ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2022年9月のこと

遅れてきた夏休み'22。ここ数年はお盆の時期をあえて外して休むことが恒例になってきた。振替と夏季休暇を土日にくっつけて、9月上旬に9連休を取得した。友達からは「休みのとり方が上手い」と言われた。はじめて言われる褒め言葉。たしかに休みを申請するときも休んでいる最中も、職場の人に申し訳なさを感じたり、つい仕事のことを考えてしまうというようなことが一切ない。オフの日は完全にスイッチを切って、というよりコンセントごと抜いたような気持ちでとことん休んでいる。今度から特技を聞かれたら「休みのとり方が上手い」と答えよう。

 

連休前半は帰省した。高速バスに乗って1時間もすれば実家に着く。帰ろうと思えば毎週末だって帰れるはずだけど、「このご時世」を理由にしてあまり頻繁には帰れていない。

家に帰ると母が「面白いものがある」と言って古い写真を見せてくれた。白黒写真の真ん中で幼少期の母がニンとした顔で立っている。どの写真でも母は大抵真ん中にいて、やはりニンとした顔で写っていた。たしかに母は面白い顔をしている。

母の横にいる凛とした顔の少女は幼少期の頃の伯母だそうだ。色白で手足が長く上品な顔立ちをしている。伯母は持病があって身体が弱く、結婚後も子を授からなかったため、最近はこうやって少しずつ古い写真や思い出の品を母や叔父に送って身辺整理をしているのだという。

自分はこのままいけば老後独居老人ルートを辿ることになるが、もしかしたら老いて身寄りがないというのは寂しいことかもしれないな…と想像して少し切なくなった。もちろんそれは子供のいない伯母の人生が寂しいものだったという意味ではない。伯母夫婦は二人ともパチンコが趣味で、昔はよくGUCCICHANELの景品を恵んでくれたし、儲けた金でラスベガス10日間カジノ豪遊ツアーを組むくらい人生を謳歌している。今はトイプードルを一匹飼っている。

連休後半は母と二人で温泉宿に泊まった。もともと一人で泊まるつもりで予約していたが、父と兄が母も一緒に行ったらどうだと言うので、宿に電話してプランを変更してもらった。白石市にある鎌先温泉は600年以上の歴史を誇る小さな温泉街で、宿泊した最上屋旅館は風情ある木造建ての老舗旅館だ。県民割のおかげでリーズナブルに泊まることができた。

部屋の奥の窓辺には、小さい机と椅子2脚のスペースがあった。「広縁」というらしい。先日放送されたダウ90000のドラマでもこの空間について触れていた。いいよね広縁。私は広縁と木でできたパズルがある旅館が好きだ。ダウ90000のことは好きなのか嫌いなのか、まだよくわからない。

温泉に浸かって夕飯を食べて、もう一回温泉に浸かって布団に入る。『石子と羽男』を見ながら有村架純は表情が良い。最近特に良い。中村倫也は演技が上手い。というような感想を言い合った。CMに出ていた伊藤沙莉さんを見て、母が「伊藤沙莉杉咲花はいつもワンピースを着せられている」と言った。そうか?と思ったが、そうらしい。背の小さい人は大きめの服がよく似合うのだそうだ。ふ〜ん。

親子水入らずでしっぽり…などはせず、だいたいそんなくだらない話ばかりしていた。一つだけ旅行らしい話といえば、父と母の新婚旅行のエピソードをはじめて聞いた。旅行当日の朝、ノープランで運転席に座った父から「右と左どっちに行く?」と聞かれた母が「左」と答えて熱海に向かうことが決まったらしい。私の行きあたりばったりな性格はここからきていたのか…と妙に納得してしまったし、インターネットもYoutubeもない時代にそういうふざけた企画を思いつく両親のことを、なんだか少し誇らしくも感じた。


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翌日は近隣にある宮城蔵王キツネ村へ。やけに高圧的な受付のおばさんにクレジットカード(キツネの噛み跡でボロボロになっている)をぺんっと投げ出され、「キツネの前に手を出さないでください、噛まれます。しゃがまないでください、噛まれます。キツネの村に人間がおじゃましに来たと思って行動してください。」と注意を受けた。

恐る恐る順路を進む。キツネがそこらじゅうにいて怖かった。そういう村だからそれはそうなんだけど、そのへんに普通にキツネがいる。一帯に漂う独特の獣臭。夏場は毛の生え変わりの時期らしく、毛がシュンとしていて獣獣(けもけも)しかった。10分程度で退場した。母も私も動物が苦手なのだ。何の時間だったんだ。

