ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2024年10月のこと

柿はヨーグルトをかけて食べるとおいしい。できれば水切りヨーグルト、甘さがほしいときは少しはちみつを足すのがよい。という情報を昔誰かがTwitterでつぶやいていた気がしたのだけれど、フォロワー内で検索してみても発信源は特定できなかった。かわりに自分が「スーパーで売ってる柿めちゃくちゃ四角いな」とつぶやいていたのが見つかった。たしかにスーパーで売ってる柿はめちゃくちゃ四角い。この品種は「平核無(ひらたねなし)」といって、文字通り平たくて種のない柿なのだそう。

もうひとつ秋の果物といえば、いちじくです。*1いちじくはクリームチーズと合わせるのがよい。ベーグルやマフィン、カフェのメニューなどを見ても、いちじくには絶対にクリームチーズと決まっているのです。宮城にいたころはこの時期になるとスーパーで袋に大量に詰められた生いちじくが出回っていた。こちらではさっぱり見かけない。調べるといちじくの経済栽培の北限は新潟・福島・宮城を結ぶ線といわれているらしい。はぇ〜。こういうことを調べて休日が終わる。

 

10月初頭にあった紋別出張。ハイエースに機材を積み込み、1日約8時間オホーツク海での労働(オブ・ザ・リング)。疲労とストレスの溜まる9泊10日であった。とはいえもう1ヶ月も前のことなので、だいぶほとぼりも冷めてしまった。私情をなるべく排除したうえで思ったことを書くと、自分より上の人にあれこれ言わなくちゃいけないのは疲れる。今回の出張は準備の段階から自分が中心となって進めてきた業務だったのだけど、現場でぼーっと突っ立っている上の人に「あれやってください」「これやってください」と言わなければならないのが本当に無理で、結果的に「あれやってもらっても良いですか」「これやってもらっても良いですか」と疑問を投げかけることで対処したのであった。この言い換えに何の意味があるんだ…という感じではあるのだけれど、人にきつい言葉を投げつけたり、現場が不穏な空気になったりするのがただただ嫌なのだ。

相手が後輩であれば、できないことやわからないことがあって当然だと思うし、たくさん失敗して覚えれば良いと思えるのだが、一切学習する気のない上の人に対しては「あなたは何をされてきた方なの?」とCV:和田アキ子で質問したくもなる。

何か苛立つことがあったとき、自分の中の別人格に代弁させるのは私がよくやるアンガーマネジメントのひとつなんだけど、この出張中はロバート山本の「なんだぁ〜?」を頭の中で何度も唱えた。無になれて便利。ロバート山本の「なんだぁ〜?」のファーストテイク、大好きな動画なので皆さん見てください。

THE FIRST RECORDING なんだ〜!- YouTube

カニ

この巨大なオブジェ「カニの爪」は流氷アートフェスティバルにあわせて制作されたもので、かつては流氷の時期になると海に浮かべていたという。(出典:カニの爪(オブジェ) | 紋別観光案内所

昔の人のアイデアって、今よりずっと破天荒でいいな〜

RED GODZILLA

 

 

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ヤシの木マークがかわいい「パルム」は、かつて北海道を中心に展開していたコンビニエンスストア。現在組合は解散しており、パルムの屋号を掲げて営業しているのは紋別店のみになった。こういうことを調べて休日が終わる。

 

10月中旬は1泊2日で八雲(やくも)を訪れた。函館から北へ1時間、渡島半島のほぼ中央に位置する八雲町は、日本の市町村では唯一、日本海と太平洋の二つの海に面する町だ。バカリズムのネタ「都道府県の持ち方」でいうと、ちょうど持ち手になるあたり。ちょっと話が逸れるけど、もしバトル・ロワイアルで最初に支給される武器が都道府県だった場合、やっぱり一番強いのは北海道だと思う。サイズがチート。次に強そうなのは石川かな〜形がシュッとしてるから。ブーメランとして投げるなら高知でしょうな。香川、大阪、東京が出たらおしまいです。(注:バトル・ロワイアルで支給される武器が都道府県だったら…という空想上の話をしています)

