ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

第4回 一般女性1万字インタビュー

Iさんからメッセージが届いたのは2月末のことだった。

From: Iさん
突然メッセージすみません。ブログを拝読させていただいているI(仮名)と申します。〇〇線沿い在住の32歳女です。1万字インタビューを読ませていただいて、ご迷惑を承知で送っています。本当に勝手な上、見ず知らずの者を取材されることもないとは思いますが、インタビューをしていただけないかと思って連絡致しました。
なんだか固くなってしまってごめんなさい…よろしければブログをお読みください
https://△△△.hatenadiary.jp
もし連絡されるときは□□□@gmail.comに…。失礼します!

突然の依頼に困惑しながらも、割とすぐに返信した。

From: gameboyz
すみません、突然でしたので正直、まだどうしよう…と思いながら返信させていただいております。
一方で、イメージしたときに「なんだか面白そう!」と、既にわくわくしている部分もあり、ついては、もう少しなにかしらの情報をいただけないでしょうか。

From: Iさん
32歳女性以外の情報ですが、12月から〇〇区に住みはじめたばかりです。茨城から東京に引っ越してきて入籍しました。それまでは茨城在住で、県内で一度一人暮らしをしましたが、県外に出たことはなく。今は仕事していませんが、地元の大学を卒業してからは製造業の事務をしていました。趣味は映画鑑賞とか読書、たまにライブ、ごくたまに登山です。

From: gameoboyz
実は私も〇〇区民なので驚いています。意外とさくっと実現できそうな気がしてきました。
1万字インタビューの流れを簡単に説明させていただきます
(以下略)

 

数回のメールのやりとりの末、「一般女性が初対面の一般女性にインタビューする」という奇妙な企画がスタートした。

 

一通りの挨拶を交わし終えた頃、注文していたお茶が運ばれてくる。

Q:すみません、写真だけ良いですか?

I:そういうお仕事されてるんですか?

Q:いや、内輪ではじめた遊びで…勝手にメモとっていくので、気にしないで喋ってください。

I:こういう感じなんですね。

Q:録音なしで、アナログでやってます(笑)

f:id:GAMEBOYZ:20190317140607j:image

 

Q:東京に出てきたのは最近でしたよね?

I:去年の12月から。向こう(旦那さん)は前から東京で働いてて。地元が同じで、一昨年に同窓会があって、そこで再会して、です。昔から仲が良かったわけでもないのですが

Q:連絡は取り合ったりしてたんですか?

I:連絡は取ってなくて。同窓会で再会したときもそんなにしゃべってなくて、何人かで連絡先交換して、近いうちにちょうどライブで東京に行く予定があったので、じゃあ東京で2人で会おうってなって。

Q:何のライブですか?

I:赤い公園

Q:石野理子ちゃん!

I:新しく入った子ですよね。そのときは前のボーカルのラストライブをZeppに観に行きました。彼と一緒に観に行ったわけじゃなかったんですけど、ライブの前にヒカリエでご飯食べて、表参道でお茶して、HUB行ってお酒飲んで…

Q:めっちゃデートですね。お酒は強いですか?

I:そんなに強くはないけど飲むのは好き。相手もそんな感じです。1回目会ったとき、私は初対面とかだと結構上げめでいくんですけど、向こうからはあまり話してこないから「楽しいのかな…」と思ってました。ただ、お茶行きたいタイミングとかはお互い合ってたので、その辺はスムーズだなぁと。

Q:趣味は合いますか?

I:ところどころ合う、みたいな。何かのオタクとかではなくて、家でたまにゲームするくらいですね。

 

突然降ってきた転機

I:婚活はめっちゃしてました。

Q:その話詳しく聞きたいです。

I:27歳のときに3年付き合った彼氏がいたんですけど、私すごい「違う…」って思ってて、趣味が映画というのは合ってたんですけど、ずっとなんか「違う…」って思ってたんですよ。向こうは結婚したかったみたいで、私も歳も歳だし...でも別れたい...っていう状態が1年以上続いてて

Q:転機があったのはいつですか?

