ねているときいがいねむい

ねているとき いがい ねむい

人には人の乳酸菌

一般女性1万字インタビュー

― 3月、都内某所 ―

待ち合わせの時間に遅れること10分、電車内で「スウェーデンの音楽を聴いていた」という彼女はイヤホンを外しながら現れた。

A子(仮名)さんは、都内のメーカーに勤務する28歳のOLだ。A子さんと私の出会いは、今からちょうど10年前の春。大学で知り合った私たちは、今でも月に1〜2回のペースで飲みに行っては、進展のない進捗を報告し合っている。レモンサワーのジョッキを片手に「バズりてぇ」とぼやく彼女に、私はある企画を提案した。

それが「一般女性1万字インタビュー」である。

 "A子さんの幼少時代からの現在までの生い立ちを振り返りながら、趣味や仕事、恋愛、人生観などについてじっくりと話を伺い、28歳一般女性のリアルな素顔に迫っていく"

という主旨のもと敢行された今回のインタビュー企画。バズる見込みはゼロである。どこにも需要のない100%自己満コンテンツであることは間違いないが、この企画にゴーサインを出した勇気だけは讃えてほしい。

 

 

インタビューをする場所や時間の指定は、すべてA子さんにおまかせした。

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通されたのは運河に臨むテラス席。学生時代には決して入ることができなかった超お洒落なアメリカンダイナーだ。

というのもこのお店、我々が通った大学の裏門をくぐり抜け、橋を渡った先にある。せっかくだからキャンパス内を通って行こうとしたのだが、奇しくもその日は入試日で、中へ立ち入ることはできなかった。

 

ここからはA子さんが事前に送ってくれた履歴書(PDF)を見ながら、彼女の生い立ちについて話を伺っていく。

ヒストリー・オブ・一般女性

 

木の声を聞いていた子供時代

 履歴書を見てまず気になったのが、部活動欄の「自然観察クラブ」

A:自然観察クラブ。小学校4年生くらいかな、週1回、夕方にクラブ活動というのがあって、街にくり出しては自然を観察するという。図鑑を見ながら植物や虫を調べて「オオバコだ!」とか、「西洋タンポポに交じって日本タンポポが咲いてる!」とか、神社の縁の下覗いて「アリジゴクいないかなぁ」とか。1人1個ずつ聴診器持って、木の声を聞く活動とか。

木の声を聞く活動。宗教じみてますね。

A:木に聴診器を当てて、スッと(目を瞑る)。雨が降った次の日は「あぁ、今日吸ってんなー」って。

こういう活動は今に通じるところがある。街を歩いていても気になったところはすぐに調べたりとか。雲にも種類があって、雲の形を見ればその日の気圧とか、雲が浮いてる高度とかが大体わかる。

それだけ入ってくる情報量が多いと、普通に生活していて疲れない?

A:そう。だから普段は眼鏡を外して生活してる。今日は眼鏡してきたけど、ごめん、これ嘘。ちょっとOLの休日感?オフの日のリラックススタイルみたいな雰囲気出すためにかけてきたけど、普段は裸眼(と言って眼鏡を外す)。裸眼だと視力は0.3くらい。情報が入ってこないように、できるだけ視界をぼんやりさせておきたい。

眼鏡は子供の頃から?

A:高校生のときに眼鏡を買って、私、筆箱とか持たない人だったんだけど、そこではじめて眼鏡ケースにシャーペンを1本入れて持ち歩くようになった。

そこではじめて。

A:筆記用具を自分で買ったことがなかった。大学生のときに実習用に3色ボールペンが必要で、自分で買ったのはそれがはじめてかもしれない。だからキラキラペンとか、においのするペンとか、ああいう文化を通ってきていない。文房具は全部、拾いもの。小学校の落としもの入れを物色して、そこから拾ってきて使ってた。

それいいの?

A:返してたよ。その日のうちに。消しゴムとかも、ちぎれた破片が落ちてたりする。下を向いて歩いてれば、大体何かしら落ちてる。

拾い物だから基本はえんぴつ。シャーペンってみんな落とさないんだよね。赤ペンもあるときは使ってたけど、ないときは黒で丸つけしたこともあった。

闇が深い(笑)

じゃあ、色ペン使ってすごくきれいにノートまとめてる人をどう思ってた?

