ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2025年5月のこと

北海道に初夏の訪れを告げる花といえばライラック。甘くて優しい香りがする。この花の前を通ると否が応でもMrs.GREEN APPLEの『ライラック』を思い出してしまう。Mrs.GREEN APPLEのことは好きでも嫌いでもないけれど、「好きでも嫌いでもない」とわざわざ表記する程度には嫌い寄りの立場にいることを認めざるを得ない。(まどろっこしい日本語表現)

とは言いつつも『ライラック』のイントロはティロティロしていて良いと思う。4月30日に放送された『有吉の壁』で、人気企画「ご本人登場選手権」が4年ぶりに復活したが、そこで三四郎小宮が披露した『ライラック』は腹を抱えて笑うほどに面白かった。声がはちゃめちゃに小さい。ただそれだけなんだけど、すごかったな。歌で「声が小さい」は、面白い。

言うほど青に似てない

 

GW後半は3泊4日で実家に帰省。移動時間も考えるとあまりゆっくりできないから、今年は帰らなくてもいいかな〜と思っていたのだけれど、母に「どうせそっちにいても何もすることないんだから帰っておいで」と言われ、ぐぅの音も出ず。直前にチケットを取って帰る。たしかにこっち(北海道)にいてもすることはないのだけれど……

山形の初夏を告げる花と言えばハナミズキである。山形の街路樹はハナミズキ率が異様に高い。帰省の度にお土産を買ってくるよう母に頼まれるので、今回も空港で買ったお土産を配ってまわったのだが、親戚の家の庭にもハナミズキが咲いていた。しかも2軒。

薄紅色の〜可愛い君「のね」

 

幼馴染と近所の居酒屋に飲みに行った。私が着ていたUMBROのシャカシャカについて「部活のジャージ?」と聞かれて嬉しくなる。シンプル悪口〜。地元の友達だからこそできるコミュニケーションというのがありますね。古着の柄に対する「おばあちゃん家のカーテン」とか「こたつカバー」とか。シンプル悪口の概念として、そっちの切り口からのアプローチもあったかもしれない。「AB型でしょ」とか「無添加石鹸で髪洗ってそう」とかもシンプル悪口だと思う。

友達の姉が最近『一夫多妻ちゃんねる』の動画を見るのにハマっているらしいと聞き、「こういうおじさんかおばさんかわからないような丸顔ぱっちり二重おじさんはヤバい奴が多い」と言うと、「与沢翼とか」と追撃してくれてめちゃ笑った。引き出しからサンプルを取り出す速度よ。同じ顔のジャンルにりょうくんグルメがいます。

 

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5月10日(土)

夕方過ぎに新千歳空港へ。ペンケースの中にカッターナイフが入っていたのが引っかかり、保安検査場で没収される。怖すぎる。自分が機内にカッターを持ち込もうとしていたことが。

20時頃羽田空港に到着。ファストフードで夕食を済ませ、移動して南千住に着いたのは22時過ぎだった。女性専用の共用ドミトリーにチェックイン。部屋に自分ひとりだったのでラッキー♪と思っていたら、23時頃になって水色チェックにイチゴ柄のとびきりキュートなワンピースを来た女性が入ってきた。こんにちは〜と会釈したけど無反応だったので静かにベッドのカーテンを閉めた。ああいう系の服ってどこのブランドなんだろう…と思ってChatGPTに聞くと、「Emily Temple cute」「Angelic Pretty」などによく見られるデザインです。との回答が返ってきた。さっとシャワーを浴びて早めに寝る。

 

5月11日(日)

同室の人がまだ寝ていたので静かに荷物をまとめて部屋を出る。朝から日差しが強い。隅田川の近くの純喫茶ELLEでモーニングをしばく。常連らしきおばあさん(3人)+おじいさん(1人)が世間話に花を咲かせていた。

愛子さまここ全部なおしたのよ八重歯のところ」

「佳子さまのほうがきれいよね」

「まあ人によるけど」

「そういやお姉さんどうした?」

「何してんだかね」

「お金はもらってんだかね、皇室だから」

「まあ…大変だね」

「そういう運命だから」

悪口になりそうでならないすれすれラインの与太話。

 

「光」の喫茶店……


新橋からゆりかもめに乗って東京ビッグサイトへ。久々に乗ったな〜ゆりかもめ船の科学館駅が東京国際クルーズターミナル駅になっていた。本を事前に搬送していたので無事届いているか不安だったけど、ちゃんと会場の端っこの方に置いてあった。

