2025年のあなたを表す漢字は「踏(ふ-む)」
キャリアパス的に「ステップを踏む」という良い意味と、人に意見したりして「地雷を踏む」という悪い意味があります。
と人に予言された。
毎年一年の総括として発表される今年のあなたを表す漢字。2022年は「染(そ-める)」、2023年は「染(そ-められる)」だったけど、2024年を飛ばして2025年の漢字を発表された。あまりピンとこないし、もはや占いコーナーになりつつある。
2025年1月は文学フリマ京都に出店した。書きたいことがたくさんあるからたくさん書く。
京都入りしたのはイベント前日の1月18日。4:50起床。外に出るとまだ暗かった。スーツケースのキャスターに雪が詰まってうまく回らず、ほぼ引きずるようにして駅まで運んだ。5:52の電車に乗って空港へ。売店でお土産を買って新千歳8:55発→伊丹10:55着。流石に眠い。朝早過ぎた気もするが、早ければ早いほど航空券が安かったのだ。
高速バスに乗って京都へ向かう。車窓から太陽の塔が見えた。いつ見てもデカくて元気出る。デカさisパワー。
ホテルのフロントに荷物を預けて京都の街を散策した。街ゆく人の関西弁を聞き、改めて「京都に来たんやなあ〜」などと思う。
文学フリマ前々日の夜に神田さん(id:jpmpmpw)が「文学フリマ京都出る方で、入場証を分けてくれる人がいたら本当にお願いします」とツイートしていた。少し時間も経っていたので、もう解決されたかな…と思いつつ、それはそれで良いことなので連絡する。救いの手はなんぼでもあった方が良い。返事があって、まだ見つかっていなかったようで当日入口付近でお渡しすることになった。引き換えに京都でおすすめの定食屋、飲み屋、本屋などを教えてもらう。 情報と入場証の物々交換。ありがてぇ〜。それらのお店の中からピックアップして向かったのがフルーツパーラーヤオイソというわけです。
バスに乗ってホホホ座浄土寺店。ZINE『梅湯マガジン』を買う。店周辺の雰囲気も含めて、ゆったりした時間の流れるエリアだった。
次のバスまでの間、喫茶店で時間を潰す。自分以外無客。ランチタイムを過ぎていたからか、まだメニューに目を通す前から「食事は頼まないね?」と聞かれたので、空気を読んでブレンドコーヒーを注文する。やる気のない喫茶店は、嬉しい。
四条河原町で下車してVOU bldg. / 棒ビルへ。前からインスタで見てて来てみたかったお店。かわいい〜と思って手に取った置物が結構いい値段だったりして、そっと戻すなどした。せっかくなのでステッカーとピンバッチを購入。お洒落〜な空間だった。
夜はQué Pasa downtown(ケパサダウンタウン)でブリトーを食べた。前に「今、京都でブリトーがアツい!」みたいな記事を見た記憶があったのだが、タコスかケバブの間違いだったかもしれない。ブリトーはめちゃくちゃうまかった。人の腕ぐらい太い。
路地裏にある立ち呑み屋ツキノコグマを覗いたら、運良く一人分だけ空いていて待たずに入れた。カウンターに立つ若い女性の店員さんと白ひげの爺さんが「パンキョーは海外にはあらへんのや」「そらパンキョーは日本の呼び方ですやん」みたいな会話をしていた。何の話かと思ったら大学の「一般教養」のことを言っているらしかった。
一杯だけ飲んで店をあとにする。京都駅のすぐ南に綺麗めのイオンモールがあったので、ゲームセンターで両替したりIKEAで青い袋を買ったりダイソーで付箋を追加購入するなどした。
宿に戻ってカフェスペース的なところでプライスカードをつくる。隣で穏やかそうなご夫妻がおしゃべりされていて、誰かの喋り方と似てるな…とずっともやもやしていたのだが、部屋に戻ってピンときた。マユリカ中谷のお父さんだ。
たっぷり寝て朝7:30起床。テレビをつけると『はやく起きた朝は…』が始まったところだった。磯野貴理子がおたよりを読むときにかける老眼鏡はもっと話題になっても良い。
リュックに本や資材を詰め込み、バスに乗って会場のみやこめっせへ向かう。入口前で神田さんに入場証を分配。神田さんとは直接の面識はなかったのだけれど、前回の文学フリマ札幌でブースに来てくださっていたと伺っていたのでそのお礼や、教えてもらったヤオイソに昨日行きましたよというような話をしているうちに、あっさり入場チェックを通過できたので、ではまたあとで〜と言って別れる。
ブースに着くとすでにmudaさん(id:muda-muda)が到着されていた。念願の隣接ブース!嬉しえ〜。mudaさんには先日テアトル新宿で限定販売されていた『百円の恋』のTシャツ代行をお願いして送ってもらっていたので、「今日着てきました」と言って見せる。その節は本当〜に。実はタイプAとタイプB、両方京都に持ってきていて、朝どっちにするか悩んでAにしたのだった。