A:えらいなーって。そこは別にその人のやり方だから。きれいなノートは見せてもらうとき読みやすいし。私はノートを分けてすらいなかった。全教科1冊のノートに、線とか枠とか気にせず自由に書いていた。

超天才の子がするやつだ。

A:公文に行ってたから、小学校のうちは授業を聞く必要がなかった。先生からしたら腹立つガキだったと思う。テスト勉強の計画書みたいなの提出しなきゃいけなかったんだけど、とりあえず全部「5分」って書いて出した。職員室でいろんな先生に笑われてたらしい(笑)

正直、あの頃の私は "船橋の神童" だったと思う。家に教科書を持ち帰ったこともなかった。だからランドセルも教室に置いて帰ってた。給食の箸だけはポケットに入れて。

 

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取材中に飛んできたスズメ。自然観察クラブだったA子さんは、その一瞬をすかさずカメラに収めていた。

 

 

ペンギンのぬいぐるみだけが友達だった

夏休みの自由研究は何やった?

A:家族で海に行っても海水浴とか嫌いだから、海藻集めたりしてて、それを天日干しにして同定して提出した。

あと、スライムは山ほど作ってた。なんせ家がクリーニング屋なので洗濯糊は無限にあって。スライムはほんと、山ほどつくってみんなに配ってた。

超人気者になれんじゃん。

A:…なれなかった。友達は…2人?…3人?かな。そのうちの1人とは家でひたすらゲームしてて、レガイア伝説。「この霧を晴らすのは僕たち」ってやつ。ほかはXI(サイ)とか。ひたすらサイコロ転がすやつ。

一時期ゲーセンのストリートファイターにめちゃくちゃハマって、スティックもプロ持ち(ワイングラス持ち)でやってた。アーケード対戦とかして遊んでたんだけど、ある時スティックが折れちゃったことがあって、すげぇ怖くなって逃げて、それからゲーセンへは行かなくなった。

…他に何か明るいエピソードはないかな…

事前にもらった資料に「おかあさんごっこは赤ちゃんかペット」と書いてあったけど、これは私も全く一緒で、

A:赤ちゃんとペットはいいよね。基本しゃべんなくても良いから。幼稚園ではほとんどしゃべったことがなくて、もしかしたら幼稚園の子とは一言も口聞いてなかった可能性すらある。

園にペンギンのぬいぐるみがあって、いつも真っ先にペンギンのとこに行って…というのを3年間。ペンギンには話しかけてたのかな…、話してはなかったかな…、ひたすら眺めて過ごしてたかも。

体が弱くて、運動会とか遠足とか、主要なイベントはほとんど休んでたりしてたから、友達はいなかったな。だから幼稚園の子は一人も名前覚えてない。

卒園アルバムの表紙、一番楽しかった思い出を描きましょうっていうテーマだったんだけど、それ私、雲梯(うんてい)してるとこ描いたんだよね(笑) 雲梯は、めちゃくちゃやってた。一人で。

その頃はなんて呼ばれてた?ニックネームとか。

A:なんて呼ばれてた…?誰に…?あ、好きな男の子がいて、その子には苗字+さん付けで呼ばれてた。バスで席が隣だったんだけどその子が持ってたカバンがフルーツ柄で、「これ知ってる?スターフルーツ。切るとお星さまの形なんだよ」って教えてくれて。園児の口から "スターフルーツ" というワードが出てくるんだよ?やばくない?好きでしょ。それが初恋。初恋スターフルーツ

つんく♂さんが書いた曲名みたいですね。

A:初恋はその人。か、アンパンマンアンパンマンはめっちゃ好き。自分の顔ちぎって分け与えるって、自己犠牲が過ぎんじゃん。もともとやなせたかし先生の作品が好きで、「ドキンちゃんのドキドキカレンダー」っていうビデオは多分100回くらい見てると思う。

確かに、ジブリとかディズニーとかのビデオをセリフ完コピするくらい見てる子いたなぁ。他に見てたビデオはある?

