ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

冬の湖上でワカサギ釣り

予定していた出張が急遽中止になった。そういうこともある。

出張がポシャったことで突然暇ができた。週末には三連休がある。大チャンス。

絶対に、ワカサギ釣りに行く。

 

強い意志を持ってワカサギ釣りのツアーを調べる。

絞り込みの条件は

  • 一人でも参加できること
  • ビニールハウスではなくテントであること
  • 釣ったワカサギをその場で食べれること

この条件でヒットしたのが南富良野の金山湖。日帰りで行こうとすると帰って来る頃には日付を超えてしまうことがわかった。富良野・札幌あたりで宿を探すが、三連休×旧正月×雪まつりのトリプルコンボで、ホテルはどこも満室か異常に高い部屋しか残っていなかった。それならばと、少し足を伸ばして滝川のビジネスホテルに泊まることにした。

 

まだ暗いうちから家を出る。電車で札幌に向かい、富良野までは高速バスに乗る。このバスに乗り遅れると全ての予定が崩れてしまう。念には念を入れ、1時間前からバス停に並ぶ。

一番乗りかと思いきや、既に先頭に並んでいる人がいた。本を立ち読みしながら待っていると、「富良野行きは混みますか?」と尋ねられた。「私もはじめて乗るのでわかりません」と答える。先頭の人が富良野行きのバスに乗るのは約30年ぶりのことらしい。実家の母親が退院するので病院まで迎えに行くのだそうだ。普段は車で帰るのだが、雪道を運転するのが心配で久しぶりにバスで帰ることにしたという。「ご実家が富良野なんですか?」と聞くと「私は途中の芦別というところで降ります」と言っていた。へぇ、そうなんですね…などと話しながらバスを待つ。

1時間後にバスが来た。富良野までは3時間。寝てたら着いた。

 

富良野は寒いわけで(『いいんですか』RADWIMPS

北の国から』の純くんの台詞に「富良野は寒いわけで」はないらしい。
富良野から次の乗り換えまでは2時間以上ある。とりあえず昼ごはんを求めて周辺を散策する。

Googleマップで見ていた場所を自分の足で切り拓いている時が一番面白え。


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菓子屋があったので生シューを買った。旅先では必ずローカル菓子屋をチェックする。外のベンチで齧りつく。

 

北の国から』の田中邦衛さん行きつけの店としてGoogleマップに載っていた「喫茶 我夢舎楽」に入店。一人席に空きがなく、四人掛けの卓に座って良いものか…と躊躇していると、隣の四人掛けの卓に一人で座っていたおじさんから「相席で良ければこちらにどうぞ」と声をかけられた。あ、じゃあすみません…ということで相席成立。

メニューを見るまでもなく、マスターに「コーヒーで良い?」と聞かれる。「コーヒーと、あとサンドイッチを」と言うと、食べるのかい…なんか今日はうまくいかない日だねえ…などとぼやきながら「ちょっと時間かかるけど良いね?」と言って注文を受けてくれた。

相席のおじさんは旭川から来たという。マスターの弟さんとは同級生だそうだ。今はギターの弾き語りで流しをやっていて持ち歌は1500曲ある。生まれも育ちも東京で、アルフィーの桜井と高見沢は高校の同級生。桜井なんて俺が卒業させてやったようなもんだ。高見沢は高校のときからああだった。ファッションのトレンドはアイビールックの時代に、高見沢はあの当時からオスカルだった。一個下の学年にギターの神様Charがいて、俺はあいつに出会ってプロを目指すのを諦めた。格が違う。プロってのはこういう奴がなるんだなって思った。

…というような、どこまで本当かわからない話が30分ほど続く。

 

子供がまだ食ってる途中でしょうが!
(『北の国から』名台詞)

 

 

チキン・ハム・キャベツが入ったカントリーサンド

 

「じゃ、またどこかで」と片手をあげ、流しのおじさんは颯爽と去っていった。嵐が過ぎたような静寂が訪れる。
「弟の同級生だって言うけど、見たことないんだよな…」

マスターがつぶやいた。弟とは年が一回り離れていて、マスターは今年で81歳。最近は膝にガタが来て…とぼやきながらも、年末年始も年中無休で店を開けているという。帯状疱疹になったときは医師の反対を押し切って、点滴を下げながらキッチンに立ったそうだ。店の営業時間は18時までだが、客がいる限り店を開けているので、そうしているうちに別の客が来たりして、昨日の閉店は22時だった。朝5時に起きて米研いで、スターライト温泉ってのが6時からやってるから、朝風呂に入ってから来たんだ今日は。
…というような話を30分ほど聞いて店をあとにする。次はカレーライスを食べたい。

写真良いですか?と聞いたら友達に宣伝してやって〜と快諾いただいた

 

根室本線に乗って東鹿越駅を目指す。前乗り・前降りのワンマン列車の車窓からのぞく景色は、ひたすらに雪深い。またしてもうとうとしてたら着いた。

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うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

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釣り針が4つあって、そこに「サシ虫」という餌を付けていく。しっぽ(頭?)をハサミで切ると匂いが広がり、ワカサギが釣れやすくなる。

糸を底まで垂らして少しだけリールを巻く。大体30秒もしないうちに竿の先がぴくぴく動く。先がクッと下がったところで一気に竿を引く。リールを巻くのは早過ぎても遅過ぎてもいけない。

 

ワカサギゲト〜


案外簡単に釣れる。面白え〜

トングでワカサギを挟んで針を外すよう教えられたが、金属のトングではワカサギを傷つけてしまいそうなので素手でつかんで顎クイして外す。餌を丸呑みしてるわけではないので毎回付け替える必要はない。

釣りをレクチャーしてくれたのはラナという名のネパール出身の人だった。ワカサギは夜行性だから日が暮れてからがよく釣れる。多くは底の方にいて水深は4mくらい。金山湖には他にアメマス、ウグイ、イトウ(!)などがいる。冬の間はワカサギ釣りを教えているが、ラナの本業はラフティングのインストラクター。4月から10月は空知川で、10月からはネパールでラフティングを先導している。ネパールのカルナリ川ではキャンプをしながら10日間かけて250kmの川下りをするそうだ。

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最終的に30匹くらい釣った。手が魚臭くなってカメラを触れなかったので10匹時点での写真しかないけれど、30匹くらい釣ったんです。本当です。

 

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唐揚げにしてもらってその場で食べた。外はカリッと身はふわふわで臭みもない。絶対に、ビールが飲みたい。

 

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根室本線で再び富良野へ。黄色い明かりに吸い寄せられて「お食事の店 みよしの」に入る。

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鴨鍋だ〜〜〜〜〜〜〜!


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乗り換えまでまだ時間があったので、へそ歓楽街の「おでん一将」へ。

 

大根、玉子、がんも、キャベツ巻き、ビール×2

店の大将は夜はおでん屋、昼は主にゲレンデにいる。息子が高校までスキー部で、その応援にのめり込むあまり、息子がスキーをやめた今でもスキー場の整備を手伝っているらしい。新潟や長野、山形のスキー場にも行ったが、富良野の雪が日本一だと言っていた。

大将と女将さんと楽しく喋って一時間ほどで店を出る。


電車で滝川へ移動し、投宿。

 

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快晴の朝〜

 

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菓子屋で買った柴犬とタヌキケーキを雪上食い(せつじょうぐい)。


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高田屋で名物チャップ丼。

甘辛い豚肉と目玉焼きが奏でるハ〜モニ〜。

 

長くなったので終わろ。味わい深い旅でした。

ありがとう・出会いに・感謝

あでしゃ