ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2022年12月のこと

2022年のあなたを表す漢字は「染(そ-める)」

まさにあなたのカラーでべちゃべちゃと周りを染め上げるような一年でしたね。

と人に言われた。人から今年の漢字を決められることってあるんだ…というか今まで考えたこともなかったけれど、確かにこの一年は仕事の担当も変わり、新たな人間関係を築いていく中で、私という人間に慣れてもらう期間だった。

小学生みたいな感想になってしまうけど2022年は職場の人と仲良くできて楽しかった。サンリオの企業理念は「みんななかよく」。

結局のところ人が良いのが一番だと思う。2年前はほとんどしゃべったことがなかった先輩に「私って怖かったですか」と聞いたら「怖いというか尖ってんな〜とは思ってた」と言われて笑った。周りが年相応に落ち着いていく中で、私だけが年々鋭くなっている。

 

12月3日放送のベストアーティストでブラックビスケッツが20年ぶりの復活を果たした。当時の私はポケビより圧倒的にブラビ派だった。昔から王道の主人公より悪役や脇役を好む傾向がある。アンパンマンよりバイキンマン、サトシとピカチュウよりロケット団が好きだった。アイドルを追っていた頃も応援していたのは選抜常連組よりアンダーメンバーだった。 残業中の雑談でブラビ復活の話題を出したところ、Z世代の後輩は「"ブラックビスケット"を知らない」と言っていた。わざとらし過ぎず、ちょうど良い言い間違いだと思った。

自分が新人だった頃は平成元年生まれというだけで周りが軽くざわついた。昭和の話題を振られても生まれてないから知るわけねぇ〜と思っていたが、今や自分が後輩に同じことをしてしまっている。2000年生まれの後輩に「2000年とかつい最近じゃん」と言ってしまってから、今のは嫌な先輩だったな…と後悔する。繰り返されるジェネレーションハラスメント。

若い人たちの流行についていけなくなることもアラサーになって一気に増えた。つい先日までAimerはアイマーと読んでいたしmiletはミレットだと思っていた。最近マリトッツォを見ないという話題になったとき、斜めの先輩が「時代はトゥンカロン」と言ったので、また響きの面白さだけで架空の菓子を言ってんな〜とスルーしたのだけれど、別の日にもトゥンカロンというワードが出てきたので「何なんですかトゥンカロンって」と一応つっこんだところ、「知らないの?太っちょマカロン」と真顔で返されて恥をかいた。太っちょマカロン???ちょっと存じ上げないです。トゥンカロンは少し前からトレンドの実在する菓子らしい。言葉の響きがツボすぎて「何なんですかトゥンカロンって!」と大きい声で言っちゃった。

 

12月上旬は同期の結婚式で愛媛へ行った。

早朝の空港には独特の空気感がある

伊丹を経由して松山空港に到着。リムジンバスで市街地へ向かう。途中、済美高校の前を通ると校訓「やればできる」がでかでかと掲げられていた。後ろの乗客たちが笑っていたのでマスクの下で隠れて笑った。

松山市駅には髙島屋があって思ったよりも栄えていた。百貨店がある街は都会。地元山形からはついに百貨店が姿を消した。髙島屋のパウダールームで服を着替えて靴を履き替える。一年ぶりに袖を通すワンピースはこんなに大変だったっけ?と思うほど背中のボタンを留めるのに苦労した。慣れないヒールでスーツケースを転がして予約していた美容室へ。席についてすぐ美容師さんに「背中のボタン掛け違えてますよ」と指摘されて気づく、

「これ、前と後ろ逆ですね…」

気さくな美容師の方で大笑いしてもらえて助かった。なんか違和感あったんだよな。着替えはあとにして一先ず髪をゆるく巻いてハーフアップにしてもらう。他に無客だったので自分がどこから何のために来て新婦とはどういう関係で今日はどこに泊まって明日はどこへ向かうのか、詰め込めるだけの話題を一気に話した。基本的に自分は人見知りだと思っているが、見知らぬ土地では嘘みたいに会話が弾む。海沿いの式場だと伝えると「大階段が人気の素敵なとこだけど目の前がラブホ」と言われてゲラゲラ笑う。景観の情緒があまりにも過ぎる。(結局式場は違うところだった)