八雲は今年「木彫り熊生誕100周年」を迎える。町のいたるところにのぼり旗が立っていたりポスターが貼られていたりして、町全体で100周年を盛り上げていた。

まず訪れたのは木彫り熊資料館。北海道第一号の木彫り熊をはじめとして、年代問わずさまざまな木彫り熊が展示されている。

北海道木彫熊発祥の地由来
大正10年から11年にかけて欧州の農村事情を視察した徳川義親はスイスの農民が冬期間の副業として木彫熊を製作しているのに注目し、一個買い求めた。
翌年、義親は、こうもり傘の骨を研いだノミで八雲の農民達に木彫熊の彫り方を教え、出来た作品は買いあげる約束をしたところ、酪農家の伊藤政雄がスイス製をモデルにして製作し、大正13年3月に開催された徳川農場主催の「第一回農村美術工芸品評会」に出品した。
これが北海道における木彫熊第一号で、その後、農民達は「八雲農民美術研究会」を結成し、徳川農場内のこの場所に羆を飼育してもらうと共に、講習会などを開催して作品の技術向上に努めたので、わが国の代表的観光土産品として推奨されるに至り現在でも伝統は維持されている。

敷地内にある石碑『北海道木彫熊発祥の地碑』より

 

資料館の展示、解説が詳しくて面白かった。八雲の木彫り熊といえば代表的なのが柴崎重行の作品であるが、柴崎は八雲農民美術研究会の第一回講習会から参加し、木彫り熊の制作を学んだそうだ。だいぶ初期の段階で、柴崎重行といえば…で我々が思い浮かべる面彫りの作品を残している。その後、研究会を脱退し山にこもった柴崎は面彫りの中でもハツリ彫りと呼ばれる、斧で木を割っただけのような作品を作るようになる。(参考:『北海道 木彫り熊の考察』著:山里稔)

資料館を満喫したあとはゲストハウスにチェックイン。荷物を置いて町に繰り出す。Googleマップで気になっていた『提灯』という居酒屋へ行く。店名のイメージとは異なり、ジャズが流れる落ち着いた雰囲気のバーであった。カウンターへ通されて注文したのは、旭川に隣接する鷹栖町で製造されたクラフトジンRETROGRADE(レトログレード)。最近私はクラフトジンに興味があって、というのも以前たまたまテレビをつけたら放送していた番組『ララLIFE』で、高嶋政宏が「ジン-1グランプリ」というのを開催していたのを見たからである。高嶋政宏は週7でジンを飲むらしい。高嶋政宏は1店舗目でいきなり98点という高得点をつけ、続く2店舗目でも98点、3店舗目で誰もがまあそうなるわな…と予想していたとおり99点が出る。最後はへべれけの高嶋政宏が薄っぺらいコメントを残してジン-1グランプリは閉幕した。この企画があまりにしょうもなくて面白かったのだ。そんなわけで飲んだクラフトジンソーダ割り、たしかにスパイスが効いて複雑な味がする。2杯目はもうちょっと特徴的な味を…と注文したところ、マスターがohoroというジンを出してくれた。これはニセコでつくられたジンなのだが、いただいたのは何種類かある中で限定品のラベンダーの香りのするものだった。なるほど…これはラベンダー。あまり得意ではなかったのでちびちび飲んだ。カプレーゼに使われていたオリーブオイルがすごくフレッシュで、ほぼ飲むようにしてオリーブオイルを摂取した。

 

 

翌朝9時に予約していた工房で木彫り熊の体験。所要時間は大体3時間〜3時間半と聞いていたところ、彫り終えたときには既に5時間半が経過していた。過集中。昼食もとらず付き合ってくださった講師の方には本当に申し訳なく平謝りするほかなかったのだが、「また来てくださいね。2回目参加する方もいるんですよ」と優しい言葉をかけていただき大変ありがたかった。

 

工房に射し込むあたたかな光



つい熱が入り、途中からは上着を脱いで半袖で彫った

 

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番号のついたお手本を参考に彫っていく。削るのには小刀と彫刻刀を使う。

「木彫りをするのははじめてですか?」

「前に一度彫ったことがあります」

「熊ですか?」

「ポ…ケモンを…」

関連:『木彫りのポリゴンをつくろう - ねているとき いがい ねむい


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♩〜(『Crazy In Love』Beyoncé)