I:最初に勤めてた会社で当時の上司から提案されて、インドネシアに半年行きました。

Q:それは環境を変えたいとか、状況を打破したいみたいな思いから?

I:そういう提案されたときって、断れる人と断れない人がいると思うんですよ。私はどちらかというと断れないタイプで、言われたら行かなきゃ…みたいな。だから行く前はそんなに行きたくなかった。

Q:でもいきなり「インドネシアに単身」ですよね?

I:日系の企業だったから、現地の日本人にいろいろ手配してもらったりはしました。行く前に日本でインドネシア語の講座を2週間くらい受けたんですけど、仕事は基本英語だから、インドネシア語は日常会話くらいですかね。発音もそんなに難しくなくて、世界で2番目に簡単な言語って言われてるんですよ。

Q:へぇ〜そうなんですね!

I:インドネシアに行く前の上司はパワハラ気味で、ちょっと気難しい女の子がいたんだけど上司と対立してたので、その子に仕事与えずに全部私に振ってきて…仕事量的には全然大したことなかったんだけど精神的に病んじゃって…彼氏とも上手くいってなかったし…

Q:彼からは反対されませんでした?

I:反対はされなかったかな。どんな話をしてたかも正直そんなに覚えてなくて、「インドネシアに遊びに行きたい」って言われたのも電話だったかな、日本で言われたのか現地に行ってから言われたのか…その辺もあまり覚えてない。

日本に帰ってきてからプログラムで一緒だった人たちと集まることが結構あって、やっぱりそういうのに参加するくらいだから、皆コミュ力高い人たちで、その人たちと出会ったことで世界が広がった感はあった。

 

つきまとう閉塞感

I:それまでは本当に重苦しい世界で生きてて、昼休みは暗黙のルールで女性は会議室でお弁当食べるんですけど、気難しい子が2人いて、一応同じテーブルで食べるけど2人は全然しゃべんない…みたいな感じで、空気は重かったですね。

Q:外に出て食べたりしないんですか?

I:近場で食べるところもあまりないので会議室でした。男性は自分の席で食べてました。12時の10分前には上司にお茶出しする。みたいなことも仕事でした。

Q:えー…

I:中小企業そういうのあるんですよ。昼休みは45分で、そのかわり定時も早くて16時45分。通勤は実家から車で10分くらい。一人暮らしはしたかったけど、近いとその必要もないし。会社も辞めたいけど何も身についてないし彼氏もあんなだし…って、26歳~27歳は八方塞がりでした。インドネシアに行ってからも仕事は散々だったけどいろんな人と知り合えて楽しかった

帰国して彼氏と1回デートしたけれど、そのあとLINEで別れました。結婚となるとしっくりこなかった。精神的に病んでたときに励ましてくれたりしたんだけど、なんかしっくりこなくて、ほんと申し訳ないんだけど、なんか違うなって。

 

婚活奮闘記

I:そこから婚活をはじめた。大学の友達に知り合いが多い子がいて、その子に飲み会誘ってもらうようになって

Q:それまで合コンとかは行ってました?

I:地方の大学だったから合コンとかは…あったのかな?行ったことはなかったです。飲み会に行くようになって、喋る話題は増えたと思う。もともと喋るのが苦手で、学生時代は映画サークルだったんだけど、映画を介してしか会話できなかった

Q:ヤバいやつじゃないですか(笑)

I:そう、だから飲み会を通して苦手を払拭できたというか。お互い初対面同士だから気負わず喋れた。中身のなさが逆に良かった。それまでは何をしゃべって良いのかすらわからなかった。

 

はじめての一人暮らし

Q:転職は東京にしようと思ってましたか?

I:一人暮らしをしてみたいとは思ってたんですけど、東京に一人で住む勇気がなかった。転職先は実家から30分くらいのところで、そこではじめて実家を出て、28歳で一人暮らし。生活力が全然なくて…。料理はまあなんとか。家電は中古、ベッドは実家からそのまま持ってった。

Q:一人暮らしはどうでした?