A:耳すま(耳をすませば)。今でも年2回は見てる。聖司くんかっこよくない?目指してる職業がヴァイオリン職人だよ?奏者じゃなくて職人だよ?15歳で。読んでる本もちょっと小難しい感じで。天沢聖司って名前もかっこ良いし、大好き。

意外…ああいう感じ嫌いかと思ってた。

A:好き好き。超好き。「秒速5センチメートル」とか「サマーウォーズ」は理解できなかった。「君の名は。」も、よくわかんなかった。泣くところもキュンとするポイントも。手のひらに「好きだ」って書くところとか、頭悪いなーって。お前の行動にみんなの命が懸かってるのに、馬鹿でしょ。クリティカル馬鹿

前前前世は好き。RADはずっと好き。有心論とかセツナレンサとか、めっちゃ好き。一番聞いたのは3(~無人島に持っていき忘れた一枚~)かな。

高校生の頃聴いてた音楽は?

A:エレカシゆら帝Franz Ferdinand、アクモン…いろいろ聴いてた。小中はジャニーズがメインで、J-POPも好きだったし、CarpentersとかQUEENも親の影響で聴いていた。

今も洋楽は結構聴くよね?

A:「洋楽」って括りじゃなくて、「耳障りが良いやつ」を聴くって感じ。最近よく聴くのはKid Astray。北欧のエレクトロポップみたいなバンド。

そういうのってどうやって見つけてくるの?この前も韓国に行ったときCD買ってきてたよね?

A:ジャケ写見て買ってる。ジャケ写で選んで外したことはあんまりない。試聴しちゃうとそれで満足して買わないから、だいたい直感で選んでる。チャンス・ザ・ラッパーもジャケ買いから入った(笑)

やっぱり音楽はCDで買う?

A:今はApple Musicがあるからそれで済ませちゃうことが多いけど、必ずCDで買うのはジャニーズとアイマスアイマスめっっっっちゃ良いよ。曲が良い。素晴らしい。最近ハマってるのはSideM。SideMはアイマスの男性版みたいな感じ。

ああ、なんか言ってたね。梅原さん

A:そう、梅原裕一郎。超かっこいい。まず顔。声が低い。中身がサイコパス。もう超〜〜~かっこいい。ラジオやってて、小6のリスナーからのメッセージがちょっと日本語の使い方おかしかったんだけど、それに対して「まずは言葉のお勉強しましょうねー」ってバッサリぶった切る返答してて、辛辣なところが好き!ってなった。

 

好きな人と音楽の趣味が合わなかったらどう思う?

A:別にいいんだけど、話は合わないかも。音楽の趣味が一緒だったら、たぶん好きなファッションとか感性も近いかなーって。好きな音楽が違うのは全然いいんだけど、否定されたり何にも知らないってなると腹立つ。逆に趣味が一緒でも趣味に対する考え方が合わないとダメかも

 

男子高校生と触れ合いたい

私たち(それぞれ別の高校だけど)女子校出身じゃないですか。女子校育ちの弊害みたいなものって今でも感じる?

A:女子校に入ったことは、面白かったなーって思う。でも共学に行っときゃよかったなーっても思う(笑)  今、男子高校生が好きなのですが、

今?

A:今。男子高校生が好きなのですが、あの時代に合法的に男の子と触れ合っておきたかったなーっては思うかな。まあ当時もよく遊ぶ男友達はいたけどね。彼は男子校で、あの…えーっと…ほら、平泳ぎ金メダルおじさん!の出身校!

北島康介

A:それ。アスリートとかスポーツはよくわからない。興味ない。フィギュアの子(宇野くん)は、うーん、ジャニーズだったら好きになってたかもしれない。基本事務所推しだから。ジャニー喜多川ヒロム推し。

ジャニーズを好きになったのは?

A:幼稚園の頃。KinKi Kidsのコンサートのビデオを見て、最初に好きになったのは光一くんだったんだけど、最後の最後で剛くんがローラーブレードで旗持って駆け回るところがもうすごくかっこよくて、剛…!!!って。

ジャニーズとか抜きにしても、一番好きな人は剛くん。私の全て。身長も全然気にならない。剛くんだけは全てが例外。ソロ活動も剛くんがやりたいことやれてるなら素晴らしいなーって。だからその結果としての作品もすべて素晴らしいなーって。

エンドリケリー・エンドリケリーだっけ?

