母が「働き者の手だ」と言っておんおん泣いていた。かと思えば、肩をすぼめて裏に戻り「助演女優賞」とぼそりと呟いた。いかにも叔母らしい照れ隠しだなあ…と思う。祖父の顔を見たら、訃報を聞いてからずっとドコドコうるさかった心臓はいつの間にか穏やかになっていた。
火葬炉に入っていく祖父を、A子おばちゃんが「兄ちゃん、さようなら!!」と声を上げて見送った。母方の親戚の集まりにはほぼスタメンでいるA子おばちゃんのことを、母のイトコかハトコくらいの人だと思っていたのだけれど、祖父の妹であったことを今回はじめて知った。火葬炉の扉はエレベーターのドアみたいだった。妻夫木聡がCMをするサッポロビール「大人エレベーター」の終着地は、火葬炉なのではないか。そんなことを考えていた。
葬儀をすべて終え、近しい親族だけが祖父宅へ戻ってきた。居間に集まって祖父の思い出話をした。東北地方の家庭では冬になると、ストーブの熱をこたつに送る「こたつホース」なるジャバラ状のパイプが活躍する。私が小学生低学年くらいの頃、祖父宅で従兄弟と一緒にこたつホースの上で足踏みをして筒をべこべこに潰しながらジブリのビデオを見ていると、祖父に「お前だ、何やってんだ!」と見つかったことを覚えている。外孫の私は叱られず、内孫の従兄弟だけが祖父に叱られ涙をボロボロ流して泣いていた。私は内心「ごめん…」と思いながらも、私が先にやったのを従兄弟が真似しただけなんだとは言い出せなかった。そのことがずっと心残りだったと話したら、当の従兄弟はさっぱり覚えていなかった。ズルして怒られなかった方はずっと覚えていて、しっかり怒られた方がケロッと忘れて次に進んでいる。案外そういうもんだよな。

一方その頃、文学フリマ札幌では…

ZINEの頒布はお隣ブースのmudaさん(id:muda-muda)とロマンス詐欺さんに代行していただいた。GAMEBOYZの【か-24】にはほとんど終日ロマンス詐欺さんが立っていてくださったので、GAMEBOYZって名前だから男の人かと思ったけどブログの文面は女の人っぽい…?と思ったけどやっぱり男の人…?という混乱を招く形式になった気もしないでもないが、そこを気にしている人はいないと思うのでまあどちらでも良い。外見はあくまでアバターで、GAMEBOYZは概念なので…。
葬儀を終えた翌日には飛行機で北海道に戻り、mudaさんとロマンス詐欺さんと合流した。今回ZINEに寄稿いただいたnszwさん(id:hellogoodbyehn)も文学フリマ札幌のブースに立ち寄ってくださったと伺った。曰く「少しお話しただけで絶対に良い人だと確信しましたよ」とのことで、私も会場でお会いしたかった…。積もる話もそこそこに、視界に映ったLeTAOに吸い込まれるようにして入店。ラングドシャフロマージュの試食を慣れた手つきではしごする私とロマンス詐欺さんの後ろで、mudaさんは少し戸惑っておられるように見えた。スムーズな足取りで何も買わずに退店。
mudaさんが練り物がお好きだとブログかPodcastで話していたのを覚えていたので、工場直売のかまぼこ店にお二人を案内する。購入した揚げかまぼこを食べ歩きしながら坂をのぼる。少し離れたところからロマンス詐欺さんがカメラで写真を撮ってくれた。ピースしてるようなじゃなくて、自然な感じの写真を撮ってもらうことがあまりないのでなんか新鮮で嬉しかった。あとから写真を共有し合ったら、どれもたくさん笑っていて良い写真だった。私はmudaさんとロマンス詐欺さんが廃線になった線路の脇で松本伊予と早見優のポーズをとっている写真がお気に入りです。やらかした人に弱いロマンス詐欺さんは「何も書類送検しなくたっていいのにね」という旨のことを言っており、喫茶店でもフワちゃんや東出さんのことを擁護していたのが面白かった。