同じ並びのミワさん(id:miwa19940524)のところにも挨拶に行く。北海道のお土産を手渡し、お返しに長野県の「雷鳥の里」をいただく。「雷鳥は富山の鳥じゃないですか?」と聞くと、「雷鳥は長野の鳥ですよ!ちゃんと製造販売:長野県って書いてあります」とパッケージの裏をびしびし指さしていた。雷鳥めっちゃ好きじゃん。あとから聞いたところによると雷鳥は長野と富山と岐阜の県の鳥らしい。三つ巴で雷鳥を取り合っている。
開場して一番はじめにブースに来ていただいたのが、株式会社はてな代表取締役社長 栗栖義臣さんでした。びっっっくりした。驚きと緊張で何をお話したか正直あまり覚えていない。「勝手に非公式ファンブックを作ってすみません」ということをお詫びして(本当にすまないとは思っていない)、「はてなブログ様にはいつもお世話になっています」「これからもよろしくお願いします」ということをお伝えした。とても温和かつフランクな方で、ますますはてなブログに一生着いていきます…という気持ちになった。
そのあとすぐにphaさんがスッ…と来て、はてなブログ非公式ファンブックを購入して行った。びっっっくりした。(phaさんだ……)(本持ってます……)(どうしてはてなブログ非公式ファンブックを……?)など、いろんなことが頭の中をぐるぐる駆けめぐっていたのに、固まってしまい「600円です」と「ありがとうございます」しか言えなかった。 例えがあまり良くないかもしれないんだけど、千と千尋の神隠しで大根の神がエレベーターに乗ってきたときの気持ちだった。
高揚状態でmudaさんと「最初からクライマックスでしたね」「これだけで文フリ京都に来た甲斐がありました」などと話す。はてなでブログを書いてて良かった〜!
はじまってからは本当にあっという間だった。mudaさんが起立しておられたので私も起立でブースに立った(二重表現)。座ってぽけ〜っとしてるより立って「こんにちは〜」とか言ってる方が気持ち的にもやりやすかった。ただ、もし両サイドが知らない人でどちらも座っていたら自分だけ起立はできなかったかもしれない。
正午頃に、はてなブログ非公式ファンブックの共著者でもあるnszwさん(id:hellogoodbyehn)が差し入れを持ってブースに来てくれた。前回の文学フリマ札幌でnszwさんとお会いしていたmudaさんとロマンス詐欺さんからは「少しお話しただけで絶対に良い人だとわかりましたよ」と聞いていたのだが、私は一目見ただけで絶対に良い人だとわかりました。「人に道を聞かれる人」のオーラが全身から出ている。わざわざ東京から来ていただいて…本当にありがたい(告知で突発的に京都に来ることを煽ったのは私ですが…)。nszwさんが北海道で砂川ハイウェイオアシスに行っていたこと、「ハイウェイオアシス」という名称はなんか気になりますよね…ということ、中央分離帯の無許可バナナのことなど、割とゆっくりお話できて嬉しかった。それから私はnszwさんの掌編に収録された『ブルーバナナ』という章が大好きで、この人ずっと何言ってんだろ…ということを淡々と根気よく書かれているんですよね…追記でもずっと何言ってんだろ…ということを書いていて良かったです。ということをご本人に伝えることができた。これはほんとに失礼な意味ではなく、全然緊張せずにおしゃべりできて、初対面でもはてなブログで人となりを知れているというのはめちゃくちゃコミュニケーションを円滑にするな〜と思った。
終盤には同じく共著者の中村さん(id:danse)も来てくれました。中村さん、ブログのイメージ通りめちゃめちゃ快活な青年だ!ペンを持参してくれて「サインしてください」と頼まれたので、うぇ、うぇ〜〜!となりながらサインした。中村さんは春から新社会人になるので4月からどこに住むのかとか、それまでどう過ごすのかとか、ブログと全然関係ないことを喋って楽しかった。mudaさんが中村さんのブルゾンを見て「切り返しの赤が良いですね〜」と言ったので、私も(前から思っていた)「赤が似合いますよね〜」と言ったら、間髪入れず「そうなんですよ!」と返してくれて、いやめ〜ちゃさわやか!!!と思って笑いました。たぶんいろんな人から言われてると思うけど、後輩力がずば抜けて高い。新生活でも持ち前のバイタリティとチャーミングさでもって大胆に動いてほしい。
ここから怒涛のIDコールが続きますが、嬉しかったので全部書く。
toyaさん(id:toya):数年前の日記祭でお会いしたtoyaさん、覚えていてくださって嬉しいです…!私はtoyaさんの「その年ごとにブックマークしたページでよかったもの集めた」エントリを読むと、毎年もう年末か〜と感じます。あれだけたくさんの記事に全部目を通されているのすごすぎる。しかもジャンルがものすごく幅広い。これぞインターネット愛、はてなブログ愛。(退職エントリも読みました…お疲れ様でした…!)