 

 

GAMEBOYZ作(左)とお手本(右)

並べてみると全然違う。けど、どっちもかわいいね〜

函館で撮った「北海道第一歩の地碑」根本勲

 

お腹が空いたので駅前の喫茶ホーラクへ。昼の営業は15時までだったのだが店に着いたのが14時50分。おそるおそる店内を覗くと「ワイルドダンディ」という感じの気さくなマスターが迎え入れてくれた。この喫茶店には熊の木彫りがたくさん飾られている。棚の扉を開けて見せてもらう。「木彫りの体験はもう行った?」と聞かれたので、今行ってきたところだと伝えると「お!見せて見せて!」と言われ、自前の熊をカバンから取り出す。あらゆる角度から熊を眺め、「いいじゃない〜」と評価いただいた。

パフェと熊

常連らしきおばあちゃん3人組が「86歳のじいさんにナンパされた」という話で盛り上がっていた。

天国・・・?(後ろに広がるのは内浦湾)

 

クマー(^(ェ)^)

 

翌々週は十勝地方へ遊びに行った。雪が積もる前に遠出しておきたい気持ちがある。十勝地方、すごい良かった!どこまでも続く一本道。ザ・北海道という感じ。

奥に見えるのはカラマツ林

 

日本一広い公共牧場「ナイタイテラス」からの風景

 

然別湖


帯広の市街地は碁盤の目状に道が整備されている。間違って一方通行の道に入っていきそうになってかなり焦った。

帯広名物 豚丼 やわらけ〜

宿泊したユースホステルの宿主から「ぱんちょうは観光客向けだからやめときな」と言われ、おすすめされた「豚丼のかしわ」で豚丼(中)をいただく。

「インディアン」のカレーを提供する「ふじもり」の焼きカレー

水と一緒にサービスでメロンソーダが出てくる。

 

行列に並んで買った「高橋まんじゅう屋」の大判焼

あんことチーズ、1個ずつ買ってあったかいうちに両方食べた。それからクランベリーでスイートポテトの一番小さいやつを自分用のお土産に購入。

 

翌日訪れたのは六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村。企業がやってる美術館だからどうせ節税対策だろう…と見くびっていたのだが、とんでもない。本当に良かった。また行きたいし、ぜひ行ってほしい。

145,000平方メートルの広大な敷地内に小さな建物が点在しており、テーマや作家ごとに作品が展示されている。落ち葉を踏みしめながら柏の林の中を進んでいく形式は、「鑑賞」というより「体験」としてすごく良かった。

 

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少し奥まったところに位置する相原求一朗美術館。羊蹄山、旭岳、十勝岳などの北海道の名峰を描いた「北の十名山」が常設展示されている。雪原にそびえる山脈は、力強いのにどこか寂しげな佇まいをしている。ドライブしながら見ていた景色もずっとこんな感じだったな…と思って、絵と自分の目で見たものがリンクする感覚がすごく新鮮で、なんか、本当に良かったんだよなあ…

 

車で10分ほどの場所にある「六花の森」では、六花亭の包装紙でおなじみの坂本直行の作品が主に展示されている。

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北海道の自然を愛した坂本直行の生涯や、帯広千秋庵から六花亭へと屋号を変えた変遷などが紹介されている。坂本直行は六花亭創始者田豊四郎が創刊した児童詩誌『サイロ』の表紙も手掛けている。六花亭の地元貢献や子どもたちの未来のために…といった活動に感銘を受け、後日図書館で『お菓子の街をつくった男 ~帯広・六花亭物語~』という児童書を読むまでした。

観光客向けの商売に全振りすることなく、ちゃんと地元の人に愛されるおいしいお菓子をつくっていて、お菓子の名前ひとつとっても、全部に想いが込められている。企業理念が本当に素晴らしい…。六花亭のお菓子、もともと大好きだったけどますます大ファンになりました。

 

読んだ本とか漫画とか

女の園の星(4)』和山やま

古森兄

 

 