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送迎バスに乗り、ざっと周囲を見渡したが知ってる顔が一人もいなかった。結婚式に出るときは他に誰が招待されているか当日まで知らないでおきたい気持ちがある。深い理由はない。途中の停留所でやっと知ってる中年男性たちが乗ってきた。「おじさん」と書くのは憚られるので「中年男性」と表記したが研修時代にお世話になった恩師みたいな人たちで、前回会ったのは確か5年前の別の同期の結婚式だった。

ご祝儀を持って列に並んでいると、受付をしていたのが同期のギャルとオタクで爆笑した。数多いる同期の中から新婦が招待した3人がギャルとオタクと元ボクサー。全員アウトサイダーの渋すぎる人選。ギャルとオタクは結婚して苗字が変わっていた。一緒に席次表を覗いていた中年男性たちから「◯◯(私の苗字)は、◯◯のままなのか」と聞かれたので「◯◯(私の苗字)は、◯◯のままです」と答えた。

式はチャペルでの人前式で、サプライズで名前を呼ばれた12人が1本ずつ薔薇の花を新郎に手渡し、花束が完成したところで新婦に向けてプロポーズするというくだりがあった。新手の儀式だ…と思った。油断していたら12人に選ばれて驚いた。神前式とか教会式とか、しきたりに則った挙式をいくつか見てきたけれど、人前式ってかなり自由だなというか、何でもありって感じで面白かった。

披露宴ではお色直しのドレスの色当てクイズに正解し、抽選でズワイガニ1キロを引き当てた。蟹ピース!!実は蟹ってあまり得意ではないんだけれど、職場の人たちと蟹パでもしようね。ギャルがスマホケースにでっかい「みきゃん」のシールを貼っていて「可愛いでしょ、昨日買ったの!」と言っていた。かと思えばスクリーンに映し出されたスライドショーで号泣してて、めっちゃギャルだ…と思った。

オタクはもとから色白で背が高くてスタイルが良かったけれど、眼鏡がコンタクトに変わってすっかり垢抜けていた。粒がでかいラメが瞼に光っていて、綺麗だな〜と凝視してしまう。喋ってみると口調は相変わらずオタクで安心した。

二次会三次会で中年男性たちから「結婚しないのか」と問われ、ま〜たその話題!ってもう飽きたから適当に流したけれど、最終的に「とにかく自分自身を大切にしなさい」と言われて、その言葉だけはしかと受け止めた。私は自分の扱いが雑過ぎる。たくさん笑って楽しい夜だった。

 

翌日はフェリーに乗って広島へ。事前に連絡をとっていた旧姓山田が港で出迎えてくれた。去年会ったときはまだお腹の中にいた第二子が会わない間に爆誕していた。第一子(3歳)が「たかみ〜!」と叫びながらこちらへ走ってきたので腕を広げて待ち構えていたら、目の前でL字に曲がって回避された。高度な幼児ギャグ。友達の子や親が私のことをあだ名で呼んでくれるのが嬉しい。

山田の配偶者が運転してくれて『ドライブ・マイ・カー』のロケ地巡りをした。

第一子とゴミ処理場

映画の中で西島秀俊が泊まる大崎下島にも連れて行ってくれた。市街地からはめちゃくちゃ遠かったけど、映画を見てない山田と山田の配偶者に「ドライブマイカーは、主人公が市街地からめちゃくちゃ遠いところに泊まる映画だ」と説明した。めちゃくちゃ遠いところに泊まる西島秀俊を、ドライバーの三浦透子が送迎する話。あまりに雑なアカデミー作品のあらすじ紹介。

