飛行機の出発までだいぶ時間があるので羽田空港のラウンジでこれを書いている。ドリンク飲み放題。ラウンジ、庶民には無縁の世界…と思ってたけど、何らかのゴールドカード(私はエポス)があれば意外とすんなり入れる。
11月22日(土)
夕方の便で東京に着いた。電車を乗り継ぎ新宿三丁目駅で地上にあがった途端、むわっと鼻をつくような何とも言えないにおいがした。東京の人がよく「田舎は空気が美味しい」と言っているのを聞くと、どこだって大して変わらないだろ…馬鹿にしやがって…と思っていたのだが、久しぶりに吸い込む東京の空気は確かに不味かった。すっかりクリスマスムードの伊勢丹の脇を抜け、ファミマの角を曲がり、とあるビルの階段を地下へと下りていく。扉が開放されたこじんまりした空間にバーカウンターがあり、先客の6人で席は埋まっていた。ちょうどそのタイミングで「ほんじゃあそろそろ帰ろうかしら」と席を立ったご夫妻は、そこからしばらく話が盛り上がっていたようで、所在なく入口付近に立ち尽くす時間があった。待ってる間、先客の男性が「その帽子いいですね」と話しかけてくれたので「これ後ろに〝さいごのしゅだん〟って書いてあるんですよ」と見せたら「どんな手段」と笑っていた。
『新宿茶房』というこの店では爆イケの店主がフリースタイルで中国茶を振る舞ってくれる。中国茶は初めてだと言うと、「今出てるのはちょっとトガったやつだから、一旦仕切り直しますか」と言い、はじめに武夷岩茶大紅袍というお茶を小さな器に注いでくれた。一口飲んで「わ…」と驚いた。おいしい……。
次いで注がれたのは鳳凰単叢蜜蘭香。おあ〜〜!また違う風味で、これもおいしい。中国茶に詳しくない自分にもはっきりわかりやすく、おいしい。隣に座っていた人が「ミルキーですね」と言っていて、確かにそう!と思った。ミルクも入っていないのにミルキーな感じがする。ほんのりトロピカルな風味もある。よくよく聞くと、その場にいた人たちは皆、浜松町で開かれている中国茶の『エコ茶会』というイベントに今日行った/明日行くという人たちで、中国茶好きの人たちが大集合しているタイミングにたまたま居合わせてしまったのだった。
店主「中国茶ってマニアックで深いジャンルではあるんですけど、実はすごくミーハーでアッパーな飲み物なんですよ。はっきりと一発でわかりやすい。」
はぇ〜面白ぇ〜〜。いろんな種類の中国茶を少しずつ飲みながら、面白い話をたくさん聞いた。変わり種は醤油を入れたお茶。フレッシュボトルに入った醤油を、あ、そんなに結構注いじゃって…と心配になるくらいたっぷり入れる。飲んでみると、え〜なんだこれ、おいしい〜。コク深いお出汁みたいな味わい。
「明日の文学フリマに出るために北海道から来た」と話すと、店主のお友達のおもしれ〜女たちが宇多田ヒカルの歌詞の考察本を出されるとのことだった。TLで話題になってた本だ!隣の隣の女性も「同世代だから面白そう!って気になってました」と盛り上がり、同人活動に理解のある人たちだ……と嬉しくなった。いつのまにか閉店時間も過ぎており、わらわらと支度して地上で解散した。なんだか不思議な夜だった。ノンアルコールなのにぽわぽわした気分。「茶酔い」という言葉もあるらしい。
副都心線〜東武東上線乗り入れで朝霞のホテルにチェックイン。東京のホテル高過ぎ問題、「一旦埼玉か神奈川まで出る」が正解な気がしてる。それか千葉。
11月23日(日)
朝食バイキングを済ませ、ホテル周辺を散歩した。




何でもないところを歩く楽しさは、『PERFECT DAYS』と天竜川ナコンが教えてくれた。
会場直接搬入に間に合わなかったので、スーツケースとリュックに本をぎちぎちに詰めて運ぶ。大荷物女がゆりかもめに乗車。文フリにあわせて札幌ステラプレイスでライトグレーのメッシュ(リベロのビブスの厚手版みたいな)素材のフレアスカートを新調したのだが、イベントに変なスカートを履いて行くのはあまりにオタク女過ぎる…と思って当日朝に履くのをやめた。この一連の逡巡こそがThe・オタク女ムーブではあるのですが…