ショコラテリーヌをつつきながら

茶店の店主に紹介してもらった居酒屋でザンギと刺盛りを食べたあとは、mudaさんの趣味である「地元スーパーの探索」をした。納豆コーナー、牛乳コーナー、乳製品コーナー、和菓子コーナーなどの地域性の違いが楽しく、自分も今度から旅先では地元スーパーを訪れてみようと思った。車に戻り、用意していた「ナミビアの砂漠 札幌出張土産セット」をお二人に配布した。河合優実さん演じるカナが、六花亭のバターサンドのクリームをじゃがポックルの先端ですくって「甘いのとしょっぱいの嬉しい〜」と棒読みをする、あの組み合わせのお菓子です。ちなみにマルセイバターサンドもじゃがポックルも、どちらも家から徒歩5分で買いに行ける。これが道民マウント。甘いのとしょっぱいの嬉しい〜セットは、たしかに甘いのとしょっぱいのを食べている感じで、まあ悪くはないが一回試せば満足かも♪という食べ合わせであった。
水っぽい星さん(id:qsuitou)からmudaさんに「EMCの新曲が突然発表された」とのLINEメッセージが届き、早速車内でサブスクにつないで『グッド・バッド・ストーリー』を再生する。ああ、いいですね〜、もうサビのフレーズ覚えちゃいました…などと言いながら曲を聞く。良い曲!良い夜!
来年1月にある文学フリマ京都に出ませんか?とmudaさんをお誘いしたところ、出ましょう!と答えてくださったので、出ます!(抽選に当たれば…ですが)みんなも出よぜ〜!次回は自分の言葉でエッセイを書いてみたいと思っている。

読んだ本とか漫画とか

『センスの哲学』千葉雅也

  • センスとは「リズム」である
  • リズムはビートとうねりの並べ替えである
  • センスとはものごとを意味や目的でまとめようとせず、ただそれをリズムとして楽しむことである

人生はマルチトラック!


『新しい恋愛』高瀬隼子

恋愛にまつわる短編集。特に「新しい」恋愛である要素は感じなかったけど、スッと入ってきて読みやすい文章だった。特に最後の『いくつも数える』は身近なところでも起きていそうな話で、すごくリアルだった。


『恋とか夢とかてんてんてん(2)』世良田波波

うわ〜〜〜〜ん!!!恋てんの感想を書こうとすると濃厚な自分語りが始まってしまいそうで安易に語れない…

見た映画とか

『ラストマイル』監督:塚原あゆ子/脚本:野木亜紀子

テンポ良くて面白かった。
『アンナチュラル』7話と『MIU404』3話を見返してから行くと絶対に良いことがある!!!ってツイート見たのでそこだけ復習してから行ったけど、重要な伏線回収というわけではなく、あのときの高校生が成長して再び登場(一瞬)という小ネタだったので特に復習する必要なかったです。
「あっさり濁りませんでしたね」←これ好き


『愛に乱暴』監督:森ガキ侑大

主演の江口のりこさん目当てで鑑賞。終盤になって裸足で走り出したり、わざとらしい演出があまり好みではなかった。小泉孝太郎のオーラの消し方がすごすぎて上映開始から20分以上経ってから、えっ、この人小泉孝太郎か…と気が付いた。いつもの胡散臭い爽やか好青年のイメージが一切消えていて、本当にすごい。


ナミビアの砂漠』監督:山中瑶子

クリエイターズキャンプ
だいぶ序盤の「恥を忍んで言いますが」の時点で(なんやコイツ)とは思っていましたよ。
ずっと何なんだ…という映画ではあるんだけれど、じわじわ面白かったな〜。スーツのロン毛がカナを連れ戻しに来たときの車が「わ」ナンバーなんだよな。そこの細かさが、あ〜〜、徒歩だとカッコつかないからしっかり事前にレンタカー予約しちゃうんだよな〜この男は〜〜て感じ。もう一回見たい気もするけれど、137分は普通に長いのでもうちょっと間をあけてから見たい。

聞いてた音楽とか


カナやん 西野 FOREVER...
穏やかな曲調で恋の急転直下を繰り返すジェットコースターソング。


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すみません、内容紹介はまた今度書きます…。
9月のまとめも長い。肩凝った〜。明日出勤したら3連休。温泉にでも浸かってゆっくりしたい。