うれしいさん(id:analog_3):「カステラのアイコンの…」と言っていただいてすぐにわかりましたよ。うれしいさん(とお呼びして良いのでしょうか)の『パスタ習作』シリーズ大好きです。コンテンツとしてシリーズものを持っているとブログの強度が増すなあ〜と個人的に思っていて、しかもそれが頭の中で考えたこととかじゃなくて、実際にその人が手や足を動かして何かをした体験が綴られたものであればもっとすごい。それから『パスタ習作』っていう語感の心地よさ。バスタ新宿みたいな。あとパスタ全部めちゃ美味しそう。
varjojaさん(id:varjoja):ブースに来てスッ…とご購入いただいたので、「ブログとか書かれてる方ですか?」とお伺いすると「『ややあって やつは…」とお答えいただいて、もう言葉の途中で「あーーーー!」と声を上げてしまいました。『ややあって やつは やみくもに その2』良すぎタイトル。相互で読者登録させていただいた期間はたぶん半年未満だと思うのだけど、独特の言い回しとかリズム感があって好きなブログなのです。お会いできて嬉しかったです。
ねじまきさん(id:popmusik3141):終了間際に颯爽とやって来て、私とmudaさんのブースの中間あたりで両方に別け隔てなくおしゃべりしてくださっていたので、「ブログとかやってる方ですか?」とお伺いすると「ねじまきです」とお答えいただいて、もう二人同時に「「ねじまきさん!!」」と声を上げてしまいました。言ってくださいよ〜。ねじまきさんはブログだけじゃなくPodcastやニュースレターも配信されていて、発信力がすごい。ということはつまり収集力がすごくて、ということはつまり全てに対するアンテナが高いということで、いろんな情報をインプットされているからこそフラットな視点でものごとを見れるのだろうな…と思う。
矜子さん(id:kenen_zairyou)/てふさん(
id:tef102252) :斜め向かいのブースで出店されていて、矜子さんは文フリのちょっと前くらいから読者登録させていただいてたご縁もあって購入させていただきました。お二人とも共通して個人的なことを赤裸々に綴っているのに堂々と胸を張って出していてかっこ良い。装丁が正方形だったり、ビビッドな蛍光色だったり、ZINEならではのデザインの楽しみ方をされていて、そうだよな〜個人誌はもっと自由につくって良いんだよな〜と思った。
ゆのじさん(id:koucredo)/れいめいさん(
id:rei0mei03) :お二人はKiEさん(
id:sasanopan)のインタビューとエッセイ目当てではてなブログ非公式ファンブックを買いに来てくださいました。絶大なるKiEさん効果。今回KiEさんは事情があって会場には来れなかったけど、KiEさん界隈の方が買ってくれましたよ!ということをご報告しました。これもまたご縁〜。
おぱんさん(id:sy0kupan):私がずっと「パンさん?ファンさん?フアンさん?」と聞き間違いをしてしまい本当に失礼いたしました…!おぱんさんとわかった瞬間「おぱんさん!!知ってますよ〜!」と言ってしまいました。知ってますよも何も、私はおぱんさんのファンなのですから…。いただいたたぬのステッカー、超〜うれしくてスマホケースに入れてます。なんか(なんで?)バタバタしててあまりゆっくりお話できなかったのですが、きっとまたどこかで会いましょう!