アクセサリーは赤いハートのピアス、割れたハートの指輪、黒のハートのネックレスを装備した。MOTHER3のマジプシーがイメージモデルです。

ひとでもなく まものでもなく おとこでもなければ おんなでもない。
ねんれいも まったくわからない。とにかくヘン。
だけど きだては いいんだよ。
ラブリーに生きろ♡
なんだかんだ11時20分くらいに会場に着き、大急ぎでブースを設営した。結局今回も開始前から汗をかくことに…。お隣のさのかずや(id:sanokazuya0306)さんは既に設置を終えていてさすがだった。このくらい余裕を持って動きたいものです。さのさんのリミックスは、16人の書き手に依頼して、自身が以前刊行した『33歳人生行き止まり日記』のトピックから一つ選んで書いてもらう──という形式をとっていて、それってかなり変なアンソロジーだな…と思った。変っていうのは最大限の賛辞です。隣の隣のニャントラ(id:BUSSETSU_MACA)さんはさらにギリギリに来てドタバタで設営しており、心の底から「いいね👍」と思った。ニャントラ オン ザ ラン!!!!!!を体現している。前回の文フリ東京は一人で出店して孤独だったので、チーム北海道の並びに加えてもらえて心強かった。

- 布は前日にホテルでアイロンをかけて、くるくる巻きにして持ってきたけどやっぱり折りシワが残った。
- シワが目立たない柄物かシワがつきにくい素材にした方が良さそう。
- 在庫はブックスタンドに立てることで省スペース化を図った。(ほんのわずかではあるが)
- POP書いた方が良いのかな…これ以上ごちゃごちゃさせない方が良い気もする。
開場早々は人の流れが穏やかだったので、今がチャンス!とばかりに、エレベーターを下り南1・2ホールで欲しかった本を買いに出かけた。
真っ先にnszw(id:hellogoodbyehn)さんのブースに向かった。自分が一番最初に出したZINEがnszwさんに協力・寄稿してもらってつくったものなので、文学フリマでnszwさんと話すとなんだかほっとする。この日も良いトレーナーを着ておられた。
絶対欲しい!と思ってたBIG SHIPの『BIG SHIP』買えて嬉しい。書き手の方々がブースでわいわいしていた。「Podcast聞いてます」と言ったら「ジョン・ポリス・パトカーズクラブですか?」と聞かれたので「JETさんたちのです」と答えたら「変な人ですね」と即答で返ってきておもろかった。失礼コミュニケーションだ!文フリはこういう初対面の人との粗忽な(?)やりとりがあって楽しい。
はら (id:suimin2)さんの新刊『のろいの一首』と夢ZINE『いつまでも褪めない』もゲット!短歌を書ける人って本当にすごい。随筆よりもっとストイックに「リズム」の文だから。はらさん、ぱあっと明るい笑顔の人で、お会いすると元気になる。
サッポロカルトクラシックスさんのブースに近寄ったらAKIRAさんが道行く人に声をかけていて、Podcast『怪電波フロムスガラムルディ』で言ってたスタイルだ〜!と嬉しくなる。札幌の電柱に貼られた謎の怪文書の調査本。発信者の家を突き止めて訪問したらしい。行動力やばすぎる。やっぱりこういう実際に足使って書かれた文章って面白いし絶対敵わないよな〜と思う。電柱のオブジェめっちゃ目立ってた。
インターネットの友達の友達、みたいなつながりでフォローさせていただいていたカツヤ(id:the-life-of-watashi)さんにも今回はじめてお会いすることができました!カツヤさんブースに向かう前に、手に持っていたお金の束を落とすというありえん粗相をしていたがために、一旦探しに戻ったり小銭を床にぶちまけたりと終始ドタバタしていてすみませんでした…。いつもキュートでポップな表紙、DIVAたちへの並々ならぬ愛。安斉かれんさんのこともお話すれば良かった〜。。。