隣接の出店者に挨拶をしてブースの設置に取り掛かる。この時点で既に大量の汗。

 

開場前に、エッセイを寄稿した『SIDE STEP』の制作者である野路さん、岡崎さんのもとへご挨拶に行く。遠くからでもパッと目につく赤と白のギンガムチェックのテーブルクロス。めちゃくちゃポップなブースだ!お会いできてと〜ても嬉しかったです。感無量。

一人で文章を書いていると、ブログでもZINEでも「編集」という工程を踏まずに世に出してしまっているので、今回こうやって縁あってZINEに参加させていただく中で、やっぱり「編集」ってすごい大事なんだな〜ってことを感じたんですよねぇ…というようなことをお話ししながら、野路さんに新刊20部を弊ブースまで運んでいただく。『SIDE STEP』実物は目に鮮やかな蛍光イエローで、GAMEBOYZブースの濃いブルーのテーブルクロスとも相性抜群でした。積もる話を全然積み崩せないまま、ではまた後ほど…ということで各々の配置に戻る。

 

開場してからは大袈裟な表現ではなく本当にあっという間に時間が過ぎて行った。とにかくすごい人。人人人。文フリ京都に出たときから「東京はヤバいですよ」というのは聞いていたのだけれど、人の流れに圧倒されてひたすらハイだった。

インターネットの友達がたくさん来てくれて、それがめ〜ちゃくちゃ嬉しかったです!来てくれた方全員に怒涛のIDコールするか今の今まで迷ったんだけど、リストアップしたところ人数的に今回はちょっと厳しいな…となったので断念します。皆さんとの楽しかったお喋りは全部私の記憶に刻み込まれています!差し入れしてくださった方も本当に本当にありがとうございます。

文フリが終わってカプセルホテルでいただいた差し入れを整理しながら、ときどき頭を天井にゴン!とかぶつけて周囲に(すみません…)と心の中で謝罪したりして、昼間とのこの落差、とても良いですね〜などとしみじみ噛み締めていました。東京の宿は高すぎる!!!(米倉涼子

 

それから、通りがかった人が結構『シンプル悪口』に興味を持ってくださって、持っていった40部は見本誌含め完売しました。嬉しい〜。これは結構予想外だったんだけど、200円という価格設定と『シンプル悪口』というタイトルのインパクトが功を奏したのかもしれない。立ち読みしてくださる人ほぼ全員に「誰も傷つけないことをテーマにしたシンプル悪口集です」と紹介したのだけれど、ほぼ全員「ふふっ」と笑ってくれて、あたたかかった。全然面白いこと言えてないのに…

昨今の文フリブームについては「何者にもなれなかった者たちが承認欲求を満たすための場」などと言われてますが、自分としてはどちらかというと「来てくれた人たちや参加者同士の交流の場」として捉えていて、それがとっても楽しいので次回も参加したいな〜と考えています。みなさんも文フリに出ませんか?出ましょう!

 

#文学フリマで買った本

 

IDコールは諦めましたが、文学フリマで買った本から2冊だけ紹介させてください。

 

『日記のおかげで正しく狂えた』藤本拓

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文学フリマ東京40で私が一番楽しみにしていた、ふた (id:marerei)さんの日記本。

私のブースで本を買ってくれた人に「はじめての文学フリマでまわり方がわからないのですが、おすすめはありますか?」と聞かれ、ふたさんのブースを紹介した。聞いてきた方は確か『ハイウェイ・オアシス』を買ってくださった方で、であればきっと通じるところがあると思う…という賭けというか、根拠のない確信めいたものがあったのだ。

この本を作るためにふたさんが、ジュンク堂のカフェでとんでもない熱量を注ぎ込んで書き上げたのがひしひしと伝わる一冊だった。おそらく親を亡くした時期が自分と近いこともあり、自然と涙が頬を伝う場面が何度もあったのですが、散骨の話などは喉の奥が痛くなるほど心に刺さるものがありました。日記の流れを汲んで寄稿者の文章に移る演出もスマートでかっこよかったです。

 

 