リヨウさん(id:r_ps22):リヨウさんのブログは結構長いこと読ませていただいていて、今回文学フリマ京都に出店されると知ってからずっとお会いできることを楽しみにしていたのだった。穏やかでそよ風みたいな人。リヨウさんが配偶者の方と立ち上げた蜃気楼書店から出された『馬に名字を決めてもらう』が本当〜に素晴らしいZINEでしたのでここで紹介させていただきます。
私たちは名字の選択を通して社会に意義申し立てをしたいわけではなかった。あくまで、自分たちが納得する形で、対等に決めたい。
*
神馬さんに決めてもらうアイデアは飲んでいる時にふと降りてきたものだったが、「なんでも自分で決めたい、一個も取りこぼしたくない」と必死で自分の在り方を求めていた自分の人生にはなかったことだ。
馬に名字を決めてもらい、結果的に妻の姓を選んだお二人のZINE。友達全員に読んで欲しい。前提として「馬に名字を決めてもらいましたピースピース!」というおふざけでは全然なくて、お二人が、さらにはお二人のご家族ひとりひとりが、それぞれの考えを持って逡巡や話し合いを重ねた結果選んだ過程が、心の機微とともに丁寧に描かれている。リソグラフ印刷、ミシン綴じの立髪(栞にもなる!)など工夫が凝らされた素敵な装丁。中身の文章にこだわるのと同じくらい、それをどうパッケージングして表現するかっていうのは大事なことだなあと思った。
神田さん(id:jpmpmpw):神田さんのブースに本を買いに行ったら「これは新刊で」「これは買い物にまつわるエッセイで」と説明がはじまったので、どうするか迷ったけど「あっGAMEBOYZです…」と名乗ったら、それまでと全く変わらないトーンで「ああ、さっきはキャップを被ってたから気付きませんでした」と言っていてすごかった。神田さんの犬小屋作って燃やすブログ(犬小屋を作って燃やしました!)は、数あるはてなブログの記事の中でもかなり好きな部類に入るのですが、これを「狂気」と称して型にはめてしまうのは、てめえの狭い尺度で測った価値観の話でしかなくて、つまるところ何が言いたいかっていうと犬小屋作って燃やすのはめちゃくちゃ面白いということ。犬小屋作って燃やしたい。ステッカーいただきました。
IDコール祭り終わり。
前回のブログで「日記本ブームに対するアンチテーゼ」などと強い言葉を使ってしまったが、訂正します。つまらない日記はつまらないし、面白い日記は面白い。これだった。面白い日記はどんどん本にしてもろて…と思っています。
関係ないけどマツコ会議でマツコ・デラックスがゲストに対して「狂気よね」とコメントするのは、ちょっと乱暴な括り方なのではないかとずっと思っている。その人にとってのスタンダードを、自分と、あるいは一般的な価値観と違うからという理由で「狂ってる」と断定してしまうのは恐ろしいことである。ただそういった魑魅魍魎有象無象を一手にマツコ・デラックスに預けてしまっている/マツコ・デラックスが何とコメントするかに過度な期待を寄せているのは番組制作者と我々視聴者の身勝手な都合でもある。
机上に置いてた見本を読んで買ってくれた方がいたり、ブログもツイッターも見る専門だけどいつもブログ読んでますという方が来て買ってくれたり、全部全部とても嬉しかった。
ミリタリーコート(で合ってますか)の青年が、やたら「このデザインが良いですね」とハイウェイ・オアシスの表紙を褒めてくれて、こんなにストレートにデザインを褒められたことがなかったので「これは熱海で撮ったんですよ」などとお話しして本を買っていただいたのだけれど、そのあと長髪眼鏡柄シャツベルボトムジーンズ(で合ってますか)男性が、現れるなり「やっぱジャケがバリええなあ」と本を手に取ってくれて、「いや悔しいわ〜」などとつぶやいておられるので、何事か…と思ったら、さっきの青年がゆっくり現れて、彼のご友人に「あっちにええ本あったで」というようなことを紹介して連れて来てくれたらしかった。(状況説明が難しい)嬉しくて「お兄さんたちもお洒落で…〝京都の若者〟って感じ」と言ったら「バリ煽られとるやん」とか言われてウケた。おもろ客。いやしかし、次の週に最初の青年が本の感想をメールで送ってくれて、こういうの本当に励みになるので嬉しかった。ありがとうございました。
