ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2020年10月のこと

腰の高さほどの生垣を撫でながら歩道を歩いていたら、思ったより枝がガサガサで手の甲が傷だらけになっていた。少し経ったらかさぶたになって大槻ケンヂみたいな傷が残った。30過ぎてもそんなことになってしまう自分が情けなくて、でもどこか面白くて、笑ってしまう。一般的に大人はどこでそういった行動から足を洗うのだろう。どのタイミングでファミレスのドリンクバーでコーラとカルピスを混ぜるのをやめるのだろう。好奇心を抑える自制心が足りない。だからと言ってガソリンスタンドで「ガソリンと灯油混ぜちゃおう〜」とはならない。その線引きは何なのか。最近は、そういうことを考えています。

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公園の筋斗雲

 

ポジショントーク

こっちに転勤してからはじめて同期と後輩と飲みにいった。二人とは部署が違うから普段顔を合わせることはないのだけれど、近くに勤務していることがわかって同期がセットしてくれた。大袈裟な表現ではなく、本当に飲み会が0回だったのでなんだか少しそわそわした。誰と誰が結婚して誰と誰が不倫して誰と誰が離婚したという、狭い人間関係の中でおこる地獄みたいな話を「気持ち悪〜」とか言いながら聞いていた。不倫については基本的に当事者間の問題だから、外野がとやかく言うことではないけれど、もっとまともな形で幸せになってくれとは思う。

ビールが無限に出てくるシステム(「飲み放題」っていうらしいんですけど…)に感動してずっとビールばかり飲んでいた。後輩が気を遣って「食べ物食べてますか?」と聞いてくれたが、同期が「この人はビールさえあれば大丈夫だから」と答えていて、そう…でしたっけ…?人と飲むのが久々すぎて自分の飲み方を忘れてしまった。

後輩が結婚を決めた理由を聞いたり、同期が少し前に彼女と別れた話を茶化したりして、「自分は最近どうなんです」と聞かれたので、「自転車で花を見に行ったりしている」と答えたら、二人ともそこまで笑うか?というくらいウケていた。薄々気付いてはいたけれど、自分はこっちで新しく友達をつくる気がない。言葉にしてみてはっきり気付いてしまった。こんなのは氷山の一角で、本当は気付かないふりをしていることがもっとあるのはわかっているけれど、できればスルーし続けたい。

 

探しものは何ですか

飲み会のあと定期券をなくした。上着のポケットに入れていて「落としそうだな…」と思っていたにも関わらずそのままにしていたら案の定なくなった。物を失くすのは日常茶飯事なので、なるほどですねと、やけに冷静な自分がいた。居酒屋とタクシー会社に電話したが届いてなくて、駅の窓口でも見つからなかったので諦めて再発行した。家に帰ったら餅太郎の下から定期が出てきた。居酒屋の会計時にもらった餅太郎を上着のポケットにしまって、家についてすぐその辺にペッと置いていたのだった。

この前はワイヤレスイヤホンのケースをなくした。リュックの前ポケットに入れていて、よく前ポケットが開いていることがあるので、なるほどですねと、またも冷静な自分がいた。スーパーのサービスカウンターと駅の窓口に確認したが届いてなくて、洗濯機の中を漁ってみても見つからなかったのでケースなしで何日かすごした。夜にドラッグストアに行こうとコートを羽織ったらポケットの中からケースが出てきた。物を失くすのが得意で、物を探すのが苦手なんだと思う。

 

惰性のポテンシャルを高める

キャンプのブログは「ソロキャンプ 初心者」とかで検索してくる人が多いと思うから、なるべくキャンプに関係ないことは長々と書かないようにしたんだけど、先月の日記に書いたようにキャンプ行くまでに結構行くか行かないか、行って虚無にならないかとか面倒くさい葛藤があった。行くと決めたのも100%までゲージがたまって行ったわけではなく、結局当日の朝までは60%くらいの気持ちでいた。行ったら行ったで何とかなったので日頃から、あるいは元気なうちに惰性のポテンシャルを高めておくのが大事だなと思った。孟子曰く「水は低きに流れ、人は易きに流れる」であり、エネルギー保存の法則で言うところの位置エネルギーを高めておくという話なのですが。先に外堀を埋めてしまうのが吉。