『SIDE STEP』編集:岡崎睦・野路学

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自身が寄稿者であるという贔屓目抜きにして、読むと心がかろやかになる最高のZINE。表紙だけでなく、誌面もと〜てもポップでこだわりを感じるデザインなのです。どの寄稿者の方の文章も素晴らしかったのですが、とりわけ玉置周啓さんのエッセイは冒頭からぐんぐん引き込まれるようなドライブ感があり一気に読んだ。「友達にはローカルとグローバルがある」という提唱は、同じテーマで書いた者として(この視点があったか…)と膝を打ったのですが、さまざまな視点から書かれたことがこのZINEの豊かさであり、比較するものでもないとも思うのです。友人との数々のエピソードと玉置さんの深い考察が織りなす極上のエッセイでした。

「おわりに」に寄せられた制作秘話も大変興味深く読みました。「30代のかろやかパスポート」を掲げるZINEとして、ここのパートがかなり本質な気がします。直感で、楽しそうな感じのする方向へ。

改めてこのZINEに参加できたことを本当に嬉しく思います。

 

旅行のカバンの中身がオレンジ過ぎる

 

 


文学フリマには唯一オフラインの友達としてちえちえが来てくれました。「水をください」とLINEして500mlのペットボトル×2本とパウチのゼリーを差し入れしてもらう。持参した水750ml×2本を既に飲み干していたところだったので大変ありがたい。命の水。

ちえちえにはブースを撤収するまで待っていてもらい、出入口付近で合流した。差し入れの感謝を伝えると「いい女房だったでしょ」と言われた。今どき「いい女房」と言われて嬉しい人などいないでしょうに。りんかい線に乗って大井町のタイ料理屋へ。予約の時間まで少し早かったので公園のベンチでnszw(id:hellogoodbyehn)さんにいただいた生クリームおはぎを頬張る。おしぼり代わりにちえちえにGATSBYのボディーシートをあげたら、「GATSBYの味しかしなくなった」と言われた。そういえばイベント中、とにかく汗が止まらなかったのでGATSBYのシートを10枚くらい消費したのだが、相当GATSBY臭を放っていたかもしれないです。ゲムボブースから部活臭もしくは体育のあとの教室の匂いを嗅ぎ取った方がいたとしたらそれは「GATSBY アイスボディペーパー ベリーベリーフローズン」の香りです。失敗した!

タイ料理屋には結局4時間くらい滞在してずっと喋ってた。エビの尻尾を食べるか否か。ちえちえの地元の村には「知」の文化がない。ちえちえが以前マッチングアプリで会った人がみちょぱの旦那に似ているという話を聞いて、私が「そんな男は年老いるにつれ黒光りする一方だからやめとけ」と言ったらしい(完全に記憶にない)とか、「米を買ったことがない(実家から送られてくるから)」は公言すべきではないとか(江藤農水相が問題発言したのはこの後のこと)…とにかくいろいろ喋りました。


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戻ってきて4泊5日の出張。後輩に「荷物そんだけですか」と言われて照れる(パート3くらい)。出張な〜〜、トラブルあってぼろぼろだったけど、メンバーに「もっとできたはずだ」主義の人がいなかったおかげで事なきを得た。3人とも「これだけできれば上出来でしょ」主義者だったので助かった。周囲の人に「これも経験です」と励まされ、ちゃんとしないとな…と思う。次の出張までに解決しなければならない問題がたくさんあり、中堅の責任の重さを実感している。どっと疲れた。

 

読んだ本とか漫画とか

『おめでたい人』寺井奈緒

『生活フォーエバー』を読んだときから薄々感じてはいたのだけど、この方の文章めちゃくちゃ好きです。からっとしていて元気出る。

 

『恋とか夢とかてんてんてん(3)』世良田波波

千林くんが眩しい………

 

見た映画とか

『リアル・ペイン 〜心の旅〜』監督: ジェシー・アイゼンバーグ

滋味に富んだユーモア

新千歳から羽田へ向かう機内でちょうど一本見終わった。
ずっと「マジかよこいつ……」と思いながらもなんだか憎めない。幼い頃から知っているからこその二人の関係性がすごく良かった。足の形の特徴を知っている間柄。

お前が弾くんかい!のシーンだったり、石を置くのを上から見られていたり……しんみりしそうになったあとのクスッと笑えるカットの差し込みが緩急あって好きだった。

 

聞いてた音楽とか

『Memories』星野源

星野源の「音楽」以外の部分があまり好きではないかもしれない。今回の広告もニセ明も、面白の感性が自分とは合わない。あちこちオードリーで言ってたこともいまいちピンと来なかった。春日と同じ気持ち。でごんすが音楽は好きなので、聞きやす。トゥース!

 

 

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