A:いや、今は繰り返さないんですよ。ENDRECHERI。剛くんすごいんだよ、ミラコレでショーの音楽を担当したりしてて、デザイナーとのコラボ衣装もあって、――(以下略)

 

 

OL衣食住

基本データとして衣食住についてお尋ねします。

A:オンとオフは分けてる。一応。ブランドには興味ない。ユニクロが一番好き。

A:基本的には自炊。お昼もお弁当。半分くらいは出張なので外食になってしまう。

A:都内の1DKに妹と2人暮らし。家賃9万を2人で折半。駅から徒歩5分、会社にはドアtoドアで40分くらい。

 

妹さんと仲良しだよね。もし妹が家を出ていくとなったら?

A:悲しい。絶望。死。だったら私が家を出ていく。

 

 

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本日の「食」はインスタ映えする贅沢ランチ。昼間から飲むビールはどうしてこんなに美味いのだろう。

 

 

人に好かれたいとは思わない

中・高は何部だった?

A:中学は演劇部、高校は帰宅部。演劇部は消去法。ほら私、運動嫌いじゃん。当時テニプリが好きだったからテニス部は見学に行ったんだけど、こういう(画像参照)ブスがいっぱいいたからやめた。

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ストパーか縮毛矯正をかけていて、毛量の少ない二つ結び(A子さん作)

 

帰宅部のときは学校終わったら直帰してテレビ見て、夜はラジオを聞いていた。深夜ラジオは小学生のときから聞いてて、上田晋也の「知ってる?24時」が好きだった。中学のときに同じクラスに番組特製のシャーペンを持ってる男の子がいて、本人には言わなかったけど内心「お前マジかよー」って思ってた。

演劇部の友達は、1人は今も仲良くて、もう1人はSNSとか一切やってない。あと一緒に登下校してた子がすげーギャルだった。すげー頭悪かったけど、そこが好きだった。たぶん私のこともバカだと思ってたんじゃないかな。一緒に「テスト勉強全然してない」とか言ってたんだけど、その子は普通に点数悪くて、自分は普通に良い点取ってたから、…あ、だからかな?途中で疎遠になったのは…

あれだよね。「身に覚えのない嫌われ」結構するタイプだよね。

A:そうかもしれない(笑) 私は全人類好きなんだけどね。基本、嫌いな人はいない。

確かに。人付き合いはすごくフラットだよね。

A:こいつクソだなって人でも「性格クソですよね」ってイジらせてくれる人だったら大丈夫。いける。この人イジったらヤバそうだなって人でも「イジったらヤバい人ですか?」とか攻めたこと結構言っちゃう。嫌なやつでも可愛いところ見つけちゃう。

自分がどう思ってるかだから、相手がどう思ってるかには興味ない。

好かれたいって思ってない。むしろちょっとだけ嫌われたい。

ウザいって思われるくらいがちょうどいい。

ウザいところが良いよねって言われたら、最高。

 

今の部分、全部太字で掲載しますね(笑)

 

10年前の出会い覚えてる?

知り合ってちょうど10年だよね。

A:ね。覚えてる。入学前に、mixiでマイミク申請したんだよね。同じ大学に入学予定の人で、マイミクが40人くらいの人を検索してて、プロフィールとかコミュニティ見て雰囲気で申請したんだと思う。高校の友達から、「おまえは第一印象が悪いから、先手打っとけ」ってそそのかされて。

入学式前の3月末にあった「お友達をつくろう!」みたいな趣旨のオリエンテーション、それも2人とも行かなかったよね。

それめっちゃ覚えてる。その日私は東京で家探しをしてて、

A:私は寝てたら一日が終わってた。「行きました?」ってメッセ送ったら「行ってないです」って返ってきて、めっちゃ安心した。普通にみんな行かないもんだと思ってたけど、蓋開けてみたらほとんどの人が参加してたっぽくて、あれは焦ったよね。入学早々完全にスタートダッシュから取り残されたよね。

大学デビュー失敗したよね。はじめて会った時の光景は今も鮮明に覚えてる。あれは一生忘れないと思う。

A:大講義室の、一番後ろのね。うわ、めっちゃ覚えてる。お友達企画に参加した人たちは既にグループが出来上がっていて、「久しぶり~」みたいな感じで再会してて。うちらはそれを後ろから眺めてたよね。

入学前にマイミク申請してた2人のうち、もう1人がB君(A子さんの元彼)で、

これは書いても大丈夫?