 

キャンプに行く前にニッカウヰスキーの工場見学

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「蒸留したばかりのウイスキーは無色透明であるが、樽の中で5年〜20年熟成されることで樽の色がうつって琥珀色になる」という話がへぇ〜という感じで面白かった。

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仙台市青葉区ニッカ1番地にニッカウヰスキーの宮城峡蒸留所がある。ウイスキー製造に使う水を新川川(ニッカワガワ)より採取している。ニッカと新川の音が似ている偶然に、創業者で当時の社長の竹鶴政孝が驚いたという逸話がある。

  ーWikipedia

 すごい偶然。

 

観た映画

星の子

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宗教を否定するでもなく肯定するでもなく、「信じる」とはどういうことか考えさせられる映画だった。というと薄っぺらい感想になってしまうのだけど、本当に考えさせられる映画だった。宗教に傾倒する両親、家を出ていく姉、両親と距離をとるよう勧める親戚、偏見と嫌悪を露骨に示す教師、何の偏見もなく接してくれる友達、登場人物それぞれに正義があり、それを信じている。高良健吾黒木華の演技が怪しげで良かった。芦田愛菜さんの好演は言わずもがな。

親友"なべちゃん"の立ち振る舞いが印象に残っている。言葉で示すのではなく、「ただそばにいる」ことで伝わること。

自分の話になるが、以前、両親に憎悪を抱えて生きる人に「自分は平凡な家庭で育ったからわからないし共感できないけれど、私もみんなも今の君が好きで一緒にいるのだから関係ないよ」と、ほぼ原文まま(「君」という呼び方以外)伝えてしまったことを今も後悔している。何と言えばよかったのかずっと考えていたけれど、「何も言わない」という選択肢が自分の中に1ミリもなかったこと自体間違っていた、相手のことを何も思えていなかったのだと気付いてすごく落ち込んだ。憎んでいても親は親であり、「関係ない」は最低だった。

 

読んだ本とか漫画とか

A子さんの恋人 / 近藤聡乃 

A子さんの恋人 7巻 (HARTA COMIX)

A子さんの恋人 7巻 (HARTA COMIX)

 

最終巻、泣いちゃったな〜

「私は全然かわいそうじゃない」

 

タコの心身問題 / ピーター・ゴドフリー=スミス(著), 夏目大(翻訳)

著者が哲学者であり、タイトルもロマンチックなのでそういう本かと思ったけど、割と生物としてのタコの話だった。前半は生物の進化の過程とか、細胞や神経の伝達についても科学的かつ文学的に書かれていて面白かった。

 

聞いてた音楽 

自分で組んでるから当然なんだけど、10月のプレイリストかなり好きだな〜

 

『GAL-TRAP』安斉かれん

平成のJ-POPという感じで懐かしい。イントロとか音のつくりがコモリタミノルっぽいんだよな〜(調べたらコモリタミノルではなかったのですが)コモリタミノルっぽいコモリタミノル作品はSMAPの『らいおんハート』とかBOAの『コノヨノシルシ』とかFolder feat.DAICHI『Everlasting Love』とかです。

 

The Age / Gotch

私自身も訃報を受けてすごくショックで、どうにもやりきれないな…となっていたタイミングでこの曲が発表されて、これがゴッチの追悼の意だったんだなと思ってボロボロ泣いた。この世は生きるに値する Life goes on.

 

10月のまとめもぼんやりしているな。寒くなってくると気持ちが落ち込みやすいから暖かくして過ごそうね。 おわり