買った本ではセブンティーンアイス全部食べた人の同人誌がめちゃくちゃ良かった。セミプロのクオリティ。新フレーバーが出ていることも教えてもらえて良い邂逅だった。『埋物の庭』というZINEも表紙のデザインやコンセプトが面白くて良い買い物をした。
最終的に『はてなブログ非公式ファンブック』は持っていった分すべて完売、『ハイウェイ・オアシス』はまあまあ残った。前者はあと10冊多くて良かったし、後者はあと10冊少なくても良かった。売上云々というよりは「お店屋さんごっこ」をするために参加料を払ってる感覚があって、それはそれで楽しかった。もちろん素通りする人、ぱらぱらめくって立ち去る人が大半で、そういうときは心の中で「買わんねや」と思ってました。反対側のお隣がリトルプレスの出版社でかなり大盛況のご様子だったのだけど、机と椅子をその場に放置してお帰りになられていて「片付けんねや」と思いました。mudaさんが椅子を片付けに行ったきりずっと戻ってこない…と思ったら、イベントスタッフばりに台車の脇についてせっせと椅子を回収されていた。「善い人でありたい」とするmudaさんの姿勢に心の中で拍手を送りました。
長いけどこのまま続けます(やっと半分くらい)
会場を出てミワさん、mudaさんと帰りの路線を調べながら歩いていると、「206いうたら京都駅に行くバスやがな」と知らないおじさんがフェードインしてきて緊張が走る。「ワシは京都の道なら全部知っとる、スマートフォンなんか見んでも歩ける」と言うので「お〜すごい」「はぇ〜」とか適当に相槌を打っていたのだが、「京都、それから大阪兵庫和歌山…若い時は神奈川の建設現場に通っとったからその辺の道は全部知っとる」とあからさまにホラを吹き出したので、なるべく目線を合わせないように歩調を速めたらいつの間にか姿を消していた。本当に気付かないうちにいなくなっていた。206の精霊。
一旦ホテルに荷物を置いて、18時に「広東料理 鳳泉」で再度合流する。実は前の晩インスタのストーリーに京都の写真をあげたら、高校の友達から「市役所前の鳳泉で焼売食べテェや」(原文ママ)とメッセージが来ていて、「行ってみよかな!」と返信していたのだが、イベント中mudaさんと夜何食べます?と雑談していたときにmudaさんが提案してくれたのが偶然にもこの鳳泉のからしそばで、さらにミワさんもGoogleマップにピンをさしていた…!という奇跡が重なり、満場一致で夕食会場が決まったのだった。
店前で並んで待っている間、ミワさんが昨日食べたイノダコーヒーのボルセナの味について、カルボナーラみたいな感じですか?と聞くと「そんな感じです。ボルセナのボルもたぶんカルボナーラからきたボルです」と実にスムーズに答えてくれたのだが、「ボル……カ ル ボ…」と違和感に気付き、秒ではったりを暴いてしまったのだった。
店の外から視界に入る窓際の席が曇りガラスになっていて、ちょうど手元の料理だけがクリアに見えるようにスリットが施されていた。運ばれてくる料理がどれも美味しそうで、この人たちは店に雇われた広告塔かもしれない…などと話しながら順番を待った。程なくして中に案内されてメニューを開く。ひとつひとつの料理に「別腹、おいしいよ!」「もやしの食感が……是非お試しください」などのコメントがついていて面白かった。中でも「味つけ最高!食べよい」というコメントが秀逸だった。シソンヌの不動産コントに出てくる「住みよい」を思い出した。
中華でお腹を満たしたあとは六曜社でコーヒーとパウンドケーキを食べた。この日のメモには「THE W」がつまらな過ぎた/木曜ラヴィット!でのギャル曽根の立ち位置/ニューヨークのナチュC/エルフのはるさん(好き)/ロバート秋山と柄本佑のリモワ/こたけ正義感の事務所/トンツカタン森本のタイマン/東京ホテイソンのYoutubeはショーゴがイキっていて恥ずかしい/などを話した記録が残っている。芸人の話ばかりしている。
鴨川の岸辺に腰掛けてnszwさんからいただいた和菓子を食べた。ニッキが効いていておいしい〜。