山田がトイレに行く一瞬の間、山田の第二子(0歳)を預かった。腕に抱いたというより、手の中で大人しくしてくれていたという表現が正しい。手の中に0歳児が収まっている。体温から感じる生命の息吹。トイレから出てきた山田がその光景を見てエモいエモいと言っていた。第一子(3歳)からしたらこの見知らぬおばさんは何者なのか、なぜ自分の母親を「山田」と呼ぶのか不思議だったと思う。

 

 

12月中旬、湘南に住む友達のところへ入籍祝いを兼ねて遊びに行った。友達と配偶者と一緒に二人がよく行くジンギスカン屋に連れて行ってもらう。すごく良い感じの店だった。地元の安くて旨い店をさらっと案内できる大人に私もなりたい。

入籍して岡本姓になった友達に、岡本太郎展で買った太陽の塔のフィギュアをプレゼントした。私は絶対置き物を贈りたいと思っていたのだけど、友達も絶対置き物を贈ってくるだろうと予想していたらしく以心伝心だった。入籍の際、夫と妻のどちらの姓にするかをマリオパーティーの勝敗で決めたというエピソードが大好きだ。NPCが勝っていたら二人の苗字は「ヘイホー」になっていたらしい。良いエピソード過ぎる。

 

コアなものからポップなものまで幅広い音楽の趣味をもつ友達が、DA PUMPしか聞かない配偶者の付き添いで一緒にライブを見に行ったらめっちゃ楽しかったという話や、その日の二人の服装が自然と似た系統になってたところとか、そういう一つ一つの要素が私からしたらすごく新鮮で、きっと「家族になる」ってこういうことなんだろうな…としみじみ実感した。私は友達のことを最高の人間だと思っているのだけど、配偶者もまた最高の人間で、最高の二人が家族になったんだな〜という奇跡をあてに飲む酒は最高にうまかった。

 


岡本太郎展は壮大なエネルギーを感じて良かった。阿部サダヲの音声ガイドの中で、岡本太郎は芸術とは鑑賞するための作品ではなく生活に根差したものであるべきだという考えから日用品も多く制作した…という解説があり深い感銘を受けた。

「椅子は活動的な歩みの中で一時的に腰をおろすものであり、人生の戦いの武器である」という思想に基づく『坐ることを拒否する椅子』は、ガッと大きく見開いた目によって坐る人にゴツゴツとした抵抗を感じさせるデザインだ。芸術のことはよくわからないけれど、岡本太郎はずっと好きだなあと思う。自分用に犬の植木鉢のフィギュアを買った。

 

湘南ついでに江之浦測候所にも立ち寄った。みかん畑や竹林があり、ゲームの世界みたいなフィールドに石碑や茶室、ガラスの舞台などが配置されている。歴史的にも芸術的にも、自分には価値がよくわからなかった。けれどもその無機質さがなんとも不思議な空間で、とにかく一度訪れてほしい場所ではある。

立入禁止を示す止め石も一つのアートのようだった


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小田原に1泊し、翌日は下北沢で開催された日記祭へ。はてなブログで仲良くしてもらっている人たちが一同に会して、ブースの前でわちゃわちゃと萩の月と広島銘菓と藤井隆のディナーショーで配られたお菓子の交換会が始まる場面があり面白かった。他にもブログを読んでいる人たちとお会いすることができて嬉しかった。短時間で舞い上がってしまい上手く話せなかったけど、みなさんのブログのファンですということを直接会って伝えたかったのです。お互い知らない人だけど、下手な知り合いよりずっと知ってる感じがする。変に媚を売ったり馴れ合いをやっていくつもりはないけれど、つかず離れずの距離感でこれからも細々と仲良くしてほしいと思っています。

自分のブログはジャンルが雑多で、所謂「純日記」と呼ばれるようなものとは程遠い。そのことに少なからず引け目を感じている部分はあって、日記本を出すことは考えていないけど、読者の方と話せる機会があれば体験してみたいとは思っている。売るものないけど、なんかないかな。一般人のミート&グリート。

そういえば、2013年1月2日にはじめてブログを投稿してから10年経ったので、記念にはてなブログproに加入した。これで本文中の広告を消せる〜

ページ下部にGoogleフォームへのリンクを設けたので、何かしらメッセージをいただけたら嬉しいです!