A:大丈夫大丈夫。B君とは帰る方向一緒だったから、途中の駅でお茶しよっかって流れになって、そこから徐々にCD屋さんとか本屋さんに行くようになって、趣味も合うなーってなって…

1年生の夏の実習の頃にはもう付き合ってたよね?実習に向かう電車で私みんなに鯨餅配ってて、

A:鯨餅(笑) 配ってたね。鯨餅いる?つって全車両回ってたよね。鯨餅って何?って感じだったけど。おいしかったけど。

で、そのときAちゃんとB君が一緒に座ってたから、おっ!そういう感じか!って

A:そう、その実習の前の日から付き合いはじめて、3年生の夏に別れたから、付き合ってたのはトータルで2年くらい。

そこから彼氏いない歴7年…

A:いや、別れてすぐに彼氏できたけどね。すごいクソな男で、2週間くらいですぐ別れた。それが最後。7年。早いなー。そんなに経つっけ?早いなー。体感的にここ2~3年はすごく早い。2016年なんか昨日だと思ってる。その時の人はね、すごい、気持ち悪いなーって思いながら付き合ってた。まあ、ヤケクソで付き合ったから自分も悪いんだけど、ずっと、すごい気持ち悪いなーって。一瞬たりとも好きじゃなかった。

でもそれで、好きじゃない人は無理だなってことはわかった。逆にあの頃なんで彼氏いたんだろうね。あれは私じゃなかったのかな?って。

(B君と)別れる前は「なんで私がしんどいときにそばにいてくれないの?」みたいに思ってた時期が、確かにあった。

そういう普通の女の子みたいなことも考えるんだね。意外。

A:ね。わがままだったなって思う。だけどしんどい時期に「対応しろよお前」って思ってたのも事実だから、よく付き合ってたなって。

 

元素とメンヘラの話

私、Aちゃんが提唱してる元素とメンヘラの話がすごい好きなんだけど、

A:元素の周期表があって、一番左の列の水素やアルカリ金属は、単体では不安定だからすぐ他のものと結合して安定しようとする。一方で、一番右側の列の希ガスは、単体で安定してるから全然反応しない。私は希ガス。単体で安定しちゃってる。Cちゃん(メンヘラ)はアルカリ金属。単体でいるとメンタルが不安定だから、すーぐ誰かと結合して安定を求める。

この説、ほんと好き。

A:化学で院まで行って学位取ってるから、なんでも化学で置き換えちゃうんだよね(笑)

逆に希ガスはどうやったら反応するの?

A:希ガスを反応させるには、バコバコにエネルギー与えてやって、不安定な状態にする必要がある。

希ガスも一応反応するんだね。

A:するする。バコバコにエネルギーをかければ反応する。

Aちゃんが反応するエネルギーってなんだろう?

A:顔が整った男子高校生。顔が整った男子高校生を前にしたら、メンタルが不安定になって多少は反応を起こしやすくなるかもしれない。

 

 

人生経験としての結婚

あと何か聞いておきたかったこと…結婚願望は?

A:人生経験として、してみたいかなーとは思う。出産も。

となると何歳までに結婚して、出産して…みたいなプランが必要だよね。

A:うん。だから最近めっちゃ卵子凍結について調べてる。するなら早い方が良いと思う。精子バンクとかも調べてる。精子の価格は男性のスペックにもよるけど、例えばアメリカのインテリイケメンとの子でも、金さえ積めば産める。

Fin. 〜

 

––こうして一般女性1万字インタビューは幕を閉じた。

締めくくり方が雑ではあるが、このあたりで2人の集中力が限界を迎えた事実を認め、1万字インタビューを終了とする。結婚観を聞くつもりが、卵子凍結にまで話が及んだのには流石に驚いたが、A子さんの口から

