2018年に「上京して10年で引越しを6回した」というブログを書いた。
月日は流れ、あれから6年…さらに2回の引越しをした。ホテル暮らしも含めると3回かもしれない。
前回の記事では主に神奈川〜千葉〜東京の引越し事情を書いた。関東の浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでいたに過ぎないが、その後の異動でいよいよ関東を飛び出し東北〜北海道へと進出することになる。GAMEBOYZは大海原へと船を漕ぎ出したのだった…
私は自分の人生を物語だと思っている節があるのだが、引越しは一つの章のおわりであり、新たな章のはじまりなのである。
というわけで引越し遍歴パートⅡでは、前回のおさらいとして関東をスタート地点とし、2020年以降の北上ルートを辿る。
不思議な磁場がはたらく「何もない街」
期間 :2016年6月〜2020年4月
家賃 :54,000円(管理費5,000円)
面積 :17㎡
構造 :マンション/鉄筋コン
築年月:1993年3月
前回の記事では安全を配慮して地名を伏せたが、本記事では堂々と公開できる。知る人ぞ知る分岐駅「小竹向原」
小竹向原の良いところ:最寄り駅を聞かれたとき「コタケムカイハラ」と答えるとちょっとだけウケる。
小竹向原を知らない人は「どこそれ」となるし、知ってる人は「なんでそこ」となる。私の場合、船橋法典から小竹向原へ引越したので完全に語感の良さで選んだようなところがある。
小竹向原は地下鉄の駅なので地上には何もない。駅構内には売店もない。本当に何もない。この何もなさこそが小竹向原の特徴ともいえる。小竹向原周辺で飲みに行くとなれば南エリアに住む人は江古田に寄生し、北エリアに住む人は大山あたりまで足を延ばすことになる。
とはいえ小竹向原駅の交通アクセスはなかなか優秀である。東京メトロ有楽町線・副都心線、西武有楽町線の3路線が乗り入れており、職場までは一本で行ける。池袋に近いのは位置関係を見れば明白だが、渋谷や新宿(新宿三丁目駅)、横浜にまで乗り換えなしで行けることは意外と知られていない。めちゃ便利。
映画『春原さんのうた』では小竹向原が舞台として描かれている。何の特徴もない街だからこそスクリーンの中で独特な存在感を放っている。実存するどこでもない街。それが小竹向原。
物件情報について触れていなかった。狭かった。収納がないのは致命的。クローゼット、最悪なくてもいけるか?とか無茶しない方が良い。ディアウォールの棚が崩壊して大変な目に遭います。
いろいろ書いたけど小竹向原は結構好きな場所だった。また東京に引越すことがあったら候補地には入ってくると思う。
小竹向原で得た教訓
- 「どの街に住むか」と同じくらい自分が「どの路線を使うか」を考えよう
- 最低限の収納は必要
- 馬鹿がディアウォールで棚をDIYしてはいけない
コロナ禍の1ヶ月を過ごした隔離要塞
期間 :2020年4月17日〜2020年5月15日
コロナ禍における人の流れを抑制するため、引越し2日前に転勤の凍結を言い渡された。部屋の引き渡しや荷出しの日は既に決まっていたため、スーツケースひとつで約1ヶ月間ホテル暮らしを余儀なくされる。どういうこと。いま改めて考えてみても愚策。
何が一番負担だったかというと、このホテル暮らしがいつまで続くのか…まったく先が読めなかったことである。毎日フロントへ行っては延泊の手続きをした。
一度区役所に出した転出届も一旦取り下げに行き、凍結が解除された日に再度提出しに行った。この間の住民票ってどういう扱いだったんだろう…。職場からの連絡もあったりなかったりで、自分が今どこに属しているのかもわからないのが不安だった。心許なさ。
ホテル暮らしではすることがないのでアプリで絵を描いていた。スケッチブックに模写した下絵をiPhoneに取り込んでアイビスペイントで色を塗る。
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部屋の話をしよう。キッチン付きのデザイナーズホテルはなかなか洒落ていた。ベッドの脇に大きな窓がある。開けたら目の前が隣のビルで、そもそも10cmくらいしか開閉しなかった。そのため日差しがほとんど入ってこない。これは精神衛生上あまりよろしくなかった。全体的に部屋がひんやりしている。暗い。なんか常に嫌〜な感じが抜けなかった。
シャワールームは意外と広く、なぜかガラス張りだった。本当になぜ。浴槽はなかったが1ヶ月程度ではそこまで必要性を感じなかった。
ホテル暮らしで得た教訓
- 特になし
球場に徒歩で行ける新築マンション