あとから調べて知ったのだが「やきいも」という名前なのに、サツマイモを使ってないらしい。全然スイートポテトだと思って食べていた。ちなみに北海道の「わかさいも」というお菓子もサツマイモを一切使っていない。わかさいものCMイメージキャラクターをつとめるのが小日向文世であるが、彼は「わかさいものCMに出たのは、雑誌で私がわかさいもが大好きだと言ったのがきっかけでした」と語っている。
夜の鴨川を眺めながらいろんな話をした。背後のビルからズンズンと重低音が響いていたので振り返ると、くるくる回るミラーボールの光と踊る人たちの影が見えた。クラブのノリをはるかに超えて踊り狂っていた。おジャ魔女ゲイツだ。
話題を探そうと必死にならなくてもなんかずっと話が途切れなくて、かと言って無理に頑張って喋らなくても良くて、その感じがとても心地よかった。気がつくと23時を過ぎていて、そろそろ帰りますか…と立ち上がる。周りを見渡すといつの間にか鴨川名物「等間隔カップル」たちに囲まれていた。ミワさんがカップルの間に入って話しかけようとしていたので「206のおじさんになりますよ」と言って止めた。
ミワさんは徒歩で、mudaさんと私はバスで宿へ帰った。バスではmudaさんが見ているタイプロ、私が見ているノノガの話などをした。小松倖真さんが創造営2025に参加するという話から、「小松倖真さんは日プ1でしたっけ?2でしたっけ?」と聞くと、mudaさんが「でも確か『やんちゃ』だから、1ですね」と答えてくださって、やんちゃ基準で軸を捉える感覚、めっちゃわかる…となった。オーディション番組の中でも記憶に残るステージというのがあって、日プ1は『やんちゃBOY やんちゃGIRL』だし、ガルプラはダヨンオンニ率いる『Ice Cream』チームだし、日プガールズは『美人ver.ウチら』なんですよね。け け けいこに注意〜って歌詞、ノノガ後に改めて聞いてもやっぱりすごすぎる。
翌朝8時にイノダコーヒー本店で再集合。レモンパイとコーヒーを頼んだ。
mudaさんは最近、何か迷ったことなどがあったときにchatGPTに音声通話で相談するそうだ。会話の温度感などを指定するとそのとおり応えてくれると話していた。私はそれまでchatGPTは有料コンテンツだとばかり思っていたから、すごく良い話を聞けた。
さっき「つまらない日記はつまらない」と書いたので、私が思う「つまらない日記」というものをchatGPTに書かせてみた。
某日、前職の先輩と飲みに行った。場所は恵比寿のちょっと洒落たダイニングバー。
氏は相変わらず上から目線で話してくるが、もう慣れた。最近仕事の方は順調だし、正直あまりアドバイスが必要なわけでもない。彼の話を適当に聞きながら、俺はひとしきり飲んでいた。途中、気づくと俺のスマホが震えた。彼女からのメッセージだった。それを見て少しだけ顔がほころんでしまう。氏には見せなかったが、なんとなくわかっているだろうなと思った。こういう時、何か言われるのも面倒だし。
「お前、最近どうなんだ?」と訊かれたので、俺は少し考えた後、ただ「まあ、順調です」とだけ答える。実際、プライベートも仕事も、なんとなく軌道に乗ってきている感じはある。自分でもその実感はあるけど、あえて口に出さない。
飲みの後半は、もう仕事の話もほとんどしなくなり、ただの雑談に。外の冷たい風を感じながら、また次に会う約束をして帰路についた。正直、疲れたが、悪くない時間だった。次はもっと自由に、気楽に飲みたいと思う。
Written by ChatGPT.
最悪すぎて最高。こんなん本にして売ろうとしないでください。嫌なら読むな了解。chatGPTにはあまりに悪意に満ちた指示を送ったので、レシピは非公開とします。
これを裏返して、ではどういう日記が面白いのか?ということを考えると、私はやはり「その人にしか書けない文章であるか」という点を重視している気がする。文体であったりリズムであったり、その人が何を見て・何を体験して・どう感じたか、そこにはその人にしか出せない個性があって、そのフィーリングが自分と合うかどうかを、人のブログを読みながら探っているのだと思う。chatGPTには到底書けないようなブログを、書いていきたいですよねえ!