「30までに結婚して、上が女の子で下が男の子が理想。半年に1回くらいは旦那さんと二人きりでデートしたりして」

みたいな人生プランが語られることはないだろうということは、なんとなく予想できていたことなので、彼女らしいといえば彼女らしい結婚観であるように思う。

 

-編集後記-

インタビュー記事自体はすぐに書き上げることができた。問題は編集後記だ。

最初はA子さんに対する熱いメッセージを書きました。そしたらなんか、これは違うなっていうか、次会うとき恥ずかしいなって思って、消しました。

そのあと2人の思い出を振り返る文を書きました。それはそれで、あれ?弔辞かな?A子さん死んじゃった?って思って、消しました。

インタビューをしてみての感想を書きます。今回の企画は、生産性がなくても自分たちが楽しければいいやの精神で敢行されたわけだけど、意外にも私はA子さんに対する一つの結論を導き出すことに成功しました。

A子さんのバランス感覚は、彼女の知識と経済力に基づいている。

今まで漠然と、バランス感覚に優れた人だな〜という印象は持っていたのだけど、バックグラウンドを掘り下げることによって、あ、めっちゃ頭いいな。めっちゃ金持ってるな。ということがわかりました。だからか。選択肢が多いからバランス感覚が良いんだろうな。これがインタビューを通しての分析結果です。ものすごく頭の悪い文を書いている気がするけれど、これをもって編集後記とさせていただきます。

 

↓以下、A子さんによる原文まま掲載

- A子プロフィール-

1989年生まれ。28歳。A型。千葉県船橋市出身。
同じ誕生日の有名人:尾崎裕哉、水川あさみギャオス内藤
XX大学大学院修士前期課程を修了し、2014年から化学系材料メーカーの営業部に入社。
趣味は音楽鑑賞と読書。ジャニーズはもはやライフワーク。最近は若手声優沼でも活動中。多数の心の恋人と妹と共に日々を過ごしている。
好きなタイプは見た目が良い人。
好きな食べ物は手が汚れないもの。
座右の銘は「やってから考えよう」

 

-インタビューを受けての感想-

「お互いに1万字インタビューしよ。一般OL1万字インタビュー。」
ある日の都内の居酒屋、いつもの友達と2人きりの飲み会。
どうしてこんな話になったのかは全く覚えていないが、史上最高に誰も注目しないインタビュー企画は突然に決まった。
今回のインタビュアーである彼女とは大学入学当初からの友人である。彼女とはお互いに考え方が近い部分があり、拗らせてしまって世間と共感できなくなった私が、ヲタ活以外で「それな」と「わかる」を連発する飲み会ができる数少ない友である。(元々友達が少ない可能性もあり。)
私は、「私が彼女に抱く感情」と「彼女が私に抱く感情」は、かなり似ているのではないかと想像している。親しみはもちろんだが、「この人、なんでこんな拗れちゃったんだろ…やば…」という哀れみの気持ちも込みである。
故に、我々はお互いの拗れルーツを探るべく、かつ、「たぶんコイツよりはマシだ」という謎の安心感を抱きたいが為に今回企画を実行した、と私は認識している。
「実際どうなのか、安心できたのか。」答えはもちろん否だ。だってまだ彼女のインタビューしてないし。
そして何より、今回のインタビューのために、私は自分自身を省みた。就活の時よりも顧みた。自己分析の鬼と化した。
結果、自分自身のこれまでの人生の闇が浮き彫りになり、「コイツはヤバイ」と改めてまざまざと見せつけられただけだった。そりゃ拗れる。妥当である。
今のままだと世界で一番拗らせた人間は自分である可能性が否定できないので、私はなんとしても第2弾を実行し、次回ゲストであるこの友人の闇を浮き彫りにせねばならない。
この感想を書いている現在、私は中国のお客さんの工場に籠っている。軟禁である。正直楽しいことなんて何一つとしてない。
しかしこの感想を書いている今だけは、どんな記事に仕上がるのか、次回はどんな質問をぶつけようか、そんなことを想像しただけで楽しみで楽しみで仕方がなくなる。
だからお願い。早く私を安心させてね♡

2018年3月16日 中国蘇州にて