前日の新宿茶房さんで聞いたオートマティック4さんの『宇多田ヒカルの歌詞を読む』、完売前にGETできて良かった〜。タイトルとコンセプトを聞いただけで興味を引く本。書き手の一人でもあり売り子をしてらっしゃったごんちゃろ(id:gonzarezmm)さんのはてなブログを聞き出し、その場で読者登録させていただきました。絶対センス合いそうと思った方に対して急激な距離感の詰め方をしてしまったことを反省しています(後悔はしていない)。
30分ほど買い物して自ブースに戻る。文学フリマ自体が大盛況だったこともあり、結果から言うと新刊・既刊あわせて総計187冊の本を送り出すことができました。嬉ぴ〜!悪口本は『コンプラ悪口』『シンプル悪口』ともに完売。後日増刷してオンライン販売を予定しております。通行人がタイトルで笑ってくれたり、二人で来た人が「これ私のことじゃん…」とか言いながら読んでくれたりしたのが嬉しかった。楽しくてご飯食べる暇なかった。悪口本はコンセプトがはっきりしてるから売りやすいけど、エッセイは「私が書いた、私に関する文章」なのでプッシュするのがなかなか難しい。というのもあって、やはりおふたろうさんに書いてもらった帯コメントは大変ありがたかったし、心の支えになっていました。
同じく札幌から参加の岸川かん(id:yummy_13)さんにもお会いできて嬉しかった!かんさんの本は、前述の怪電波フロムスガラムルディ#203 文フリ札幌感想回で、同じタイミングでおふたろうさんに紹介してもらったというご縁もあって、絶対読みたい…!と前から機会を伺っていたのです。早速帰りの機内で読んで、あ〜〜めちゃくちゃ好きな文章だ〜と思った。心地よい温度感。おふたろうさんには拙著に帯コメントを寄せていただいたうえ、素敵な巡り合わせをつくっていただきマジでめ〜ちゃくちゃ感謝です!!!
東京でも私設図書館祝日の佐々木さんがデカいバッグに本をたくさん抱えてうろうろしていて安心しました。全シリーズに必ず登場するオリメンのような安定感。真面目な話、札幌周辺の方々とのご縁はほとんど佐々木さんがつないでくれたものであり、私設図書館という場、というか、佐々木さんの存在そのものが札幌のブックカルチャーの発信地としてうろうろしているといっても過言ではないのです。
制服姿の高校生が「さっき受験終えてから来ました!」と言っていて一番面白かった。優勝です。利益が出ないように価格設定をしていますが、高校生に買っていただけて、本当に本当に、200円の本置いてて良かった〜!と思いました。
絶対合格しますよ
うに
追記:そうだ!前日の新宿茶房さんでカウンター右隣に座っていたお客さんが、午前のエコ茶会からハシゴして、なんとZINEを買いに来てくださいました。驚いて「本当に来てくれたんですか!」と聞くと「行くって言いましたから」という言葉が返ってきて、か、かっけぇ〜……!そういえば帰り際、私から「良かったら文フリ遊びに来てください」とか言ってたのでした。いくら有言実行といっても浜松町から東京ビッグサイト…そこそこ面倒な距離だったと思います…本当に、不思議な縁に感謝です。
南3・4ホールをまわったときのことも書こうと思ったけど疲れたからやめよ〜。空港のラウンジで書いてますとか言って、もう飛行機乗って帰ってきて家でこれ書いてる。
文学フリマ東京、楽しかったけど疲れた!疲れたけど楽しかった!しばらく東京は出なくていいかな!とも思う。
ご来場いただいた皆様、本を手にとっていただいた皆様、買ってくれた皆様、差し入れやお手紙をくれた皆様、皆皆様様*1、本当〜にありがとうございました!!!