I:意外と快適。家事はそんなに苦じゃなかった。ただ、今思うと一人はちょっと苦手かな。そのときはそんなに思ってなかったけど、一人でいるとやっぱ、なんか、落ち込むかな…。

Q:落ち込む、というと?

I:なんか、ずっと、彼氏できないな…って(笑) サークルの同期とか、周りが続々と結婚して、2ヶ月連続で結婚式出席したりとか。ピークでしたね。なんかすごい病んでた。

Q:結婚願望はずっとありました?

I:25歳くらいからかな。長女だし従兄弟とかもいないから、早く親に孫の顔見せたいなって。

 

ここで一旦休憩を挟む

I:すごい一気にしゃべってますよね。このあと会社休んだ話と、ある男にひっかかった話があるんですけど…

Q:なんですかそれ(笑) めっちゃ聞きたいです。

 

会社休んだ話

I:転職先では総務だったんですけど、前の会社と違って採用もするし会議のセッティングしたりとか、正解がわからないタイプの仕事というか、任されてあとは自分で開拓しなさいみたいな仕事が自分には合わなくて。そういう自由な仕事ができない人間はダメだ、一人前じゃない、みたいに勝手に考えてて…。結構とんちんかんなことやってんなってのは自分でもわかってて、上司からもそう見られてるのもわかってた。そしたら年明けに体が動かなくなって、「行けないな」って思って5日くらい休んだ。年末にスマップが解散発表した頃。

Q:なんかもう世紀末じゃないですか。

I:その時期は寝たり、ご飯食べたりはできたんだけど、会社が近かったから気が休まらなかった。5日経って出勤して「すみません」って謝って、辞めたかったけど、そこで辞めたら後味悪い…?じゃないけど、とりあえず通ってた。

そのあと異動があったんだけど、それがまた結構しんどい条件で、午前と午後で違う部署に回されて、前の部署でやってた仕事も普通にやらなきゃいけないし…。異動先は100%女の人で性格的にも結構キツい子が多くて、辞めたいと思いながらも「前の職場も辛かったけどなんとかなったしなぁ」とか「結婚もしてないし」とか考えたりしてて。

そのとき上司に「今の部署にいたくないんだよね?」って言われて、そこで「あ、今仕事に本腰入れてないな」って気付いて、そこはちゃんとしないとって思うようになった。そしたら周りもウェルカムモードになってきて。その時期は友達にも散々「辛い」とか言ってた。今思うとすごくありがたい

 

婚活再燃期

Q:そのあたりから婚活も再開したんですか?

I:異動になってからは定時に帰れたから体力的には余裕があって、楽天O-netに登録しました。地元で登録してる人がそもそも少ないので、条件は絞らずにとりあえず会員リストの中から相手を探す感じで。相談所に行って紹介された人とそこから歩いてすぐのパスタ屋さんに一緒に行ったりしました。地元では結構有名なお店なんですけど、相手は知らなかったみたいで。職場でも誰ともしゃべってなさそうな人で、会話もあまり弾みませんでした。

Q:会費も払うんですよね…

I:最初1ヶ月は無料で、そのあと初期費用として10万くらい。払いました。「お守り」というわけじゃないけど、なんかしてないと不安だった。2人くらいと会ってやめました。

 

ある男にひっかかった話

I:引き続き飲み会に誘われたら行くようにはしてて、「今度遊ぼうよ」って言ってくる男の人がいて、2人で会う前に1回自撮りの写真が送られてきたんですけど

Q:おっ…

I:その自撮り、なぜか後ろに牛が一緒に写ってて(笑) しかもその直後に電話がかかってきて、怖いなって思ってブロックした。けど友達と妹に見せたら「会ってみてもいいんじゃない?」って言われて...、会う前から既に違和感はあったんだけど、会ってみたら意外と話盛り上がったりして。

2回目会ったときに「家行きたい」って言われて、断る理由もないから家にあげちゃって…ピアス触ってきたりしたから一応拒否って、とりあえずその日は帰ってくれって感じで追い出して、そのあと何回か連絡シカトしたけど、また会ったときに「じゃあ付き合うか」って言われて、彼氏いなかったから付き合って

Q:付き合ったんですか…!

