ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

2020年12月のこと

「去年と同じ服を着ていたら 去年と同じ僕がいた」

サカナクションの『ナイトフィッシングイズグッド』を聞くと、果たして本当にそうだろうかと考えてしまう。去年と同じ服を着ていても去年の私とは違うよな。2020年は特にそういう年だった。

2020年のことは2020年のうちにまとめようと思ってたのに、いつの間にか2021年だ!新年あけおめ〜〜〜牛牛牛

 

いつかのメリークリスマス

夜自転車を漕いでいたら偶然通りがかった花屋のネオンがアーバンだった。

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ライトの配色、ネオンのフォント、怪しく照らされたネコの置物。すべての構図が完璧だ。

 

ケーキ屋のネオン
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金色のアルミに包まれた焼き菓子を買った。

 

ラブホのネオン
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雪の降る12月25日、ジムの帰りに撮った。特に自虐的な要素はない。花屋のネオンを見るのと同じようにラブホのネオンを見ている。4年前のクリスマスは香港にいたことを思い出していた。いつか街中のネオンを集めてZINEつくるんだ…

 

今月のガチンコボクシング

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蓋を開けてみれば言わんこっちゃない。ほとんど毎日通っている。日によっては30分とか40分しかできないときもある。感染対策のためマスクをしたまま限られたメニューをこなしている。

ボクシングを休んでた期間は帰宅したら自炊したり、掃除したり、テレビを見たりして過ごしていた。そういう生活をここ数年間してなかったから、これはこれで良いのかな〜なんて思っていたけれど、徐々にそれにも飽きて、暇過ぎて、なんか本当に、だめだった。ボクシングを再開したところで生活が鮮やかになったかというとそんなこともなく、「家と職場の往復」が「家と職場とジムの往復」に変わっただけかもしれない。

6月からボクシングを始めたという大学生に、なんでボクシング?と聞いたら「強くなりたくて」と言っていて、すごく良かった。強くなりたいよね。

悩んでいたライセンスの更新は結局しなかった。正直今は自分を支えるものが何もなくなってしまうのが怖い。「こちとらプロボクサーだぞ」という、言葉にしたことはないけれど、切り札というかお守りみたいなものだったから、ちゃんと立っていけるか不安ではある。100%納得しての決断ではないけれど、プロボクサーが元プロボクサーになるだけだ。大丈夫。大丈夫だって言ってくれ〜!

 

デジタル鳥居

125日前、ディアウォールの記事のコメント欄に鳥居を建てた。誹謗中傷対策のために「⛩」の絵文字を打ったのだ。以降、批判的なコメントはつかなくなった。

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偶然見つけたアナログ鳥居

インターネットで特定の個人が叩かれているのを見ると今でも心が痛くなる。みんなが叩いているから叩いて良いみたいな考え、本当に浅はかだからやめたほうが良い。誰もが簡単に加害者になり得るということ、戒めとしても絶対忘れないでいたい。

 

替え歌たちの鎮魂歌(レクイエム) 歳末大市

かえってきた不人気コーナー!脳内でよく歌う替え歌とそれに対する自問自答。盆と正月くらい景気よくいこう。

#もろびとこぞりて / 賛美歌112番 

シュワキマセリ〜シュワキマセリ〜〜シュウワッア〜シュウワ〜アア〜キマセリ〜〜

→「主はきませり」てさぁ〜〜子供はシュワキマセリわからんだろ〜〜〜

 

#ドナドナ / 童謡

つらつらつ〜ら〜つぅら〜〜〜子牛を乗せて〜

無理無理無〜理〜無ぅ理〜〜〜荷馬車が揺れる〜(終)

→2020年ずっとつらかったね…牛年は楽しくいきたいね…

 

#Head, Shoulders, Knees and Toes / 童謡

ヘッド、ショルダー、膝、トン、膝、トン♪

 

#もう恋なんてしない / 槇原敬之

もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対〜なんて言えるのかい本当に〜

→タイトル『もう恋なんてしない』なのに本編で「なんて言わないよ絶対」って裏切られるの毎回ビビる

 

#Sex On The Beach / Spankers

Sex Sex Sex on the Bed !

Sex Sex Sex on the Bed !