イノダコーヒーを出て、ハード系のパン屋でハードめのパンを買った。ミワさん曰く「京都といえばハード系のパン」らしい。パン屋から出町ふたばまでの約3kmをミワさんが徒歩で向かおうとするのを、mudaさんが「歩きませんよ!」と制していたのが面白かった。良いコンビだ。
鴨川デルタのほとりで豆餅を食べた。塩味が効いていて美味しい。最近私が気になっていることの一つ、テレビで「塩味(えんみ)」と言う人をよく見るけど、塩味(しおあじ)ですよねえ!という話をした。鴨川沿いをずっと喋りながら歩いた。鴨川という川は、京都で暮らす人々の生活にすごく密接しているように感じる。京都の人と鴨川の関係性に、漠然とした憧れがある。
しばらく歩いてミワさん行きつけ?の書店に立ち寄った。事前に「店主の方がちょっと怖い」と聞いていたので、なるべく静かに店内をまわる。入ってすぐのところに、いがらしみきおの本が平積みされていたのをmudaさんが「ロマンス詐欺さんが読んでた本ですね」と小声で教えてくれた。何も買わずに店を出て「店主の方、おいでやす小田さんに似てましたね」「今日もおいでやす小田でした」「まったく同じことを思ってました」と答え合わせする時間があった。私がおいでやす小田の口調で「うるさーーーい!」と言うとmudaさんが「帰れーーー!」とあとに続いてくれて笑った。たしかに「うるさーーーい!」よりも「帰れーーー!」の方がおいでやす小田が言いそうなセリフである。悔しい。
そろそろ飛行機の時間もあるのでそれではこの辺で!と言って別れた。京都駅で職場へのお土産に祇園辻利の「つじりの里」、自分用に千枚漬けを買う。ゆっくり昼食をとっている時間がなさそうだったので551で豚まんをテイクアウトした。前に並んでいる人も全員2個入から注文していて、店頭メニューにも2個入からの表示しかないので、2個もいらないな…と思っていると、目の前のおじさんが「バラで」と注文して1個入りをゲットしていた。おじさんに倣って単品で注文する。無事1個入りの豚まんをゲットした。公式HPには以下のようなQ&Aが記載されている。
Q. 豚まんは偶数個での販売だけなの?
A. 551蓬莱の営業方針・営業展開におきまして、当社では創業者の考えにより原則として豚まんを偶数個販売にさせて頂いております。「偶数は極めて縁起がよく、円満の印である」とのことで創業当時よりそうさせて頂いております。基本的には偶数個販売をさせて頂いておりますが、奇数個のご要望があった場合には一個入用の箱に入れて販売させて頂いております。
謎のゲン担ぎ。
帰りの機内で早速お二人の本を読んだ。ミワさんの本にはいつかの京都旅行のことが書かれていて、さっき私たちが巡ったルートは奇しくも聖地巡礼みたいになっていた。そのことをミワさんは話さなかったし、それで良いのだと思う。ブログに書いたこと/書かなかったことがあるように、話したこと/話さなかったことがあって良い。話したくないことを話す必要はないし、それがインターネットの友達の良いところでもあると思っている。
mudaさんの既刊には昨年の文学フリマ札幌のことが追加収録されていた。mudaさん、ロマンス詐欺さんと3人で過ごした時間が色濃く書かれていて、心がじーんとあたたかくなる。「ゲムさんは最難関の専用駐車場にスムーズなバック駐車をしてくれた」と書いてくれていたが、それはmudaさんの記憶違いです。実際は狭い専用駐車場が埋まっていたので、近くの広い駐車場に停めている。京都でもこのときの話になって答え合わせをしたけれど、どうかこのまま「ゲムさんの運転はうまい」という嘘の記憶で上書き保存してください。
京都で過ごした三日間は本当にかけがえのない時間だった。あんまりしんみりするもの嫌なので、また近いうちに会えるよね、会いましょう!という言葉で締めくくりたいと思います。
ということで、ここでお知らせです!
文学フリマ京都で頒布した本の通販を開始しました。下記リンクから既刊・新刊それぞれご購入いただけます。
(前フリが長い青汁のCMみたいになってしまった…)
「ハイウェイ・オアシス」の感想はインターネットの友人ことofftoneさん(id:offt0ne)がブログに書いてくれました。年齢も性別も住んでる場所も違う友人がインターネットにいるということ。そのことを強く実感した2025年1月でした。
聞いてた音楽とか
『いつでも会えるよ』ゆっきゅん
月がデカいよ!!!!