I:あまり考える余地を与えてくれなかった。告白もしてくれたし、まあいいのかな…って。でもご飯行こうとかどっか行こうとかもなく毎回家に来たいっていう人で、こんな人いるんだ…って思って別れました。悲しいから泣いた。好きではないけど別れるときは悲しいもんだなって。

 

予期せぬところに良縁が

I:(旦那さんと再会した)同窓会には何も期待しないで行った。30歳になる年でみんな結婚してると思ってたし、落ち込むとこまで落ち込んでたから。LINEのタイムラインに「ここから良いことしかない!」って書いてた。誰からもイイね!もらえなかったけど(笑)

同窓会で(旦那さんと)連絡先を交換したのも「ここで繋がったらまた遊びに行けるのは良いな」くらいの感じで。合コンとかで出会った人って、関係性が続かずにそこで終わっちゃうじゃないですか。それって効率悪いというか、もったいないなぁ、じゃないですけど。

Q:再会から交際まではスムーズでした?

I:3回目のデートの帰りに「好きなんで付き合ってください」って告白されて、「私も好きなんで付き合ってください」って答えました。

Q:わ~いいな~!

プロポーズされたときはどんな気持ちでした?

I:泣いちゃった。嬉しかったというか、感極まったというか、なんでもっと早く言ってくれなかったの?という感情も含めて。

Q:婚活を振り返ってどうでしたか?

I:「出会いがないんだよね」って言ってるより、恥ずかしがらないで「結婚したい」って言っていった方が良いような…、なんか、でも、難しい。難しさもある。「結婚してない人も落ち込んでる人ばかりじゃない」っていうのはわかるから。ただ自分は結婚してなくて落ち込んでる自分が嫌だった。自分の場合は今の人だったから良かったと思うけど他の人のことはわからないので…。婚活は無駄といえば無駄だったけど、当時は動いてないと不安だったから、気持ち的に落ち着いたのは良かったかな。最終的にはご縁だなって思う。

Q:出産とかは考えてますか?

I:今は2人の時間を楽しみたいなって思ってて、そういう話はしたこともない。けど向こうは子供好きそうだし、欲しいなとは思ってる。聞かないと何も言ってこないから、最近は聞き出すのも慣れてきた(笑)

Q:今は転職活動が最優先ですか?

I:行動してないと落ち着かないんだけど「落ち着いてからで良いよ」って言ってくれて。働くにしても社員が良いかなって思ってたんだけど「パートからでも良いんじゃない」って言ってくれて。

Q:わ~~めっちゃバランス取れたお二人ですね。

 

生い立ちダイジェスト

幼稚園:チラシで剣つくったりして遊んでた。細~く細~くして。あとは手裏剣つくったり。

小学校:トマトが出てくる4コマを描いて友達に見せてた。ピーマンが敵役。クリエイティブ思考が強く、漫画家になりたかった。作者のインタビューが好きでよく読んでた。インタビューされたい願望はその頃からかも。自意識過剰(笑)

中学校:美術部。絵はほとんど描かないで友達としゃべってた。浜崎あゆみとか宇多田ヒカルとか、Mステのランキングに入ってるような曲をTSUTAYAから借りてきてカセットテープに録音してた。

高校:弓道部。音楽は中島美嘉とかLove Psychedelicoを聞いていた。

大学:映画サークル。宇多丸さんのラジオをずっと聞いていた。一番好きな映画は是枝聡監督の『歩いても歩いても

 

ミーハーな話題

Q:話題を変えますがテレビは見ますか?

I:最近好きでよく見てるのは『ウチのガヤがすみません!』とか『ネタパレ』『スクール革命!』とかですね。

Q:スクール革命…?