期間 :2020年5月〜2023年3月
家賃 :55,000円(管理費3,000円)
面積 :26㎡
構造 :マンション/鉄骨
築年月:2020年3月
1ヶ月のホテル暮らしを終え、新幹線で向かったのは杜の都仙台。職場はさらに郊外にあるのだが、部屋探しは仙台に絞って検索した。仙台って東北人からしたら大都会だし、ボクシングジムに自転車で行ける場所に住みたかった。
宮城野原の物件は竣工して間もない新築で、当たり前だけど外観も内装も綺麗だった。風呂トイレ別、浴室乾燥機付き、二口ガスコンロなど、東京とさほど変わらない家賃で部屋のグレードがアップした。壁も厚くて防音もしっかりしている。インターネット無料も地味にアツかった。また数年で引越すことを考えるといちいち回線工事を頼むのも手間なので…。オンラインゲームをする人などには向かないと思うが、ネットサーフィンしたり動画を見たりするには十分な速度だった。
宮城野原は楽天球場の最寄り駅で、ふらっと徒歩で観戦に行けるのがよかった。コロナ禍で職場の飲み会も自粛規制が出ていた頃に、ひとり外野席で飲むビールの美味いこと…。
部屋の話ではないのだが、宮城野原に木下大サーカスがやってきた時期があった。まっさらな空き地にみるみるうちに巨大な赤テントが出現したのだ。すごい速さだった。サーカス団員がテントの設営から撤収まで自分たちの手で行っているらしい。街に突然やってきて数カ月で去っていく。NOPEみたいで面白かった。
これまた部屋の話ではないのだが、家の近くの道路沿いに一本の桜の木があった。道路拡張工事が進められ、周辺の住宅が取り壊される中、最後まで残った立派な木であった。
私がこの街を去った3ヶ月後の2023年6月、一本桜は倒木のため伐採されたという。また戻ってきても、もうあの場所に桜の木はないのか…と思うと少し寂しい。
宮城野原で得た教訓
- 風呂トイレ別を一度経験するともうあとには戻れない
- 二口ガスコンロ大感謝
- 浴室乾燥機大勝利
- 宅配BOXは他の住人で埋まっていることがあり意外と使えない
ベランダから海が見える坂の上の家
今の部屋(北海道)
新章の舞台はついに1LDK*1へ…
オンライン内見でいくつか物件を見たけど、大体どの部屋もカウンターキッチンの間取りだった。北海道はそれが流行りなのかな〜と思っていたけれど、住んでみてわかった。キッチンが廊下だと冬が寒すぎる。ぽかぽかの暖房がないと洗い物なんてする気が起きない。カウンターキッチンまじで大正解。ストーブ据え置きなのも北海道では一般的で、冬場の電気代やガス代も思ったよりは安かった。東京のユニットバスが一番寒い。
今まで数々の引越しをくぐり抜け、選びぬかれたインテリアも気に入っている。メインで使っている3連のガラステーブルは各々の段が回転式で、デザインも懐かしい感じがして可愛い。ニーチェアの座り心地も抜群に良い。
一人暮らしをはじめた最初の頃は親が買ってくれたニトリの机や東京インテリアのソファベッドなどを使っていた。それはそれで愛着があったけど、少しずつ自分のお金で揃えた家具が増えていって、今この部屋を見渡すと好きなものに囲まれて暮らしてるな〜ってしみじみ実感する。
ちょうど昨日、もうすぐ引越しを控えている友達から「引越しのプロに意見を聞きたいです」と連絡があって、ざっくり経験則みたいなのを語らせてもらったんだけど、引越し業者選びのポイントをまとめると、
- 予算カツカツでないなら大手3社くらいに見積もり取って比較するのがベスト
- 結局大手は梱包資材も作業員も潤沢だったりするので…
- できるだけ予算抑えたいならマイナーな業者1社くらい見積もり頼んでも良いかも
- 万が一トラブルあったときに聞いたことないような業者だとちょっと怖い…
- 有名じゃなくても地域に特化した業者があったりするので人に聞く
- 予算も大事だけど搬出/搬入日の融通が利きやすいかもポイント
ちなみに大手だとサカイ、アート、ハートに頼んだことがある。マイナーなところだとムービングエスという引越し業者は関東圏内特化型で、大手と比べてずば抜けて安かった。宮城→北海道は三八五引越センターに依頼した。三八五の本社は青森なので、東北や北海道に強い。
迷ったら営業さんの人柄とかで決めても良いと思う。間違っても親しい友達や職場の後輩に荷造りを手伝ってもらったりしないほうが良い。私も絶対手伝いたくありません。「お礼に昼飯奢るよ」とかじゃ作業量的に全然見合わないので…。自分ひとりで頑張るか、お金払って荷造り込み込みプランにしよう。
それではみなさん、(もう5月だけど)良い新生活を!