 

以上になります。もう1個替え歌あったんだけど、メモしてなかったから忘れちゃった。残念だなぁ…抱腹絶倒の面白いのがあったんだけどなぁ…というわけで多分半年後くらいに懲りずにまたやります。

 

読んだ本とか漫画とか

私をくいとめて / 綿矢りさ 

私をくいとめて (朝日文庫)

私をくいとめて (朝日文庫)

 

自分と重なる部分が多くてぐさぐさ刺さった。地味に最後の鍵のドタバタが一番わかる。

「自分が独りぼっちだって、気づいちゃいけないの?」 

「気づくのはしょうがない、でもうまく逃げて。変に意識しない方がうまくやれます。普段意識せずにまとわりつかせるだけならいいですが、意識したとたん、どうやってこんな深い海で泳いでいたんだろうと息苦しくなって、なにもかも不自然な、ぎこちない動きになって溺れてしまいます」

主人公みつ子は脳内の「A」と会話を繰り広げるが、もう一人の自分と会話するのって、自分はあまりしないなぁ。『ソラニン』の種田は脳内に自分が何人もいて、ミーティング形式で各々好き勝手に主張していたな。私の場合、例えば元気ないときは土屋アンナがバイクに乗って現れて「何シケた面してんだよ」って喝を入れてくれたり、仕事で理不尽なことを言われたときに、もう中学生が現れて「ためになったね〜ためになったよ〜」と言ったりする。他の人の脳内はどうなってるのか聞いてみたい。

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(出典若者たちのリアル。『ソラニン』を読んで憧れ、共感し、そして自分が大人になったことを感じた話 | まんが王国ラボ)

 

イルカも泳ぐわい。 / 加納愛子

イルカも泳ぐわい。

イルカも泳ぐわい。

 

Aマッソ加納さんのエッセイ。大天才。脳内どうなってるんだろう。現実と空想の境界を違和感なくスムーズに行き来する感じがすごい。浮遊感の中にキレがある。こういう文章を書きたいなぁというお手本みたいな一冊。

 

 私の嫌いな10の人びと / 中島義道

私の嫌いな10の人びと(新潮文庫)

私の嫌いな10の人びと(新潮文庫)

 

fmmzk(id:fmmzk) さんが以前Twitterで紹介していた本。fmmzkさん、何と読むのか永遠にわからない。私はfmmzkさんの配偶者(奥さんと呼ぶのも妻さんと呼ぶのも違う気がしてこうなった)が好きなのです。いいな〜私もfmmzkさんの配偶者と結婚したかったな〜とか軽率に思う。ブログの中にリアルな会話は出てこないのに、淡々と綴られる生活の記録から二人とも只者じゃない感じが伝わってくる。美味しんぼってそんなに面白いんですか。

さて、本の感想。うはは、この爺、好き勝手生きてんなぁ〜って感じで面白かった。身近にいたら嫌だろうな。唯一、著者を師として慕っていたK君の自殺に対する感情が、ものすごく素直で心に響いた。

とにかく私は悲しいのです。泣いてしまい、涙が出てしまうのです。この事実だけがごまかしようなくある。とすればそれでいいのではないか、と思うようになった。

(第4章「いつも前向きに生きてる人」- 泣きたいときは泣けばいい)

 

季節はいつも思わせぶりで / 三輪亮介

ミワさん(id:miwa19940524)の緊急事態宣言前後の日記。在宅勤務となった日の、何もしなさに救われた。高架を走る夜の銀河鉄道、金髪でピンクのジャージの女性がママチャリを漕ぐ姿。北関東を思わせる二つの風景が、コントラスト鮮やかに瞼に浮かぶ。

 

 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(10) / 浅野いにお

地球がクソやばい!なのに日常は変わらず平凡で…みたいな世界観がいよいよ現実になったのが2020年だったなと思う。 

 

観た映画とか 

アンダードッグ 前編・後編

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このシーン、森山未來がリングで煙草吸う姿は渋くてサマになるんだけど、北村匠海がそれいいの?的なことさらっと言っていて、お、と思った。

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別のシーンでも言っている。あくまでさらっと言うのが良かったな。

『百円の恋』の製作陣が再集結!ということで絶対に見に行こうと決めていた本作。百円の恋の一子は失うものが何もないからこそ最強で、誰のためでもなく自分のために戦うのに対し、アンダードッグのボクサーたちには、守るべき家族だったり男のプライドをかけて戦う。何のために戦うのか、その違いが面白かった。前編の助演男優賞山本博勝地涼の光と闇も名演。後編はジムの前で対峙した二人がそれぞれ反対方向へ走り出すシーンが印象的だった。

 

THE CROSSING 〜香港と大陸をまたぐ少女〜  

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香港と深圳を行き来する少女がiPhoneの密輸に手を染める話。印象的なシーンで一時停止してベース音がなるのが結構意味わかんなくて面白かった。背景として香港と深圳の関係がよくわかっていなかったので、パンフレットを読んでやっと理解した。越境児童に関する解説は下記サイトでも詳しく触れている。

「THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女」越境児童、未婚の両親、iPhone密輸の背景を徹底解説 : 映画ニュース - 映画.com

香港のシーンは手持ちカメラで不安定さや騒々しさを表現し、深圳のシーンは固定カメラで落ち着いた雰囲気を表現したという。香港のむわっとした雰囲気が鮮やかに描かれていて、また香港に行きたくなった。 赤い照明の下で体にiPhoneを巻きつけるシーンが、やけに官能的で良かった。

 

私をくいとめて 

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(よければTwitterフォローしてください〜)