I:Hey!Say!JUMPとウッチャンが出てるバラエティです。

Q:ジャニーズお好きなんですか?

I:NEWSが好きで、去年はじめて札幌ドームのコンサートに行ってきました。

Q:ジャニオタの友達も「札幌なら取れる」って言ってました。

I:そうなんですよ。妹がファンクラブに入ってて、それでチケット取ってもらって。

Q:誰推し(担当?)ですか?

I:コンサート見るまでは全員好きだったんだけど、実際見たら手越くん!ファンサでこっち見てくれて…!

Q:それみんな「今絶対こっち見た!」ってなるやつですね(笑)

I:妹も私もはじめてのコンサートだったので、うちわとペンライト持ってこんなん(ガッチガチ)でした(笑)

 

ブライダル準備

I:9月に結婚式をするので、1月に式場を決めて、ウェディングドレスは3回見に行って昨日決めてきました。今はカラードレスを選んでるところです。式場の決め手は値段が比較的安かったこと、営業が落ち着いていたこと、チャペルの雰囲気が良かったこと。

Q:やっぱり費用はかかりますか?

I:最初の見積もりで230万。いきなり300万から出してくるところもある。最低限がそれで、オプションでそこからどんどん上がっていく感じです。最近知ったんだけど、どんなに早く式場を決めても、打ち合わせが始まるのは式の3ヶ月前くらいからで

Q:あれ、そういえば指輪はされてないんですね。

I:所謂ダイヤのついたパカーンってする婚約指輪は貰ってなくて、結婚指輪を2人でつくりにいった。お店の人も「最近は婚約指輪買う人は4割くらい」って言ってました。結婚式で指輪交換するまで別にはめてても良いんだけど、式の前にクリーニングしなきゃいけなかったりするみたいで、これも最近知ったことなんだけど。

Q:じゃあプロポーズは指輪じゃなくて花束とかですか?

I:全然、家で、私もテキトーな格好してるときで(笑)

Q:あ~でもなんかそういうの良いですね~

 

〜 Fin 

こうして初対面の一般女性1万字インタビューは終了した。どうしても毎回雑な締めくくり方をしてしまう。

 

↓以下Iさんによる原文まま掲載

【プロフィール】

茨城県生まれ、32歳。地元の大学に進学後、映画サークルに入り制作に熱中する。東京の企業への就職と上京を試みるも失敗し、地元の企業に事務職で就職。休日に写真や脚本の講座に行く。20代後半でようやく美容や出会いに興味を示す。4年勤務後、転職。

転職後、仕事が合わず異動になったり、婚活に難航して、落ち込む。昨年夏退職し、年末に入籍と引っ越しをし、東京に住み始める。

性格はマイペース、欲張り、心配性、比較的温厚。人からは感情が表に出ない、恋愛に興味がなさそうと言われる。最近の趣味は映画鑑賞、読書、ライブに行くこと。

 

【感想】

私はこのブログの一読者だ。内容が面白く共感することも多く、更新楽しみにしていた。特にインタビューの企画は面白いと思っていた。

元々インタビューを読むのが好きだった。有名人でなく一般人のインタビューが読んでみたい。一般人こそどう考えどう生きているのかが面白いのではと昔から思っていた。このブログを読んだとき、おお、これが読みたかったものだ、と思った。

第3回インタビューを拝読後、私もインタビューされてみたいと思った。理由は、実のところ昔から一度インタビューされたいという気持ちがあったからだ(この件はアホすぎて本文で使われると信じている)。また、個人的に一段落した時期だったというのも理由のひとつだ。お会いしたこともない方で、頼む内容も内容なのでしばらく考えたが、思いきって連絡させていただいた。しかし、連絡した後に友達同士でやっている感じだと気付き、ちょっと後悔した。

自分で指定した店に先に着いたのだが、その店に行くのははじめてで、小さくて静かな店で私しかおらず、かなり緊張が高まった。ここでよかったのか‥と動揺していたら、店直通のエレベーターの音がして彼女が現れた。