『いのちの車窓から2』星野源

結婚生活のことは触れないんだろうな〜と思って読み進めていたら、書き下ろしの『喜劇』というエピソードで思ったよりしっかり触れていた。その他の章にも「妻」という人物がごく自然に登場する。書くんだ…って意外だったし、結婚して人と暮らしてもこの人は孤独を大事にする人なんだな…と思った。

元気で、未来は明るく、現在は楽しく、毎日絶好調であろうなんて思わない。無理に明るくする必要はない。矢継ぎ早に辛いことや落ち込む出来事が起き続け、意味がわからず納得がいかないことばかりのこの世の中に、私たちは生きている。

『出口』より

 

 

『増補版 にき』蟹の親子

蟹の親子『増補版 にき』aoyamabc.jp

自主制作の日記本ブームについて考察している。同じ議論を行ったり来たりしているような感じがしてあまりピンとこなかったけど、結局は日記本ブームの理由はこれだ!と断定できるようなはっきりとした答えがないということなのかもしれない。

 

『日記の練習』くどうれいん

冒頭の「風が吹いても魚が跳ねても自転車からへんな音がしても同級生が捻挫しても、それがわたしの人生のとびきりの出来事だと本気で思った。」という文章で(本当か…?)と引っかかってしまい、以降全部が自分にはあまり響かなかった。言葉の使い方がうますぎるが故に一定のペースできれいな表現が続く感じがして、良い意味でいうと、ずっと凪。

 

見た映画とか

『HAPPYEND』監督:空音央

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タイトルの出し方、エンディング前の一時停止。
落ちたライトが揺れながら二人の影を照らすところ、回るミラーボール、頭をぶつけた照明をなおした直後にくる地震…光と揺れの演出がどれもかっこよかった。

バイト先の店長、味があって良いキャラ。渡辺真起子が『ナミビアの砂漠』と同じような役柄で出てきて笑った。

 

『SUPER HAPPY FOREVER』監督:五十嵐耕平

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ポキ丼のシーン!!!!ポキ丼のシーンについて審議が必要だ!!!!!

カップ麺すするとこよりポキ丼のシーンの描き方がめちゃくちゃ良かったので、この不条理を見れただけでこの作品に出会えて良かったです。早速2対1になってんじゃんよという構図、どちら側にも既視感があって、ギィーーってなる。

好きか嫌いかどうかは抜きにして、かなり語りしろがある映画だと思う。「佐野はたぶん宮田しか友達がいない」とか、「凪は写真家としてそこそこやっていける程度に仕事があるが、佐野はたぶん5年経った今もよくわからない感じで生活してる」とか、「従業員さんにナチュラルにタメ口使うな」とか「宮田にとってのあの指輪は、佐野にとっての赤い帽子と同じくらい大事なものだったんじゃないのかな…」とか。

こういう女性を描いた映画の中で、一番こういう女性の解像度が高かった。凪のキャスティング大正解過ぎる。こういう女性というのは飾り気のないように見えてなんかお洒落、すべてがお洒落。Tシャツ、ジーパン、サンダルでも様になる。ホラー映画に詳しい。カバンもスマホも持たない奔放さとすぐ物を忘れてしまう危うさを持ち合わせ、それでいてタバコは吸うしクラブも行く。みたいな。
第二部はひたすらこの女性に対して「すごいや…」と思いながら見ていた。

 

聞いてた音楽とか

 

『ICY』JO1


皿洗いしながら何気なく聞いてたら途中から歌詞どういうこと????ってなる展開だった。前半までは「何も目に入らないOnly you♪」「頭中満ちる君♪」とか歌ってたのに、急に冷める。

よく考えて見れば  何もかも合わない気がした

すれ違う香水 好きな Play list 慣れない Emoji, No

絡みたくない あいつらをいつも 君のそばでよく見かけることも

もう全部見たくない  もう全部忘れたい

僕はもう全てを 全部 Done done done done

怖いよ。怒涛の冷め。ICY……

 

 

最後に今期見てるドラマ発表します。

『ライオンの隠れ家』『海に眠るダイヤモンド』『無能の鷹』

以上になります。明日の天気予報は雪!冬がはじまるよ〜〜〜

*1:梨が一番好きなんだった!忘れてた!