 

 

午後からはちえちえとsilentの聖地巡礼。ちえちえとはいつ会っても全然久しぶりな感じがしない。カラオケ館でラジオ録ったので良ければ聞いてください!

年末は高校の友達が仙台に来て牛タン食べた。秋保でおはぎ買って温泉に入って、クラフトビール沼の深さを教わった。「遊びに行くね」が口約束じゃなく本当に来てくれてありがとう。3年会わないうちに友達はマッチングアプリ相席屋シングルを使いこなす婚活侍になっていた。友達全員幸せ掴んでくれ〜!と思っているけれど、あまり自分を摩耗し過ぎないでほしいとも私はいつも思っているよ。

うまいけど高い!

 

人と会った記録を余すところなく書いた。私は子孫を残せない可能性が高い分、人の記憶に残りたいという意思が強いのかもしれない。

 

読んだ漫画とか

女の園の星(3)』和山やま

毎回声を出して笑ってしまう漫画。小林先生が相変わらず好きだ。

 

『武蔵野』斎藤潤一郎

《絶望した漫画家は都会でも田舎でもない黄昏の境界へ……》

多摩川中流や、武蔵野線南武線沿線の地域には、田舎のような郷愁を感じるわけでもなく、下町のような情緒もない、只、時代に取り残された殺伐とした景色が広がっている。早朝の多摩川で対岸の景色を眺めているだけで寂しさがこみ上げてくるような。

マイナーな街を散歩しているとTRICKみたいな歪んだ空間に迷い込んだような感覚に陥ることがあって、そういう奇妙な体験を凝縮したような一冊。団地の給水塔が好きな人は絶対好きだと思う。

 

見た映画とか

『THE FIRST SLAM DUNK』監督:井上雄彦

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宮城リョータが一番好きなのでめちゃくちゃ良かった!原作にはない設定はそんなに気にならず、シンプルに面白ぇ〜ってわくわくしながら楽しめた。春子さんが映画の中では完全にモブだった。彩子派だった自分としては、やっぱり彩子さんですよねぇ…という気持ち。動きがカットごとに止まらずに、全キャラクターが試合中ずっと動き続けているのがアニメーションとして新鮮だった。桜木と宮城とミッチーの「グッ」で胸が熱くなりました。

 

『ケイコ 目を澄ませて』監督:三宅唱

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ここには書けないことが山ほどあって、思いの丈はネットプリントに綴ったのでぜひプリントアウトしてみてください。書けることだけ書くと、まさに「生活は続く」ということがズシンと響く映画だった。やってもやっても終わらない。どこまでやったら終われるのか。満足できるのか。

ジムでのトレーニングや試合のシーンは画面に華があってわかりやすいけれど、河川敷へ走りに行ったりバンテージを広げて干したり、そういうところにこそ人生の本質は宿ると信じている。毎日の積み重ねを端折らず丁寧に描く三宅唱監督はとても信頼できる人であると感じた。

良いボクシング映画にはまず間違いなく松浦慎一郎さんが出演している。

 

聞いてた音楽とか

 『Ditto』NewJeans

Dittoで完全にNewJeans......という気持ちに

少し前までダニエルしかわからなかったけど、繰り返しMVを見るうちにメンバー全員覚えました。私は猫目のヘリンが好き。

 

2022年の総括もしようと思ったけど文字数エグいのでやめておく。今年もM-1面白かったね〜ロングコートダディとヨネダ2000が特に好きでした。

 

最後にお知らせ

ちえちえとのラジオ音源や『ケイコ 目を澄ませて』の赤裸々な感想などを載せています(配信期限は1月6日23:59まで)

 

 

2022年の目標は「他力本願」でそれが功を奏した年だったけど、2023年はもう少し正念場の年になると思う。楽しいぬるま湯を抜け出して、絶対に苦労するし今より確実につまらなくなることが内定してるけど腐らず頑張れよって、自分で自分の背中を叩いて喝を入れたいです。絶対に、成功させようね〜!(うん)