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9月中旬、フォロワーの人が仙台に来ていることを知り、軽く飲みにいきませんかとDMを送る。こういうとき、断られたらどうしようとか、迷惑じゃないだろうかとかはあまり考えない。自分が誘われる側だったとしてあまり気乗りしなければ「他に予定があって…」とか「メール気付かず寝てました」とか何とでも理由をつけて断れるはずなので、誘うときは勢いでパッと送ってあとは相手に判断を委ねるようにしている。

ありがたいことにすぐに「行きましょう」と返信があり、フォーラス前で合流して適当な居酒屋に入った。「日常の中に意図的にゆらぎを取り入れる必要があるが、それができないのは自分の怠惰である」という話を聞いて「生活の変化は自分で起こそうと思って起きるものでもなかったりする」みたいなことを話した。

突発的な出会いがその後の人生を大きく揺さぶるようなことはなかったとしても、ランダムにイベントを仕掛けていくことがゆらぎのトリガーになる可能性は、ないこともない。フォロワーの人がたまに書く長文ツイートが好きなのでアウトプットすることを続けてほしいと思っている。

 

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いつもサムネが青とか緑なので、無意味に一旦ピンクを挟む

 

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デイリーヤマザキの豆大福が美味すぎるって話

(「スーパーで売ってるヤマザキの豆大福」ではなく「デイリーヤマザキの豆大福」です)

 

9月後半、9泊10日の出張。先月の同じ時期より一気に肌寒くなった。現場によっては長時間トイレに行けなかったり、トイレがあったとしても男女兼用だったりすることは珍しくない。だから自分で何とかできることは極力自分で何とかしたい。出張期間に生理がかぶりそうだったので、スマルナで取り寄せたピルを飲んで時期をずらす。便利な時代です。こんなに手軽に身体のサイクルをずらしてしまって良いのだろうか…とは思うが、産婦人科に足を運ぶことには未だにちょっと抵抗がある。いい加減大人なんだからそういう幼稚さからは少しずつ脱却していこうね。

こういった労働環境の問題は自分だけが我慢すれば済む話というわけではなく、今後現場にもっと増えていくであろう後輩女性のためにも、意見をあげ続けるのは大切なことだと思う。女性の割合が一割以下の職場の中で、こうした問題とどう向き合うか。正直まだあまり考えがまとまっていない。

 

見た映画とか

『セイント・フランシス』

脚本・主演:ケリー・オサリヴァン/監督:アレックス・トンプソン

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34歳独身のブリジットがナニー(子守り)の短期バイトで6歳のフランシスに出会い、交流するうちに少しずつ変わっていく一夏の物語。コメディのテイストを醸しつつ、生理、妊娠・中絶など、女性の悩みや問題に向き合った一作。

年齢的にもいろいろと考えるものがあった。ただこれを見た男性はどう捉えるのだろう。主人公に寄り添おうと努力したけどあっさり捨てられたあの男性はどうすれば良かったのか(何が正解とかではなくて、単にパートナーとして選ばれなかっただけだと解釈しているが…)

重めの話題を扱ってはいるが全体的にライトなタッチで描かれているのでちょうど良かった。絆創膏を貼るシーンでのフランシスの手が小さくてぷくぷくしてて可愛かった。裸のギター侍がキモすぎた。

 

『ブレット・トレイン』

監督:デビッド・リーチ/原作:伊坂幸太郎

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かなりハチャメチャな設定だけど好き勝手やってて面白かった。私はハリウッド映画のトンチキジャパンが大好き。

 

『さかなのこ』

監督:沖田修一
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「好きに勝るもの、なしでギョざいます!」

幼少期のミー坊を演じた子役の演技が上手すぎないのが良かった。

沖田監督:「純粋な子役の中でもさらに純粋な子に演じてもらいたかった。単に演技がうまいということでない撮影現場で純粋さが爆発するような子を探しました。」

「さかなのこ」注目作に引っ張りダコの実力派子役たちが、まっすぐな小学校時代を彩る! - ひとシネマ

 

『NOPE/ノープ』

監督:ジョーダン・ピール

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ずっと意図がわからなくて面白かった。AKIRA見てないけどAKIRAのシーンが一番アガった。『パシフィック・リム』でビルに拳突っ込んで振り子がカチカチなるシーンが大好きなんだけど、そういう「この監督、絶対にここだけは譲れなかったんだろうな〜」と感じる場面が一つあるだけでその映画を見て良かったと思える。考察読んでないから今も全然意味わかってないけど、Gジャンの動きが個人的にツボだった。

聞いてた音楽とか

 

RING ma Bell (what a wonderful world)』Billlie

EP『the Billage of perception: chapter two』6曲全部良い曲です。

Billlieさんの円陣は女子校の体育会系

 

9月は久しぶりに書きたいことがいっぱいあって書ききれない回だった。総じて元気。出張による外食続きで確実に太ったので、10月はちょっと本気出して減量します。