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欅坂46『二人セゾン』個人PV全員分レビュー【TypeA】

 

欅坂46の3枚目となるシングル『二人セゾン』

この作品から受けるイメージは、<光>である。

 

1st『サイレントマジョリティー』は渋谷の工事現場、2nd『世界には愛しかない』では青空の下の大草原、そして3rdシングルとなる『二人セゾン』の撮影地は台場・幕張の埋立地だ。以前の勤務地が台場地区だったので毎日ゆりかもめに乗って通勤していたのだけれど、あの辺一体の空気感は本当に独特で、ビジネス街でありインダストリアルな地帯であり輸送の拠点であり観光地であったりと、うまく表現できないけれどとにかく、あまり「人の生活感」がしないエリアなのだ。そこを敢えて今作の舞台としたのはなんというか、欅坂46、仕掛けてくるな~という感じで、デビューしたばかりのアイドルグループからこうも変化球を連投されてしまうと、他のアイドル陣営は無条件降伏するしかないのではないだろうかという気さえする。

雑誌MdN vol.273「アイドル ―物語をデザインする時代へ」では、“アイドル、ネクストレベルの視覚表現”というキャッチコピーを冠し、アイドルのコンセプト・世界観にデザイン的な面から切り込んで解説している。そこに書かれていた各タイプ別CDジャケットのコンセプトが面白かった。

 

TypeAのコンセプトは<光をつかむ>

二人セゾン(TYPE-A)(DVD付)

 平手友梨奈さんの横顔の美しさは国宝に値する。

 

前置きが長くなってしまったので、ここからは感覚的に書いていきます

 カップリング『大人は信じてくれない』

カップリングの『大人は信じてくれない』では表題曲とはまた違った光の使い方をしている。『二人セゾン』の自然光に対して、こちらはSLのライトが煌々と光っていて、立ち上がる蒸気を幻想的に映し出している。賛否両論あるとは思うが個人的にはこの曲の振りは結構、というかかなり好きで、サイマジョでもあったけど横一列になってウェーブ状に変化していくところ、てちの「助・け・て」のところの力強さ、「僕が絶望の淵にいるって」のところの大胆に振り切ったヘドバン。え、どういうことどういうこと??ってざわざわする感じが好き。

欅坂46はここまで全員選抜を続けていて、3rdではいよいよひらがなけやきの面々が風穴を開けるのではないかと踏んでいたのだけど、ここにきて「全員選抜は意外と面白いかも」と思い始めている。選抜とアンダーという競争がないことによって平和ボケしているかというとそんな印象は受けなくて、かえってそれが「漂流教室」のような閉塞感を生み、独特なサバイバルレースを展開しているようにも見えるし、「誰も脱落してはならぬ」というような団結心が育っているようにも見えるからだ。

 

織田奈那『カッパの好物』

シュール。あぁ~こういう人いるな~~こういうノリの人いるいる~~っていうカッパが登場する。織田奈那のクッキングコーナーが可愛い。

 

小池美波『転校生探偵・真壁川ナツ』

小池美波さんの個人PVは毎回当たりだと思う。それぞれ振れ幅が広くて「小池美波」というアイドルのいろんな一面を引き出せている。今回はテレ東の深夜ドラマみたいなコメディ系だったけど、そこまで奇をてらった感じでもなく素直に面白かった。教師役でオラキオが登場するんだけど、たぶん全個人PVのゲストの中で一番知名度あるのがオラキオ。小池美波さんのゆるい関西弁と計算高そうなところが好きです。

 

齋藤冬優花『NIGHT RACER FUYUKA』

爆走兄弟レッツ&ゴー!!世代歓喜のミニ四バトルもの。齋藤冬優花さんは名前のとおり冬に咲く花のイメージがあって、それも雪の中で咲いている青色の花のイメージなので青色のコスチュームがよく似合う。ミニ四駆も青。ふざけた設定をすごく本気で演じているところが面白くて、齋藤冬優花さんの良さは何事にも全力なところだと思う。

 

土生瑞穂『僕の彼女は吸血鬼』

ん~~~~、わかるんだけど、こういうのじゃないんだよな~~~~。という感じ。土生さんのチャームポイントである八重歯を活かして、というとこまでは良い方向性なんだけど、こういうのじゃないんだよな~~~~。土生さんは声が好きです。アニメ声。

 

 

平手友梨奈『てちてちろまん』てち浪漫

もうなんなんでしょう。平手友梨奈。ため息しか出ないこのクオリティ。圧倒的存在感。平手友梨奈にしか創り得ない世界観。これはもう事件だ。本当に。てちの青白い顔に、アシンメトリーにプリーツの入った真っ赤なドレスがとてもよく映える。

 

守屋茜『KICK'N'CLEAN』

こういうチャレンジ系(ピンポン玉バウンドさせてコップに入れる企画とか)って大抵最後にメイキングでNGシーン集めたりすると思うんだけど、これはないから本当にやってる?それとも合成?ってなる。それはそれとして、守屋茜さん、美意識高くて運動神経良くて負けず嫌いでバラエティでもガンガン前出ていく姿勢、個人的にはとても好きなのでそのまま突き進んでいって欲しい。

 

米谷奈々未『文學ガール』

前作・前前作と全く同じこと言いますが「この個人PVの米谷奈々未さん、テレビで見るより可愛い!!!(表現悪いかもしれないが悪意はない)」米さんの個人PV毎回画質良い。たぶん欅坂46の中で一番自然な演技する人だと思う。ロケ地は山とか湖とかでそこそこ奥地っぽいし、昼から夜のシーンまであるので相当力入ってる作品だと思う。ひとつひとつのカットが丁寧だし制作陣の熱量が伝わってくる。

 

渡辺梨加『私の好きな人。』

3作目にしてやっと個人PVっぽいやつきた!という感じ。メルヘンと狂気。部屋着にお団子ヘアーの梨加ちゃんの破壊力!ふわもこのルームウェアの裾から伸びる指、長くてすらりとして本当にきれい渡辺梨加さんの持つふわふわしたイメージと、たまに垣間見える独特な狂気のようなものを表裏一体の魅力として描いていて、全体的にもまとまりがある。完全に「徳山大五郎を殺したのは誰か」のイメージに引っ張られてるけど、渡辺梨加さんは笑いながら世界を滅亡へと導いていきそうな可能性を秘めていて、キャラとしてやっているのではなく、本人は無自覚というところも含めてヤバい。

 

 

個人的に今作「1枚だけ買うなら」という観点で見るとTypeAがおすすめな気がする。