ボクシングをやっていらっしゃることと、メールの感じから、ボーイッシュな方を想像していたが、とても柔らかい雰囲気の可愛い方だった。声がめっちゃ可愛い。

挨拶した後、呼び立ててしまってすみませんと伝えると、「やむっちゃ面白いと思います!」と言われて少し安心した。挨拶もそこそこにメモを出してインタビューがはじまった。聞き方も慣れていたので本物の記者かと思った。

ブログ主さん*1は好奇心旺盛で、フットワーク軽そうだと想像していたが、お会いしてみてよりそう感じた。別の店へ移動中も「クラブ行きますか?」「自転車乗りますか?」と初対面で私が黙り気味だからかもしれないが、色々(結構唐突な)質問されたのが印象的だった。

一般の人であったら、他人から聞いた自分の詳しくない話はよく分からないと思って流してしまうものだと思う。ブログ主さんはそれを存在から説明して欲しい、存在から知りたいというような‥合っているかは分からないが、そうした欲を感じた。それは単に知りたい、共感したいを越えて、疑似体験したいというか‥。うまいことインタビュー中の具体例が出せなくて申し訳ないのですが。

自己分析してみてどうだったか聞かれ、なんと答えていいか迷った。どうも昔から自分の趣向に自信が持てない。最近は深く考えないようにしていたが、昔の話も聞かれたので久々にそのような感覚になった。知ってもらいたいのに自信が持てない、そういう感覚がインタビューして欲しい自意識なのかもしれない。

連絡した際にブログも教えたので、記事で紹介していいか聞かれていた。今回表現したい気持ちはあるのに晒す勇気がないことに気がついたので、紹介していただくことにした。ブログなどで文章を書くことを続けていこうと思う。インタビュー中は一貫して自分視点の話しかできず、嫌気がさした。自分の話しかできない件は、半分は業だと思って受け止めて、半分はどうにかしようと頑張ろうと思う。

引き続き一読者として、ブログ主さんのブログを楽しみにしてますし、現実世界(?)でも出掛けられたら嬉しいです!

 

【編集後記】

編集後記です。ブログ主です。え〜ちょっと、この呼び方、定着させるのやめません?もっとちょっとなんかこう…考えときます。

まずはじめに、この依頼を受けようと思った理由は、なんとなく「面白そう」だと思ったからです。もしかしたら宗教の勧誘が始まるかもしれないし、絵画や壺を押し売りされることだって可能性としてゼロではない。会ってみたら一般女性ではなく中年男性だった。なんてことも起こり得たわけで、そういったリスクも考慮した上で、それでもなんか「面白そう」だと思った。それが一番の理由です。

二番目は、Iさんがどうしてインタビューを受けたいと思ったのか、単純に興味がありました。互いによく知る友達や家族より、たまたま乗ったタクシーの運転手の方が話しやすいこともある。みたいな感じでしょうか。全然違ったらすみません。私自身に関しては、共感したいとか疑似体験したいという欲求は多分なくて、なんだろう、好奇心です。例えば結婚式の準備の話とか、経験がないから共感もできない話題なんだけど、知らない世界の話だからこそ興味がある。一見相反する感情なので説明しにくいのですが…。初対面ということで、今回はじめて事前に質問を準備して臨みました。

三番目は、住んでるところが近かったという距離的な理由です。

Iさんが私の印象を書いてくれたので、僭越ながら私もIさんの印象を書かせていただくと、「慎重だけど大胆」というか「慎重かつ大胆」というか、ご本人は無自覚だと思うけど、それができるのって多分センスなので、羨ましいなと思いました。

ただやっぱり1回会ってインタビューしただけではわからないなぁとも思いました。美容の話はもっと詳しく聞きたかったけど、今回は時間が足りなかったし…というわけでIさん、今度はインタビュー抜きでゆっくりご飯でも行きましょう~。

 

【関連リンク】

*1:第3回インタビューの方の文章から 面白かったので引用させていただいた