以下ネタバレあり

みつ子とノゾミさんの会話が特に好きだった。給湯室でみつ子がノゾミさんに真っ直ぐ気持ちを伝えるところ、築地本願寺の前でノゾミさんが「嫌いな人の話はしなくていいじゃん」って言うところ。これ本当に、そう思う。それから「人間なんてみんな、生まれながらのおひとり様なんだよ。人といるためには努力が必要」という真意をついた言葉。

原作と違うところで吉住さんが吉住本人として出演していたのがすごく良かった。あのシーンに大九監督の思いが詰まっていた気がする。岡野陽一さんいい味出てました。機内で流れる『君は天然色』の華やかさ。ファッションやインテリアも凝ってて良かった。パンフレットは大ボリュームで900円。在庫あれば絶対買いです。

 

ハッピーオールドイヤー 

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『バッドジーニアス』の監督と主演が再びタッグを組んだ断捨離ドラマ。ストーリーも演出もバッドジーニアスとは毛色が違い、全編通して淡々としている。兄貴がいいヤツでかっこよかった。『シング・ストリート』もそうだけど、兄貴がかっこいい映画は良い。主人公は最後まで身勝手だったけど、断捨離で人生が変わるものかという逆張りの意図が感じられて良かった。こんまりが劇中「天使の羽根をつけた悪魔」と呼ばれていたのは笑った。

 

聞いてた音楽とか

モテる努力をしないとモテないゾーン / グループ魂

2020年12月30日に解散、2022年新春に再結成を発表。今回のアルバム『神々のアルバム』は本当に神がかった1枚なので是非とも通しで聞いてほしい。既存曲へのアンサーソングが多く、『モテる努力をしないとモテないゾーン』は『モテる努力をしないでモテたい節』のその後、『Over 50 めんどくさい』は『Over 30 do The 魂』の約20年後、『平成の記憶がない!』は『High School』のリメイク版みたいなもんだし『助演男優賞』はこの人たちいつまで『大江戸コール&レスポンス』やってんだって感じで大歓喜バンテリンゲームは萬田、久子、痩せてる、萬田、久子、痩せてる、萬田、久子、脚長い*1(『ぱっつん3』萬田久子ゲーム)の再来なんですよね…語り出したら止まらなくなりました。グループ魂、最高に下品で大好きです。

 

NEWS - ビューティフル [Official Music Clip (short ver.)]

第4回一般女性1万字インタビューの一般女性(id:yokantokiroku)が初回限定盤CDを送ってくれました。『ビューティフル』はイントロから既に良い曲で、繰り返し何度も聞いている。『チンチャうまっか』みたいな曲を、界隈ではトンチキソングって言うんだ…という学び。インターネットで出会った人とこうやって今も関係性を保てていることが私はとても嬉しいのです。お返しに仙台の洋菓子店のケークシトロンを送った。布教DVDの効果で最近は増田くんが気になるようになりました。

 

2020年の総括的なことも書くつもりだったけど、長くなったからやめにします。一言でいうと全部だめだった。人間関係ではいろいろ思うところがあったけど、しばらく距離を置いた方が良いかもしれない。嫌なことは書かなくて良いや。それよりも数少ない親しい友達や、仲良くしてくれるインターネットの人たちとの関係を大事にしたい。緊急事態宣言が出された頃「次友達と会ったら泣いちゃうね」とか言ってた人たち、どうせみんなもう会ってる。会ってないの私だけ。次友達と会ったら本当に泣いちゃうね。

2021年、希望的観測は既に捨てていて、生きる意味とか特にないけれど、楽しそうにしてたらそのうち良いことあるって信じたい。年末ハイライト、紅白の『うちで踊ろう』全然ちゃんと聞いてなかったよ〜もう一回見たい。M-1は全組最高だった。マヂカルラブリーのアナザーストーリー全員見てください。空気階段のラジオはびっくりした。人生だ。

「別居があっての離婚ってことですね?じゃあ今はもうシーズン3っていうことですね」

「もう終わらせてくれ。何が起きるんだ、なんか俺イベント多いんだけど人生に。なんか多くない?こんないっぱいあると思わないんだけど。

婚約してフラれると思わないしさ、そっから復縁するとも思わないしさ、そっから公開プロポーズするとも思わないしさ、そっから11ヶ月で離婚するとも思わないじゃん」

「それ全部お前が勝手にやってることだから」

(2020/12/19 『空気階段の踊り場』)

対照的に『シンクロニシティの録音ラジオ #38 人生は変わらない話』での、「もう知ってないですか?正直、準々決勝でどれだけ人生が変わらないか」に対する吉岡さんの

「そんな簡単に変わってたまるか」

も超ロックだった。

人生は変えようと思っても変わらないし、何もしなくても変わるときは変わる。なるようにしかならないよ…ということで、本年もよろしくお願いします。

*1:訂正:正しくは髪長い